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2024.07.11 10:00

カンヌW受賞『ジョイランド わたしの願い』10月18日公開決定!

  • Fan's Voice Staff

パキスタン映画として初選出されたカンヌ国際映画祭で「ある視点」部門審査員賞とクィア・パルム賞を受賞した話題作『Joyland』(英題)が、邦題を『ジョイランド わたしの願い』として、10月18日(金)より全国順次公開されることが決定しました。

パキスタンで2番目の大都市、古都ラホール。保守的な中流家庭ラナ家の次男ハイダルは現在失業中で、家父長制の伝統を重んじる厳格な父から「早く仕事を見つけて男児をもうけなさい」というプレッシャーを受ける一方、妻のムムターズはメイクアップアーティストの仕事にやりがいを感じ、家計を支えていました。ハイダルは、就職先として紹介されたダンスシアターで出会ったトランスジェンダー女性ビバのパワフルな生き方に惹かれ、その恋心が、夫婦とラナ家の穏やかに見えた日常に波紋を広げていき──。

伝統的な価値観に縛られる若き夫婦が、解放されて自分らしく自由に生きたいという願いの間で揺れ動く姿を繊細に描いたのは、パキスタンの新鋭サーイム・サーディク監督。

カンヌでの受賞後、パキスタン映画として初めてアカデミー賞国際長編映画賞のショートリストに残ったほか、2023年インディペンデント・スピリット賞外国映画賞などを受賞。フランスやアメリカ、イギリスなどでも大ヒットを記録した一方、本国では少数の保守系団体から「LGBTQ+や、彼らとの恋愛を美化して描いた」ことが「社会的価値観や道徳基準にそぐわない非常に不快な内容が含まれており、“品位と道徳”の規範に明らかに反する」と反発を受け、その圧力に屈した政府により、公開1週間前に上映禁止命令が出されるという事態に。ところが、監督や出演者らの抗議活動に加え、ノーベル平和賞受賞者のマララ・ユスフザイやパキスタン系イギリス人の俳優リズ・アーメッドらから支援の声が上がり、禁止令は撤回。逆境を乗り越えて、本国での上映が実現しました。

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『ジョイランド わたしの願い』(英題:Joyland)

監督・脚本:サーイム・サーディク
出演:アリ・ジュネージョー、ラスティ・ファルーク、アリーナ・ハーン ほか
製作総指揮:マララ・ユスフザイ、リズ・アーメッド ほか
2022年/パキスタン/パンジャーブ語、ウルドゥー語/1.33:1/5.1ch/127分/日本語字幕:藤井美佳

日本公開:2024年10月18日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
配給:セテラ・インターナショナル
© 2022 Joyland LLC