『風が吹くとき』日本版予告編&新場面写真10点が解禁!
- Fan's Voice Staff
核戦争の脅威を描き世界的なセンセーションを巻き起こしたイギリス製アニメーション『風が吹くとき』の日本版予告編と新場面写真10点が解禁されました。
今回のリバイバル上映にあわせて新たに作られた予告編では、冒頭、元ピンク・フロイドのロジャー・ウォーターズが手がけた「Hilda’s Dream(ヒルダの夢)」が流れ、牧歌的な田園風景が広がる中、ジムとヒルダ夫妻が平和な日常を送っています。ところが、ラジオからの「わが国に向けて敵のミサイルが発射されました」という予期せぬ知らせに、夫妻はあわてて家の中にしつらえたシェルターの中へ。デヴィッド・ボウイによる映画タイトルと同名の主題歌「When The Wind Blows(風が吹くとき)」が流れる中、原爆による惨状が露わとなる本作の象徴的なシーンが連なる構成となっており、短いながらも強いインパクトを残します。
本作では原爆の被害をリアルに伝えるため、爆風にさらされたガレキなどを実写で描く演出も多く、予告編ではそうした実験的な映像も確認できます。
映像の終盤、ヒルダがタンポポに息を吹きかけると、綿毛とともに自らも蝶となって飛び立っていく描写は、原作にはない映画オリジナルのシーン。夢の中で描かれる生命の象徴としての綿毛が、過酷な現実の描写と対比されるように描かれています。
さらに今回、スタジオジブリの鈴木敏夫より以下の通りコメントが到着。当時、雑誌「アニメージュ」の編集長だった鈴木は、『風が吹くとき』が日本で初公開された1987年8月号で「緊急特集」として、表紙を含む巻頭14ページを割き、本作を大々的に特集しました。
鈴木敏夫(スタジオジブリ・プロデューサー)
ふたつのことを思い出す。
月刊『アニメージュ』で大特集したこと。
原発の記事も書き、当時としては大冒険だったが、その号は3日で完売した。
もうひとつは、英国版の声優ジョン・ミルズのこと。
僕が少年時代から大好きなヘイリー・ミルズのお父さんだった。
==
『風が吹くとき』(原題:When the Wind Blows)
イギリスの片田舎で暮らすジムとヒルダの平凡な夫婦。二度の世界大戦をくぐり抜け、子供を育てあげ今は老境に差し掛かった二人。ある日ラジオから、新たな世界戦争が起こり核爆弾が落ちてくる、という知らせを聞く。ジムは政府のパンフレットに従ってシェルターを作り始める。先の戦争体験が去来し、二人は他愛のない愚痴を交わしながら備える。そして、その時はやってきた。爆弾が炸裂し、凄まじい熱と風が吹きすさぶ。すべてが瓦礫と化した中で、生き延びた二人は再び政府の教えにしたがってシェルターでの生活を始めるのだが──。
原作・脚本:レイモンド・ブリッグズ
監督:ジミー・T・ムラカミ
音楽:ロジャー・ウォーターズ
主題歌:デヴィッド・ボウイ「When The Wind Blows」
製作:ジョン・コーツ
製作総指揮:イエイン・ハーヴェイ
アニメーション:リチャード・フォードリー
美術・レイアウトデザイン:エロル・ブライアント
技術:ピーター・ターナー
プロダクション・コーディネーター:アン・ゴドール
特殊効果:スティーブン・ウェストン
日本語版監督:大島渚
声の出演:森繁久彌(ジム)、加藤治子(ヒルダ)
1986年/イギリス/カラー/85分/1.33:1(スタンダード)/ステレオ/映倫G
2024年8月2日(金)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開(日本語吹替版のみの上映)
配給:チャイルド・フィルム
配給協力:プレイタイム
提供:コンテンツ・ポテンシャル
後援:ブリティッシュ・カウンシル
公式サイト
©︎MCMLXXXVI