『ハイパーボリア人』日本版予告編が解禁!
- Fan's Voice Staff
『オオカミの家』の監督デュオ《レオン&コシーニャ》の最新作で、第77回カンヌ国際映画祭監督週間にされた『ハイパーボリア人』の日本版予告編が解禁されました。
到着した予告編は、前作『オオカミの家』の映像から、荘厳な鐘の音とともに『ハイパーボリア人』の映像に切り替わってスタート。チリの女優で臨床心理学者であるアントーニア・ギーセンは、自分の患者が悩まされている謎の幻聴を元に、レオン&コシーニャ監督と映画を撮ることに。ところがその幻聴は、実在したチリの文化人でありヒトラーの信奉者ミゲル・セラーノの言葉で、映像の後半では「その昔 地球はハイパーボリア人が支配していた」や「この洞窟にヒトラーがいる」などと不穏なセリフが続き──。
監督たちは、初の長編アニメーション『オオカミの家』の制作に5年も費やした反動から、次はスピーディーに実写映画を作ろうと本作の制作をスタート。実在した親ナチ文化人ミゲル・セラーノやチリの政治家ハイメ・グスマンを登場させ、チリの現代史やナチス・ドイツをモチーフにする一方、主演俳優のアントーニア・ギーセンや、監督のレオン&コシーニャが実名で登場することで、現実と虚構、過去と現在の境界を巧妙に見失わせる仕上がりに。
さらに、20世紀初頭にトリック撮影を駆使して摩訶不思議な映像世界を生み出したフランスのジョルジュ・メリエスやスペインのセグンド・デ・チョーモンをリスペクトする二人だけあり、実写、影絵、アニメ、人形、16ミリフィルム、ビデオ、デジタル……と最後まで何が飛び出すかわからない“闇鍋”映画を生み出しました。
監督の一人ホアキン・コシーニャは、主演俳優や自身が実名で出演したことについて、「コロナ禍の最中につくったオンライン演劇に、アントーニア・ギーセンと共に監督である我々も実名で出演した。自分たちが話している映像に謎のウイルスが入り込んできて、映像が歪んだり、会話が予期せぬ方向に流れていったりするもので、それが面白かったので、本作でもその構造を活かし、また彼女に自身として出てもらうことが良いのではないかと考えた」とコメント。
本作に登場する数々の人形や、物語の核心に関わる大きな頭は、監督であるレオン&コシーニャが撮影の数週間前から開いていたワークショップで参加者と共に作られたもの。この成果物について監督は「綿密にスケジュールを組んで用意周到に臨んだわけではなく、まずルールや仕組みを私たちがつくり、参加した様々な人たちと私たちとの共同作業の中から生まれていった作品」と説明しています。
予告編とあわせて、『ハイパーボリア人』の新場面写真7点、同時上映の短編『名前のノート』の新場面写真3点、さらに制作の様子が垣間見れるメイキング写真5点が到着しました。
『ハイパーボリア人』
『名前のノート』
メイキング写真
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『ハイパーボリア人』(原題:Los hiperbóreos)
女優で臨床心理学者でもあるアントーニア(アント)・ギーセンは、謎の幻聴に悩まされるゲーム好きの患者の訪問を受ける。彼の話を友人の映画監督レオン&コシーニャにすると、二人はその幻聴は実在したチリの外交官にして詩人、そしてヒトラーの信奉者でもあったミゲル・セラーノの言葉であることに気づき、これを元にアントの主演映画を撮ろうと提案する。二人に言われるがまま、セラーノの人生を振り返る映画の撮影を始めるアントだったが、いつしか謎の階層に迷い込み、チリの政治家ハイメ・グスマンから、国を揺るがすほどの脅威が記録された映画フィルムを探す指令を受ける。カギとなる名前は“メタルヘッド”。探索を始めるアントだったが、やがて絶対の危機が彼女を待ち受ける……!
監督:クリストバル・レオン、ホアキン・コシーニャ
脚本:クリストバル・レオン、ホアキン・コシーニャ、アレハンドラ・モファット
出演:アントーニア・ギーセン
2024年/チリ/スペイン語・ドイツ語/71分/カラー/1.85:1/5.1ch/字幕翻訳:草刈かおり
同時上映『名前のノート』(原題:Cuaderno de Nombres)
ピノチェト軍事政権下で行方不明になった未成年者たちを追悼する重厚な「描き」アニメーション。映像、音響(合唱)ともに、こちらも若者たちとのワークショップによって生み出された。
監督:クリストバル・レオン&ホアキン・コシーニャ
脚本:アレハンドラ・モファット、クリストバル・レオン、ホアキン・コシーニャ
2023年/チリ/スペイン語/8分/カラー/1.85:1/字幕翻訳:草刈かおり
日本公開:2025年2月8日(土) より、渋谷シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー!
提供:ザジフィルムズ、WOWOWプラス
配給:ザジフィルムズ
字幕協力:ひろしまアニメーションシーズン
公式サイト
© Leon & Cociña Films, Globo Rojo Films