濱口竜介監督『悪は存在しない』2024年4月26日公開決定!広島国際映画祭にてジャパンプレミア開催!
- Fan's Voice Staff
第80回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞(審査員グランプリ)を受賞した濱口竜介監督最新作『悪は存在しない』のジャパンプレミアが広島国際映画祭にて11月26日(日)に開催され、日本公開日が2024年4月26日(金)に決定したことが発表されました。
『悪は存在しない』は、グランピング場の建設計画が持ち上がった長野県の自然豊かな小さな町を舞台とした人間ドラマ。『ドライブ・マイ・カー』(21年)で初顔合わせした濱口竜介監督と石橋英子(音楽)による共同企画です。
国内初の上映となった広島国際映画祭2023でのジャパンプレミアでは、上映後に濱口竜介監督、企画・音楽の石橋英子、出演の大美賀均、西川玲、小坂竜士、渋谷采郁らがティーチインを含む1時間のトークに登壇。
国内初のジャパンプレミアを終えて、濱口は「広島では自分の初期の作品から上映していただき、また『ドライブ・マイ・カー』のメインロケ地として石橋さんと出会い、素晴らしい仕事ができて、その続きとして『悪は存在しない』のジャパンプレミアでまた広島に来られて本当に心から嬉しく思います」、企画・音楽担当の石橋は「『ドライブ・マイ・カー』の時は広島に来ることができなかったので、ようやく来ることができたという気持ちです。こうして広島の地で皆さんと作品を共有できて嬉しいです」とコメント。
キャストの大美賀は「いろんな映画祭を巡って映画を紹介していただく経験は初めてで、このような作品に関われて嬉しいです」、西川は「こうやってマイクを持って大勢の前でお話することも初めてで、お弁当を食べたりしてすごく楽しいです」、小坂は「この場所でこういう機会を与えてもらって嬉しいです。自分も広島で『ドライブ・マイ・カー』でスタッフとして参加していたので大変嬉しいです」、渋谷は「初めて広島に来たのですがこんなに広い会場で大きな拍手で迎えていただいて、あたたかい雰囲気ですごく嬉しいです」と胸中を明かしました。
『悪は存在しない』が生まれるきっかけについて、「海外のプロモーターの方から、映像と一緒にライブをやらないか?と言われた時、あまりピンとは来なかったんですが、映像と音楽がそれ自体面白くて独立したものが作れれば、ライブでも毎回演奏の計画とかを色々変えていくことができて飽きずに演奏していけるんじゃないかと思って、人柄もチャーミングで作品も大好きな濱口さんにお願いしました」という石橋。
濱口が「お話をいただいて、初めは『どうしよう』と思いました。ライブでの映像は結構抽象的な映像のイメージがあったので。その後石橋さんから『濱口さんのいつものやり方で』とおっしゃっていただき、そこから普通に脚本を書いて劇映画を作る、そうすれば自由に使える映像素材が得られると思い、『GIFT』というライブパフォーマンス用映像が完成しました。ただ自分自身が役者さんのセリフの声を聞いてしまうと感動するところもあったので石橋さんに確認を取ってもう1本、『悪は存在しない』を作ることになりました」と経緯を語ると、石橋は「すごく嬉しかったですね。それこそ“GIFT”でした」と続けました。
さらに濱口は、「このように経緯を説明するだけでかなりの時間がかかってしまうんです。そしてもう一つ入り組んでいることを説明しますと、主演の大美賀さんは、元々スタッフとしてシナハン時の運転手をやってもらってたところ、そのうち『あら!いいじゃない!』という気持ちになりまして(オファーしました)」と、主演のキャスティング秘話も明かしました。
大美賀は「こんなふうに映画祭を回るなんて全く想定していなかったんですが、濱口監督の元でそういう経験をするのはすごく大事だなと思って受けました」と答え、それを受けて濱口は「大美賀さんは来月に監督作が控えてますんで」とフォロー(※大美賀均監督作品『義父養父』は12月15日公開)。
撮影や映画本編で印象に残っていることを聞かれた西川は、「映画の中でうどん屋のシーンがあるのですが、そのシーンに自分は出てなくて、うどんが食べられなかったことです」と答えると、場内はアットホームな雰囲気に包まれました。
小坂は、映画の中の住民説明会のシーンを挙げて、そのシーンを演じて以来、「テレビなどの記者会見で叩かれてる人を見ると、気になるようになった」と答え、同じく渋谷も、説明会のシーンでの他の役者の切迫した演技や声のトーンなどに感心しながら、「幸せな時間を過ごせた」と語りました。
最後に石橋は、「自分が企画させていただいた作品なんですが、私自身が他人ごとのように大好きな作品なので、こうやってあたたかい時間を過ごさせていただいてありがとうございました」と感謝を述べ、濱口は「正直、完成した自分の作品を何度も観ることはあまりないんですが、この『悪は存在しない』は珍しく何度も観ています。本当に飽きがこない作品なので、皆様にもぜひ何度もご覧いただいていただけたら大変嬉しいです」と締めくくりました。
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『悪は存在しない』(英題:Evil Does Not Exist)
自然が豊かな高原に位置する長野県水挽町は東京からも近いため、近年も移住者は増加傾向でごく緩やかに発展している。代々そこで暮らす巧とその娘・花の生活は自然のサイクルに合わせた慎ましいものだ。ある日、巧の家の近くでグランピング場を作る計画が持ち上がる。コロナ禍のあおりで経営難に陥った芸能事務所が政府からの補助金を得て、その設営を計画した。しかし、彼らが町の水源に汚水を排水しようとしていることがわかり、町内は動揺し、その余波は巧の生活にも及んでいく。
企画・監督・脚本:濱口竜介
企画・音楽:石橋英子
プロデューサー:高田聡
撮影:北川喜雄
録音・整音:松野泉
出演:大美賀均、西川玲、小坂竜士、渋谷采郁 ほか
製作:株式会社NEOPA/合同会社フィクティヴ
日本公開:2024年4月26日(金)Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、K2ほか公開
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