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2024.03.11 8:24

【全受賞一覧】第96回アカデミー賞(2024年)

  • Fan's Voice Staff

第96回アカデミー賞の授賞式が、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで現地時間3月10日(日)に開催されました。

©A.M.P.A.S.

最多13部門ノミネートを獲得していたクリストファー・ノーラン監督の『オッペンハイマー』は、作品賞・監督賞・主演男優賞(キリアン・マーフィー)・助演男優賞(ロバート・ダウニー・Jr.)・撮影賞・編集賞・作曲賞の最多7部門を受賞。前哨戦から“一強”ともいえる独走状態を貫き、有終の美を飾りました。

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クリストファー・ノーランはこれまで、『メメント』(01年)で脚本賞、『インセプション』(10年)で作品賞・脚本賞、『ダンケルク』(17年)で作品賞・監督賞にノミネートされましたが、無冠でした。『オッペンハイマー』は批評家からの高い評価だけでもなく、全世界で興収10億ドルに迫る大ヒットとなっており、文句なしの堂々受賞となりました。

『オッペンハイマー』エマ・トーマス(製作)、クリストファー・ノーラン(監督・脚本・製作)©A.M.P.A.S.

4部門で受賞したのは、ギリシャの鬼才ヨルゴス・ランティモスがディズニーのレーベル、サーチライト・ピクチャーズで撮った『哀れなるものたち』。プロデュースにも名を連ねているエマ・ストーンの主演女優賞を始め、衣装デザイン賞、美術賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞。新感覚のゴシックワールドを築いた、高いクリエイティビティが評価されました。

ほとんどが下馬評通りの受賞となった今年ですが、激戦区の主演女優賞ではエマ・ストーンが、先住民俳優として初の主演女優賞獲得が期待されていた『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』のリリー・グラッドストーンを制して、幕を閉じました。

『オッペンハイマー』ロバート・ダウニー・Jr.、『ホールドオーバーズ』ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ、『哀れなるものたち』エマ・ストーン、『オッペンハイマー』キリアン・マーフィー ©A.M.P.A.S.

3本がノミネートされた日本関連作品では、山崎貴監督の『ゴジラ-1.0』が視覚効果賞、宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』が長編アニメーション賞をそれぞれ受賞。ドイツの巨匠ヴィム・ヴェンダース監督が日本で撮った『PERFECT DAYS』がノミネートされた国際長編映画賞では、カンヌ国際映画祭でグランプリを獲得していた『関心領域』に軍配が上がりました。

『ゴジラ-1.0』髙橋正紀(3DCGディレクター)、山崎貴(監督・脚本・VFX)、渋谷紀世子(VFXディレクター)、野島達司(エフェクトアーティスト/コンポジター) ©A.M.P.A.S.

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『関心領域』は、第二次世界大戦下のアウシュヴィッツ収容所の隣に住む所長ルドルフ・ヘス一家の日常を映し出す野心作。イギリスの秀英ジョナサン・グレイザー監督が米国のA24共同出資のもとにポーランドで撮ったドイツ語映画です。ヘスの妻を演じたザンドラ・ヒュラーは、脚本賞を受賞した『落下の解剖学』で主演女優賞にノミネートされ、世界に向けて存在感を示しました。

『落下の解剖学』『関心領域』ザンドラ・ヒュラー ©A.M.P.A.S.

以下、受賞およびノミネート一覧です(☆=受賞)。

作品賞
☆『オッペンハイマー』(ユニバーサル)
『アメリカン・フィクション』(Orion Pictures/Amazon MGM Studios)
『落下の解剖学』(NEON)
『バービー』(ワーナー・ブラザース)
『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』(Focus Features)
『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』(Apple Original Films)
『マエストロ:その音楽と愛と』(Netflix)
『パスト ライブス/再会』(A24)
『哀れなるものたち』(サーチライト・ピクチャーズ)
『関心領域』(A24)

監督賞
☆クリストファー・ノーラン『オッペンハイマー』
ジュスティーヌ・トリエ『落下の解剖学』
マーティン・スコセッシ『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
ヨルゴス・ランティモス『哀れなるものたち』
ジョナサン・グレイザー『関心領域』

主演女優賞
☆エマ・ストーン『哀れなるものたち』
アネット・ベニング 『ナイアド ~その決意は海を越える~』
リリー・グラッドストーン『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
ザンドラ・ヒュラー『落下の解剖学』
キャリー・マリガン『マエストロ:その音楽と愛と』

主演男優賞
☆キリアン・マーフィー『オッペンハイマー』
ブラッドリー・クーパー『マエストロ:その音楽と愛と』
コールマン・ドミンゴ『ラスティン:ワシントンの「あの日」を作った男』
ポール・ジアマッティ『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』
ジェフリー・ライト『アメリカン・フィクション』

助演女優賞
☆ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』
エミリー・ブラント『オッペンハイマー』
ダニエル・ブルックス『カラーパープル』
アメリカ・フェレーラ『バービー』
ジョディ・フォスター 『ナイアド ~その決意は海を越える~』

助演男優賞
☆ロバート・ダウニー・Jr.『オッペンハイマー』
スターリング・K・ブラウン『アメリカン・フィクション』
ロバート・デ・ニーロ『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
ライアン・ゴズリング『バービー』
マーク・ラファロ『哀れなるものたち』

脚色賞
☆コード・ジェファーソン『アメリカン・フィクション』
グレタ・ガーウィグ、ノア・バームバック『バービー』
クリストファー・ノーラン『オッペンハイマー』
トニー・マクナマラ『哀れなるものたち』
ジョナサン・グレイザー『関心領域』

脚本賞
☆ジュスティーヌ・トリエ、アルチュール・アラリ『落下の解剖学』
デヴィッド・ヘミングソン『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』
ブラッドリー・クーパー、ジョシュ・シンガー『マエストロ:その音楽と愛と』
サミー・バーチ『May December』
セリーヌ・ソン『パスト ライブス/再会』

国際長編映画賞
☆『関心領域』(イギリス)
『Io capitano』(イタリア)
『PERFECT DAYS』(日本)
『雪山の絆』(スペイン)
『ありふれた教室』(ドイツ)

撮影賞
☆ホイテ・ヴァン・ホイテマ『オッペンハイマー』
エドワード・ラックマン『伯爵』
ロドリゴ・プリエト『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
マシュー・リバティーク『マエストロ:その音楽と愛と』
ロビー・ライアン『哀れなるものたち』

衣装デザイン賞
☆ホリー・ワディントン『哀れなるものたち』
ジャクリーン・デュラン『バービー』
ジャクリーン・ウェスト『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
ジャンティ・イェーツ、デイヴ・クロスマン『ナポレオン』
エレン・マイロニック『オッペンハイマー』

編集賞
☆ジェニファー・レイム『オッペンハイマー』
ロラン・セネシャル『落下の解剖学』
ケヴィン・テント『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』
セルマ・スクーンメイカー『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
ヨルゴス・モヴロプサリディス『哀れなるものたち』

メイクアップ&ヘアスタイリング賞
☆『哀れなるものたち』
『Golda』
『マエストロ:その音楽と愛と』
『オッペンハイマー』
『雪山の絆』

作曲賞
☆ルドウィグ・ゴランソン『オッペンハイマー』
ローラ・カープマン『アメリカン・フィクション』
ジョン・ウィリアムズ『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』
ロビー・ロバートソン『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
ジャースキン・フェンドリックス『哀れなるものたち』

歌曲賞
☆“What Was I Made For?” 『バービー』
“The Fire Inside”『フレーミングホット!チートス物語』
“I’m Just Ken”『バービー』
“It Never Went Away”『ジョン・バティステ:アメリカン・シンフォニー』
“Wahzhazhe (A Song For My People)”『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』

音響賞
☆『関心領域』
『ザ・クリエイター/創造者』
『マエストロ:その音楽と愛と』
『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』
『オッペンハイマー』

美術賞
☆『哀れなるものたち』
『バービー』
『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
『ナポレオン』
『オッペンハイマー』

視覚効果賞
☆『ゴジラ-1.0』
『ザ・クリエイター/創造者』
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』
『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』
『ナポレオン』

長編アニメーション賞
☆『君たちはどう生きるか』
『マイ・エレメント』
『ニモーナ』
『ロボット・ドリームズ』
『スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース』

長編ドキュメンタリー賞
☆『マリウポリの20日間』
『ボビ・ワイン:ゲットー・プレジデント』
『The Eternal Memory』
『Four Daughters』
『虎を仕留めるために』

短編実写映画賞
☆『ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語』
『彼方に』
『Invincible』
『Knight of Fortune』
『Red, White and Blue』

短編アニメーション賞
☆『WAR IS OVER! Inspired by the Music of John & Yoko』
『Letter to a Pig』
『Ninety-Five Senses』
『Our Uniform』
『Pachyderme』

短編ドキュメンタリー賞
☆『ラスト・リペア・ショップ』
『The ABCs of Book Banning』
『The Barber of Little Rock』
『Island in Between』
『Nǎi Nai & Wài Pó』