アグニエシュカ・ホランド監督『人間の境界』日本版予告編&新場面写真8点が解禁!
- Fan's Voice Staff
2023年ベネチア国際映画祭で審査員特別賞を受賞したポーランドの巨匠アグニエシュカ・ホランド最新作『人間の境界』の日本版予告編と新場面写真8点が解禁されました。
ベラルーシ経由でポーランドに渡ることで、安全なうちにEUに亡命できると信じたシリア人家族。EUに暮らす親戚のサポートもあり手筈は万端なはずだったところ、ポーランドにたどり着いた彼らを待ち受けていたのは、彼らを“観光客”と揶揄する国境警備隊による強制排除でした。非人道的な扱いを受けた末、ベラルーシに戻された彼らは、極寒の森に敷かれる鉄条網を隔てた両国から、繰り返し難民たちを押し付け合うような暴力に満ちた迫害を受けることに。映像では、ポーランドの国境警備隊に抵抗し、難民たちを懸命にサポートしようとする支援活動家グループの奮闘や、警備の任務に当たる若い隊員による「僕がどんな気持ちで国境を守ってるか君に分かるか?」という苦悩とも取れる叫びなども切り取られており、難民だけでなくこの森に関わる様々な立場の者たちが視点を捉えられています。
場面写真では、欧州旗が施された壁の前で座り込む難民家族たちや、森の中で昼夜問わず繰り広げられる緊迫のシーンをはじめ、水さえ与えられない森の中で母親が幼い子どもに木に付いたしずくを飲ませようとする姿が切り取られています。
本作の原題「Zielona Granica」は“緑の国境(地帯)”を意。森林の中に人為的に引かれた国境線を指し、ポーランド語辞書には「緑の国境を越える」が長年熟語として登録され、「政府の許可なく非合法に越境すること」と説明される一方、国境検査の必要がない国境を指すこともあるといいます。映画に登場するシリア人家族や多くの難民たちは“緑の国境”を越えて、自由な世界(EU)を目指しますが、終わりのない無間地獄のような森に囚われてしまうことに。果たして彼らはそこから脱することができるのか──。
この事態を目の当たりにしたホランド監督は、「ワルシャワから3時間たらずの場所で、難民は彼らの運命を左右する人道的大惨事に直面している…私はその事実に心を動かされました。彼らの状況に象徴的なものを痛切に感じ、そしておそらくは、私たちの世界の道徳的・政治的崩壊につながりかねないドラマの前日譚を見たのです」と、本作の製作を決意した理由を語っています。
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『人間の境界』(英題:Green Border)
「ベラルーシを経由してポーランド国境を渡れば、安全にヨーロッパに入ることができる」という情報を信じて祖国を脱出した、幼い子どもを連れたシリア人家族。しかし、亡命を求め国境の森までたどり着いた彼らを待ち受けていたのは、武装した国境警備隊だった…。
監督:アグニエシュカ・ホランド
出演:ジャラル・アルタウィル、マヤ・オスタシェフスカ
2023年/ポーランド、フランス、チェコ、ベルギー/ポーランド語、アラビア語、英語、フランス語/152分/G/ビスタ/カラー・モノクロ/5.1ch/原題:Zielona Granica/日本語字幕:額賀深雪
日本公開:2024年5月3日(金・祝)TOHOシネマズ シャンテ他全国順次ロードショー
配給:トランスフォーマー
公式サイト
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