三島有紀子監督『一月の声に歓びを刻め』本予告が解禁!
- Fan's Voice Staff
三島有紀子監督の長編10作目となる最新作『一月の声に歓びを刻め』の本予告が解禁されました。
道をさまよう“れいこ”(前田敦子)と、レンタル彼氏(坂東龍太)の二人。「なんで私が、罪感じなきゃいけないんだよ」と意味深な言葉を吐露するれいこ。前夜は楽しげに踊り、一夜をともにしたはずだったのに。雪深い道なき道を歩むマキ(カルーセル麻紀)が「れいこ…」と呟き、険しい顔つきで鉄パイプを手に握る誠(哀川翔)。「わたし…6歳のときに変な男に変なことされたんで…。自分の身体なんか…好きな人とできる身体じゃないなって…」という告白とともに泣きじゃくるれいこ。幼いれいこの心に、罪深い影を落とした心の傷が、成長した彼女を今でも苦しませ続けるのでした──。
八丈島の雄大な海と大地、大阪・堂島のエネルギッシュな街と人々、北海道・洞爺湖の幻想的な雪の世界を背景に、3つの罪と方舟をテーマに、人間たちの“生”を圧倒的な映像美で描く本作。監督自身が47年間向き合い続けた「ある事件」をモチーフに、自主映画からスタートしたオリジナル企画。「性暴力と心の傷」という難しいテーマに挑み、心の中に生まれる罪の意識を静かに、深く見つめる映画です。
前田敦子がアカペラで歌う劇中歌は、三島有紀子監督が本作の脚本を執筆中に、とある映画館のカフェで偶然耳にした奇妙礼太郎の「きになる」(作詞・作曲:早瀬直久)のカバー。「知らない間に、見違えるほどきれい。何にも知らなくても、幸せになれるかな」という歌詞と、悲壮感漂う前田敦子の歌声。ところが、オリジナルの奇妙礼太郎の「きになる」は、対照的に明るい歌唱で、歌詞全体も前向きなもの。そのギャップが本編でいかに活かさせているのかにも、注目です。
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『一月の声に歓びを刻め』
北海道・洞爺湖。お正月を迎え、一人暮らしのマキの家に家族が集まった。マキが丁寧に作った御節料理を囲んだ一家団欒のひとときに、どこはかとなく喪失の気が漂う。マキはかつて次女のれいこを亡くしていたのだった。一方、長女の美砂子は女性として生きるようになったマキに複雑な感情を抱えている。家族が帰り静まり返ると、マキの忘れ難い過去の記憶が蘇りはじめる……。
東京・八丈島。大昔に罪人が流されたという島に暮らす牛飼いの誠。妊娠した娘の海が、5年ぶりに帰省した。誠はかつて交通事故で妻を亡くしていた。海の結婚さえ知らずにいた誠は、何も話そうとしない海に心中穏やかでない。海のいない部屋に入った誠は、そこで手紙に同封された離婚届を発見してしまう。
大阪・堂島。れいこはほんの数日前まで電話で話していた元恋人の葬儀に駆け付けるため、故郷を訪れた。茫然自失のまま歩いていると、橋から飛び降り自殺しようとする女性と出くわす。そのとき、「トト・モレッティ」というレンタル彼氏をしている男がれいこに声をかけた。過去のトラウマから誰にも触れることができなかったれいこは、そんな自分を変えるため、その男と一晩過ごすことを決意する。やがてそれぞれの声なき声が呼応し交錯していく。
出演:前田敦子、カルーセル麻紀、哀川翔、坂東龍汰、片岡礼子、宇野祥平、原田龍二、松本妃代、長田詩音、とよた真帆
脚本・監督:三島有紀子
日本公開:2024年2月9日(金)テアトル新宿ほか全国公開
配給:東京テアトル
公式サイト
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注:本作は監督自身の体験をモチーフにして作り上げた“劇映画”であり、直接的な性被害の描写はありません。