第77回カンヌ国際映画祭(2024年)公式ラインナップが発表!
- Fan's Voice Staff
フランス現地時間5月14日(火)〜25日(土)に開催される第77回カンヌ国際映画祭の公式上映作品が、パリ・UGCノルマンディー劇場にて4月11日(木)、映画祭プレジデントのイリス・ノブロックとディレクターのティエリー・フレモーにより発表されました。
パルムドールを受賞したジュスティーヌ・トリエの『落下の解剖学』、グランプリを受賞したジョナサン・グレイザーの『関心領域』などを排出するストロングイヤーとなった昨年ほどのクオリティの作品が揃うか懸念された今年ですが、コンペティション部門には新旧取り混ぜた興味深い監督たちの名前が出揃いました。
その中には、すでに数週間前からその名が取り沙汰されていたフランシス・フォード・コッポラの『Megalopolis』のタイトルも。1980年代前半にコッポラが脚本を執筆するも映画化が実現しなかったSF超大作がついに完成。85歳の巨匠は、『カンバセーション…盗聴…』(74年)、『地獄の黙示録』(79年)で2度のパルムドールを獲得していますが、本作で受賞すれば45年ぶり3度目となります。
2015年に『ディーパンの闘い』でパルムドールを受賞しているフレンチノワールの巨匠ジャック・オディアールは、セレーナ・ゴメスやゾーイ・サルダナを迎えたミュージカルクライムコメディ『Emilia Perez』で新境地を披露します。
去年のベネチア国際映画祭で『哀れなるものたち』で最高賞の金獅子賞を受賞した鬼才ヨルゴス・ランティモスは、『憐れみの3章』でカンヌの最高賞を狙います。出演には、前作でアカデミー賞主演女優賞を受賞したエマ・ストーンという最強タッグ。
ほか、デヴィッド・クローネンバーグ、ポール・シュレイダー、パオロ・ソレンティーノといった常連の名前も見られる一方、新しい作家たちを積極的にコンペに投入するという意欲も見られます。『REVENGE リベンジ』(17年)で評価されたコラリー・ファルジャが第2作目にしてコンペに選出されました。『波紋』(15年)で頭角を現したスウェーデンの新進監督マグヌス・フォン・ホーン、初監督作『Wild Diamond』でいきなりコンペ入りしたアガテ・リーディンガーら国際的には未知数の才能にも期待が高まります。
日本からは、『僕はイエス様が嫌い』で第66回サン・セバスチャン映画祭新人監督賞を最年少で受賞した奥山大史の『ぼくのお日さま』が「ある視点」部門に選出。ティエリー・フレモーは、「コレエダ(是枝裕和監督)の再来だ。10分もみればこれがまさに映画であることが分かる。ぜひとも大きなスクリーンで見てほしい」と紹介しました。
コンペティション部門の審査員長は、『バービー』(23年)のグレタ・ガーウィグ監督、「ある視点」部門の審査員長はグザヴィエ・ドラン。
以下、公式ラインナップです。
オープニング作品
『Le Deuxième Acte(The Second Act)』カンタン・デュピュー監督(アウト・オブ・コンペティション部門)
コンペティション部門
『The Apprentice』アリ・アッバシ
『Motel Destino』カリム・アイノズ
『Bird』アンドレア・アーノルド
『Emilia Perez』ジャック・オディアール
『Anora』ショーン・ベイカー
『Megalopolis』フランシス・フォード・コッポラ
『The Shrouds』デヴィッド・クローネンバーグ
『The Substance』コラリー・ファルジャ
『Grand Tour』ミゲル・ゴメス
『La Plus Précieuse des marchandises』ミシェル・アザナヴィシウス
『Marcello Mio』クリストフ・オノレ
『Feng Liu Yi Dai(Caught By The Tides)』ジャ・ジャンクー
『All We Imagine as Light』パヤル・カパディア
『憐れみの3章』ヨルゴス・ランティモス
『L’Amour ouf(Beating Hearts)』ジル・ルルーシュ
『Trei Kilometri Până La Capătul Lumii(Three Kilometres to the End of the World)』 エマニュエル・バーヴ
『The Seed of the Sacred Fig』モハマド・ラスロフ
『Diamant Brut(Wild Diamond)』アガテ・リーディンガー*
『Oh, Canada』ポール・シュレイダー
『Limonov – The Ballad』キリル・セレブレニコフ
『Parthenope』パオロ・ソレンティーノ
『Pigen med nålen(The Girl with the Needle)』マグヌス・フォン・ホーン
「ある視点」部門
『When the Light Breaks』ルーナ・ルーナソン(オープニング作品)
『Norah』タウフィーク・アルザイディ*
『The Shameless』コンスタンティン・ボジャノフ
『Le Royaume(The Kingdom)』ジュリアン・コロナ*
『Vingt Dieux(Holy Cow)』ルイーズ・クルボアジェ*
『Le procès du chien(Dog on Trial)』レティシア・ドッシュ*
『Gou Zhen(Black Dog)』クワン・フー
『The Village Next to Paradise』モー・ハラウェ*
『September Says』アリアン・ラベド*
『L’Histoire de Souleymane』ボリス・ロシキーヌ
『Les Damnés(The Damned)』ロバート・ミネルヴィーニ
『On Becoming a Guinea Fowl』ルンガーノ・ニョニ
『ぼくのお日さま』奥山大史
『Niki』セリーヌ・サレット*
『Santosh』サンディヤ・スーリ
『Viet and Nam』チューン・ミン・クイ
『Armand』ハルフダン・ウルマン・トンデル*
『Flow』ギンツ・ジルバロディス
アウト・オブ・コンペティション部門
『She’s Got No Name』ピーター・チャン
『Horizon: An American Saga』ケビン・コスナー
『Le Comte de Monte-Cristo(The Count of Monte Cristo)』アレクサンドル・ド・ラ・パトリエール、マチュー・デラポルト
『マッドマックス:フュリオサ』ジョージ・ミラー
『Rumours』エヴァン・ジョンソン、ガレン・ジョンソン、ガイ・マディン
ミッドナイト・スクリーニング部門
『Twilight of the Warrior: Walled In』ソイ・チェン
『The Surfer』ロルカン・フィネガン
『Les Femmes au balcon(The Balconettes)』ノエミ・メルラン
『Veteran 2(I, the Executioner)』リュ・スンワン
カンヌプレミア部門
『Everybody Loves Touda』ナビール・アユーシュ
『C’est pas moi』レオス・カラックス
『En fanfare(The Matching Band)』エマニュエル・クールコル
『Miséricorde』アラン・ギロディ
『Le Roman de Jim』アルノー・ラリユー、ジャン=マリー・ラリユー
『To Live, To Die, To Live Again』ガエル・モレル
『Being Maria』ジェシカ・パルード
『Rendez-vous avec Pol Pot(Meeting with Pol Pot)』リティ・パン
スペシャル・スクリーニング部門
『Le fil』ダニエル・オートゥイユ
『Sauvages(Savages)』クロード・バラス
『Spectateurs!(Filmlovers!)』アルノー・デプレシャン
『Into the Wonderwoods』アレクシス・デュコード、ヴァンサン・パロノー
『Nasty – More Than Just Tennis』トゥドー・ジュルジウ、トゥドー・D・ポペスク、クリスティアン・パスカリュー
『An Unfinished Film』ロウ・イエ
『Ernest Cole, photographe(Ernest Cole, Lost And Found)』ラウル・ペック
『L’invasion(The Invasion)』セルゲイ・ロズニツァ
『Apprendre』クレール・シモン
『Lula』オリヴァー・ストーン、ロブ・ウィルソン
『La belle de Gaza(The Belle From Gaza)』ヨランド・ゾーベルマン
*=初監督作品