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2025.03.19 20:10

『エミリア・ペレス』ジャック・オディアール監督来日!上映イベントが開催!

  • Fan's Voice Staff

第82回ゴールデングローブ賞作品賞など最多4部門、第97回アカデミー賞で2部門を受賞したジャック・オディアール監督最新作『エミリア・ペレス』のジャック・オディアール監督を迎えた来日上映イベントが、3月19日(水)に東京・109シネマズプレミアム新宿にて開催されました。

本作の制作を務めるのは、フランスのラグジュアリーブランド「サンローラン」から誕生した映画制作部門「サンローラン プロダクション」。クリエイティブ・ディレクターのアンソニー・ヴァカレロが構想し、ラグジュアリーブランドとして初めて本格的な映画制作を行うことを発表した同部門は、これまでウォン・カーウァイやペドロ・アルモドバル、ジャン=リュック・ゴダールなど、世界的な巨匠監督とのタッグによる短編作品を次々と発表。そして、満を持しての長編第1作目となる本作で大躍進を遂げました。

サンローラン主催による今回のイベントには、2002年のイヴ・サンローランの引退ショーでモデルを務めた冨永愛もゲストスピーカーとして参加。

冒頭、冨永は「サンローランプロダクションの映画ということで、サンローランがこのような形で映画制作を手がけていると初めて知り、とても楽しみにしていました。今日はジャック・オーディアール監督がわざわざ日本にいらしてくださったので、たくさんお話を伺うのが楽しみです」と挨拶。オディアール監督は「みなさん、こんにちは。東京の観客の皆さんにお会いできて、大変嬉しく思います。本日は、サンローラン プロダクションやアンソニー・ヴァカレロさんとの共同制作についてなど、さまざまなお話をしていきたいと思います」と続けました。

カンヌ国際映画祭での審査員賞と女優賞の受賞をはじめ、本年度アカデミー賞最多13ノミネートなど、各地の映画祭や映画賞で高い評価を受けたことに対し、監督は「世界中でこれほど受け入れられ、成功を収めたことに大変驚いています。今こうして来日させていただいているように、この作品とともに世界中を巡ってきたため、少し疲れも感じています。喜びと疲れを同時に味わっているという感じですね。ですので、今日はぜひシンプルな質問をお願いします(笑)」とユーモアを交えながらコメント。

サンローランとのコラボレーションについて問われると、「アンソニー・ヴァカレロさんや美術監督のヴィルジニー・モンテルさんと話し合いながら衣装の方向性を決めていきました。サンローランの膨大なアーカイブの中から選ばせてもらったものもありますし、必要に応じて新たに制作してもらったものもありました」と振り返り、「今回の衣装は、主要な女性キャラクターたちが40代という設定になっており、年代にふさわしいだけでなく、物語の中で彼女たちが変化していく様子が衣装にも反映されるよう工夫しました」とこだわりを明かしました。

冨永も「サンローラン プロダクション制作ということで、映画の中で最も注目していたのは“衣装”でした。しかし、途中から衣装のことを忘れてしまうほど物語に没入してしまいました。それだけキャラクターと衣装が完璧にマッチしていたのだと思います。とにかく、女性たちが美しかったです」と絶賛。

MCから「冨永さんが考える“サンローラン・ウーマン”とは?」と問われた冨永は、「“闘う女性”というイメージです。昔からサンローランのランウェイを歩いてきましたが、どの時代においても、自分らしさを貫くことは簡単ではない中で、もがきながらも、自分らしさを追求し、幸せを感じる──そうしたすべてを含めた美しさが“サンローラン・ウーマン”の本質だと思います。映画の中の4人の女性たちにも、それぞれの生き様や恋愛観を通して、その美しさが描かれていてとても興味深かったです」とコメント。監督も「映画に出てくる4人の中心的な女性キャラクターは、いずれも自由で強い自立心を持っています。それがサンローランの女性像にあうと考えています。本作では苦しい運命にありながらも自ら運命を切り開いていくような女性たちを描きました」と語りました。

さらに、本作のキャストであるゾーイ・サルダナ、セレーナ・ゴメス、カルラ・ソフィア・ガスコン、アドリアーナ・パスらについても言及。監督は「最初のシナリオでは、登場人物の年齢設定を25〜30歳くらいにしていました。しかし、メキシコでキャスティングを進めたものの、なかなか思うように進まず、その後、カルラやゾーイと出会い、彼女たちがぴったりだと感じたため、登場人物の設定を40代に変更しました。衣装もそれぞれの世代に合わせて調整し、物語とともに変化していくように工夫しました」とキャスティングへのこだわりを明かしました。

冨永は特に印象に残ったシーンとして、アカデミー賞歌曲賞を受賞したゾーイ・サルダナによる「El Mal」のパフォーマンスシーンを挙げ、「あの場面で歌い出すなんて!? そこでそのダンスをするの!? と驚きました。とても興味深く、それが素晴らしくて、私はとても好きでした」と感想を語りました。

最後、監督は「この作品を撮影しながら、私自身も大いに楽しみました。観客の皆さんにも、ぜひ同じように楽しんでいただけると嬉しいです。映画の中では、非常に自立した女性たちが歌い、踊り、自由に生きる姿が描かれています」と述べ、イベントを締めくくりました。

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『エミリア・ペレス』(原題:Emilia Pérez)

監督・脚本:ジャック・オディアール
出演:ゾーイ・サルダナ、カルラ・ソフィア・ガスコン、セレーナ・ゴメス、アドリアーナ・パス
制作:サンローラン プロダクション by アンソニー・ヴァカレロ

日本公開:2025年3月28日(金)新宿ピカデリーほか全国公開
配給:ギャガ
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