ウォルター・サレス監督『アイム・スティル・ヒア』8月公開決定!
- Fan's Voice Staff
第97回アカデミー賞作品賞など3部門にノミネートされている名匠ウォルター・サレス監督の『I’m Still Here』が、邦題を『アイム・スティル・ヒア』として8月に日本公開されることが決定しました。
1970年代、軍事政権下のブラジル。5人の子どもたちと共にリオデジャネイロで穏やかな日々を過ごしていた元国会議員のルーベンス・パイヴァとその妻エウニセ。ところが、スイス大使誘拐事件を契機に、国の空気は一変。抑圧の波が広がる中、ある日、ルーベンスは軍に逮捕され、そのまま連行。愛する夫を突然奪われたエウニセは、必死にその行方を追うも、その過程で彼女自身もまた軍に拘束され、数日間にわたる過酷な尋問を受けることに。極限の状況の中でなお、沈黙を貫き、夫の行方を捜し続けたエウニセ。自由を奪われ、愛する人の消息も知らされぬまま、それでも夫の名を呼び続けたエウニセの声は、やがて静かに、歴史を動かす力へと変わっていき──。
ウォルター・サレス監督は、1998年、アカデミー賞2部門にノミネートされた『セントラル・ステーション』で世界的な評価を確立。今作では、元国会議員であったルーベンス・パイヴァが軍事政権によって誘拐されるという実際に起こった事件をもとに、エウニセ・パイヴァの静かでありながらも圧倒的な闘志を描き出し、彼女がどのようにして自らの喪失と絶望に打ち勝ち、時代の潮流に逆らってまで立ち上がったのか、その姿を、力強い映像で映し出します。
原作となったのは、ルーベンス・パイヴァの実の息子であり作家のマルセロ・ルーベンス・パイヴァによる書籍「Ainda Estou Aqui」(日本未)。幼い頃、パイヴァ家と親交を持っていたウォルター・サレス監督にとっては、自らが見聞きし、体験してきた歴史と向き合う重要な作品でもあり、この物語は単なる歴史の再現ではなく、個人的な記憶と深く結びついた、16年ぶりのブラジル作品となりました。
エウニセ役には、サレス作品の常連でもあるフェルナンダ・トーレス。本作で第82回ゴールデングローブ賞主演女優賞を獲得し、第97回アカデミー賞主演女優賞にノミネートされています。さらに、フェルナンダ・トーレスの実母であり、『セントラル・ステーション』に出演したフェルナンダ・モンテネグロがエウニセの老年期役を演じ、その眼差しが、過去と現在、母と娘、二人の女優を結びつけます。
第81回ベネチア国際映画祭コンペティション部門でワールドプレミアされ、脚本賞を受賞。第97回アカデミー賞では、ブラジル映画史上初となる作品賞をはじめ、主演女優賞、国際長編映画賞の計3部門にノミネートされています。
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『アイム・スティル・ヒア』(英題:I’m Still Here)
監督:ウォルター・サレス
脚本:ムリロ・ハウザー、エイトール・ロレガ
出演:フェルナンダ・トーレス、セルトン・メロ、フェルナンダ・モンテネグロ
音楽:ウォーレン・エリス
撮影:アドリアン・テイジド
2024年/ブラジル、フランス/137分
日本公開:2025年8月ロードショー
配給:クロックワークス
公式サイト
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