第81回ベネチア国際映画祭(2024年)公式ラインナップが発表!
- Fan's Voice Staff
第81回ベネチア国際映画祭(8月28日〜9月7日)の公式ラインナップが、現地時間7月23日(火)に開催された記者会見にて発表されました。
コンペティション部門は21作品。5月のカンヌ国際映画祭での上映が期待されていた作品の多くがベネチアに流れたことが実感できるラインナップです。
2019年に金獅子賞(最高賞)を受賞した『ジョーカー』の続編にあたるトッド・フィリップス監督の『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』をはじめ、ウィリアム・S・バロウズの自伝的小説を原作とするルカ・グァダニーノ監督×ダニエル・クレイグ主演の『Queer』、スペインの鬼才ペドロ・アルモドバルがジュリアン・ムーア、ティルダ・スウィントンをキャストに迎えた英語作品『The Room Next Door』、ニコール・キッドマン、ハリス・ディキンソン、アントニオ・バンテラス共演のハリナ・ライン監督によるA24作品『Babygirl』、アンジェリーナ・ジョリーがオペラ歌手マリア・カラスを演じるパブロ・ラライン監督による伝記映画『Maria』など、スター俳優が出演する話題作もずらりと並んでいます。
アジアからはドキュメンタリーの巨匠として知られる中国のワン・ビン、そして『幻土』で2018年のロカルノ国際映画祭金豹賞(最高賞)を受賞したシンガポールの新進気鋭ヨー・シュウホァの最新作といった期待作が選出されました。
アウト・オブ・コンペティション部門には、ブラッド・ピット、ジョージ・クルーニーらが共演するジョン・ワッツ監督の『ウルフズ』、ハーモニー・コリン監督の『Baby Invasion』などと並び、日本を代表する大物監督の2作品が選出。
1本は、北野武監督の最新作『Broken Rage』。北野監督はベネチア映画祭と縁が深く、『HANA-BI』(97年)で金獅子賞、『座頭市』(03年)で監督賞(銀獅子賞)を受賞。『Broken Rage』の尺は62分、キャストにはビートたけし、浅野忠信、大森南朋が発表されていますが、詳しいストーリーは明かされていません。北野監督は自身が監督・脚本・主演を務める長編映画をAmazonMGMスタジオが製作することが6月に発表されており、本作はその作品である可能性も考えられます。
もう1本は、菅田将暉を主演に迎えた黒沢清監督のスリラー『Cloud クラウド』。黒沢監督も2020年に『スパイの妻』で監督賞(銀獅子賞)を受賞しており、同映画祭に馴染みのある監督です。
サイドバーの「オリゾンティ」部門には、空音央監督の初長編劇映画『HAPPYEND』が選出。父である坂本龍一氏のコンサートドキュメンタリー映画『Ryuichi Sakamoto | Opus』が去年のベネチア映画祭のアウト・オブ・コンペで上映されており、2年連続のベネチア参加となります。
アウト・オブ・コンペティション部門で特筆すべきは、ベネチアが近年力を入れている「シリーズ」のセレクション。ストリーミングの台頭により多くの映画監督が配信のドラマシリーズを手掛ける中、今年のベネチアではアルフォンソ・キュアロン監督のApple TV+シリーズ『Disclaimer』、ジョー・ライト監督の『M. Son of the Century』、『アナザーラウンド』でアカデミー賞国際長編映画賞を受賞したデンマークのトーマス・ヴィンターベア監督によるディストピアシリーズ『Families Like Ours』、『おもかげ』のロドリゴ・ソロゴイェンらが手掛けるラテンアメリカのリミテッドシリーズ『Los años nuevos』といった豪華なタイトルが選出されました。
オープニング作品は、事前に発表されていた通りティム・バートン監督の『ビートルジュースビートルジュース』。1988年に大ヒットした同監督のホラーコメディ『ビートルジュース』の35年後を描いた続編で、マイケル・キートン、ウィノナ・ライダー、キャサリン・オハラらオリジナルメンバーも続投しています。オールスターキャストの作品だけに、華やかな開会式になることが予想されます。
コンペティション部門
『The Room Next Door』ペドロ・アルモドバル
『Campo di battaglia (Battleground)』ジャンニ・アメリオ
『Leurs enfants après eux (And Their Children After Them)』リュドヴィック・ブケルマ、ゾラン・ブケルマ
『The Brutalist』ブラディ・コーベット
『Jouer avec le feu (The Quiet Son)』デルフィーヌ・クラン、ミュリエル・クラン
『Vermiglio』マウラ・デルペロ
『Iddu (Sicilian Letters)』ファビオ・グラッサドニア、アントニオ・ピアッツァ
『Queer』ルカ・グァダニーノ
『Kjærlighet (Love)』ダーグ・ヨハン・ハウゲルード
『April』デア・クルムベガシュヴィリ
『The Order』ジャスティン・カーゼル
『Maria』パブロ・ラライン
『Trois amies (Three Friends)』エマニュエル・ムレ
『Kill the Jockey』ルイス・オルテガ
『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』トッド・フィリップス
『Babygirl』ハリナ・ライン
『Ainda Estou Aqui (I’m Still Here)』ウォルター・サレス
『Diva Futura』ジュリア・ルイーズ・スタイガーヴァルト
『Harvest』アティナ・ラヒル・ツァンガリ
『Qing Chun Gui (Youth – Homecoming)』ワン・ビン
『Stranger Eyes』ヨー・シュウホァ
アウト・オブ・コンペティション部門
フィクション
『ビートルジュース ビートルジュース』ティム・バートン(オープニング作品)
『L’orto americano (The American Backyard) 』プピ・アヴァティ(クロージング作品)
『Il tempo che ci vuole』フランチェスカ・コメンチーニ
『Phantosmia』ラヴ・ディアス
『Maldoror』ファブリス・ドゥ・ヴェルツ
『Broken Rage』北野武
『Baby Invasion』ハーモニー・コリン
『Cloud クラウド』黒沢清
『Finalement (Finally)』クロード・ルルーシュ
『ウルフズ』ジョン・ワッツ
『Se Posso Permettermi Capitolo II』マルコ・ベロッキオ
『Allégorie Citadine (An Urban Allegory)』アリーチェ・ロルヴァケル、JR
ノンフィクション
『Apocalipse nos trópicos (Apocalypse in the Tropics)』ペトラ・コスタ
『Bestiari, Erbari, Lapidari (Bestiaries, Herbaria, Lapidaries)』マッシモ・ダノルフィ、マルティナ・パレンティ
『Why War』アモス・ギタイ
『2073』アシフ・カパディア
『One to One: John & Yoko』ケヴィン・マクドナルド、サム・ライス=エドワーズ
『Separated』エロール・モリス
『Israel Palestina på svensk TV 1958-1989 (Israel Palestine On Swedish TV 1958-1989)』ヨーラン・ヒューゴ・オルソン
『Russians at War』アナスタージア・トロフィモーヴァ
『Twst / Things We Said Today』アンドレイ・ウジカ
『Riefenstahl』アンドレス・ファイエル
『Pisni Zemli, Shcho Povilno (Songs of Slow Burning Earth)』Olha Zhurba
シリーズ
『Disclaimer (Chapters 1 – 7)』アルフォンソ・キュアロン
『Los años nuevos (The New Years) (Ep. 1 – 10)』ロドリゴ・ソロゴイェン、サンドラ・ロメロ、デヴィッド・マーティン
『Familier som vores (Families Like Ours) (Ep. 1 – 7)』トマス・ヴィンターベア
『M – Il Figlio Del Secolo (M. Son of the Century) (Ep. 1 – 8)』ジョー・ライト
スペシャル・スクリーニング
『Leopardi. The Poet of the Infinity (Part 1 & 2)』セルジオ・ルビーニ
『Master and Commander: The Far Side of the World (2003)』ピーター・ウィアー
『Beauty is not a Sin』ニコラス・ウィンディング・レフン
オリゾンティ部門
『Nonostante – Opening Film』ヴァレリオ・マスタンドレア
『Quiet Life』アレクサンドロス・アヴラナス
『Mon inséparable (My Everything)』アンヌ=ソフィー・ベイリー
『Aïcha』メディ・ベルサウィ
『Yin’Ād ‘Alīku (Happy Holidays)』スカンドラ・コプティ
『Familia』フランチェスコ・コスタビル
『Hemme’nin Öldüğü Günlerden Biri (One of Those Days When Hemme Dies)』Murat Firatoğlu
『Familiar Touch』サラ・フリードランド
『Marco』ヨン・ガラニョ、アイトル・アレギ
『Carissa』ジェイソン・ジェイコブズ、デヴォン・デルマー
『Wishing on a Star』ペテル・ケレケシュ
『Mistress Dispeller』エリザベス・ロー
『Anul Nou care n-a fost (The New Year That Never Came)』Bogdan Mureşanu
『Pooja, Sir』ディーパック・ラウニヤール
『Al Klavim Veanashim (Of Dogs and Men)』ダニ・ローゼンバーグ
『Pavements』アレックス・ロス・ペリー
『HAPPYEND』空音央
『L’Attachement (The Ties That Bind Us)』カリーヌ・タルデュー
『Diciannove (Nineteen)』ジョヴァンニ・トルトリチ
オリゾンティ・短編コンペティション
『Neredeyse Kesi̇nli̇kle Yanliş (Almost Certainly False)』Cansu Baydar
『Shadows』Rand Beiruty
『Il burattino e la balena』ロベルト・カターニ
『Duyao Mao (The Poison Cat)』Tian Guan
『Nime Baz, Nime Basteh (Ajar)』Atefeh Jalali
『Three Keenings』オリヴァー・マクゴールドリック
『Minha Mãe é uma Vaca (My Mother is a Cow)』モアラ・パッソーニ
『René Va Alla Guerra (René Goes To War)』Mariachiara Pernisa、Luca Ferri、Morgan Menegazzo
『James』アンドレス・ロドリゲス
『O』ルーナ・ルーナソン
『Who Loves the Sun』Arshia Shakiba
『Moon Lake』ジーニー・スイ・ワンダーズ
『Marion』ジョー・ウェイランド、コンスタンティン・フィン
オリゾンティ・短編アウト・オブ・コンペティション
『F II – Lo stupore del mondo』 アレッサンドロ・ラク
オリゾンティ・エクストラ
『September 5』ティム・フェールバウム(オープニング作品)
『Vittoria』アレッサンドロ・カッシゴリ、ケイシー・カウフマン
『Le Mohican (The Mohican)』フレデリック・ファルッチ
『Al Bahs an Manfaz i Khoroug al Sayed Rambo (Seeking Haven For Mr. Rambo)』カリード・マンスール
『La Storia del Frank e della Nina』パオラ・ランディ
『Shahed (The Witness)』ナデル・サエイヴァル
『After Party』Vojtěch Strakatý
『Edge of Night』Türker Süer
『King Ivory』ジョン・スワブ
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第81回ベネチア国際映画祭
会期:2024年8月28日(水)〜9月7日(土)
開催地:イタリア・ヴェネチア
フェスティバル・ディレクター:アルベルト・バルベラ
© Asac – La Biennale di Venezia.