第77回カンヌ国際映画祭 コンペティション部門 受賞結果
- Fan's Voice Staff
第77回カンヌ国際映画祭のクロージングセレモニーと授賞式がフランス現地時間5月25日(土)夜に開催され、22作品が上映されたコンペティション部門の審査結果が発表されました。
パルムドールは、ショーン・ベイカー監督の『Anora』が受賞。ブルックリンに住むセックスワーカーのアノーラがロシアの富豪の息子と恋に落ち、ラスベガスで電撃結婚するも、彼の両親が二人を引き離そうとするというロマンティックコメディ。『レッド・ロケット』に続きカンヌのコンペ部門に登場したベイカーは、2度目にして最高賞の受賞となりました。
グランプリは、インドの女性監督パヤル・カパーリヤーの『All We Imagine as Light』が受賞。ムンバイで働く看護師たちの日常や恋愛を描いた青春映画で、コンペティション部門で数少ない心温まる作品として評価されました。
審査員賞は、ジャック・オディアール監督の『Emilia Pérez』が受賞。クライムサスペンス、ミュージカル、人間ドラマなどのジャンルをミックスさせた野心的な作品で、女性として生きることを望む主人公を演じたカルラ・ソフィア・ガスコンをはじめ、ゾーイ・サルダナ、セレーナ・ゴメス、アドリアナ・パスの4人は女優賞を共同受賞しました。
イランのモハマド・ラスロフ監督は、『The Seed of the Sacred Fig』にて特別賞を受賞。2022年に勃発した反体制デモを背景に、検察官の家庭が内側から引き裂かれる様を描いており、政治的な側面からも注目を集めました。
脚本賞には、コラリー・ファルジャ監督の『The Substance』。美と若さに執着するセレブリティが、“自分自身の良いバージョン”を生み出す薬を手に入れることで巻き起こるボディホラーで、主演のデミ・ムーアの衝撃的な演技も話題となりました。
「ある視点」部門では、中国のクアン・フー監督による『Black Dog』が作品賞を受賞。 日本関連では、山中瑶子監督の『ナミビアの砂漠』が監督週間で上映され、国際批評家連盟賞を受賞する快挙となりました。
コンペティション部門の審査員長は、『バービー』(23年)のグレタ・ガーウィグ(監督・脚本家・俳優/アメリカ)。審査員には、エブル・ジェイラン(脚本家・写真家/トルコ)、リリー・グラッドストーン(俳優/アメリカ)、エヴァ・グリーン(俳優/フランス)、ナディーン・ラバキー(監督・脚本家/レバノン)、J・A・バヨナ(監督・脚本家・プロデューサー/スペイン)、ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ(俳優/イタリア)、是枝裕和(監督/日本)、オマール・シー(俳優・プロデューサー/フランス)。
受賞結果は以下の通りです。
パルムドール(最高賞)
『Anora』ショーン・ベイカー監督
グランプリ
『All We Imagine as Light』パヤル・カパーリヤー
監督賞
ミゲル・ゴメス『Grand Tour』
審査員賞
『Emilia Pérez』ジャック・オディアール
特別賞
『The Seed of the Sacred Fig』モハマド・ラスロフ
脚本賞
コラリー・ファルジャ『The Substance』
女優賞
セレーナ・ゴメス、ゾーイ・サルダナ、カルラ・ソフィア・ガスコン、アドリアナ・パズ『Emilia Pérez』(ジャック・オディアール監督)
男優賞

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