『イ・チャンドン アイロニーの芸術』特別予告編が解禁!
- Fan's Voice Staff
8月25日(金)より開催される特集上映『イ・チャンドン レトロスペクティヴ4K』での唯一の新作となるドキュメンタリー映画『イ・チャンドン アイロニーの芸術』の特別予告編が解禁されました。
『イ・チャンドン アイロニーの芸術』は、43歳にして小説家から映画監督に転身した異色のキャリアを、その名を初めて世界に知らしめた初期の傑作『ペパーミント・キャンディー』同様に現在から過去へと遡りながら、かつてないほど率直なイ・チャンドン本人の述懐と共に、ゆかりの地へ再び自ら足を運ぶ“聖地巡礼”。コロナ禍での困難を逆手に取り、イ・チャンドン監督の制作会社パインハウスフィルム全面協力のもと、自身が水先案内人として本作に深く携わりました。
「監督に言われました。“考えずに そこにいろ 何かをしようとするな” 」(ユ・アイン)、「イ監督の作品は一番大事な私たちの生を描きつつ、その生を最も深くのぞき込み語る」(ソン・ガンホ)、「私たちが美しいと言っているものは何なのか、美しさとは果たしてどんなものなのか」(ムン・ソリ)──これまで発表された作品群のフッテージとともに、錚々たる俳優陣が、当時の記憶とその思いを口々に明かしていきます。
以下、「イ・チャンドン レトロスペクティヴ4K」の開催に寄せて、著名人コメントが到着しています。
いがらしみきお(漫画家)
イ・チャンドンは大学の先生でもあるが、我々の先生でもあるだろう。
創る前に無駄なことを考えるな、創っている時は集中しろ、創ったあとによく考えろ、と言われているような気がする。
どの作品からもそれを感じる。
仲野太賀(俳優)
初めて「オアシス」を観た時の衝撃が忘れられない。
この映画に触れてしまった僕は、もう観る前には戻る事ができないと思った。
イ・チャンドン監督作品は
人間の深部を覗き、人生の悲哀と美しさに魂を震わせ、映画の魔法に魅せられる最上の体験だと思う。
西川美和(映画監督)
四半世紀のうちに、日本の映画も変わり、韓国の映画も変わった。
「イ・チャンドン監督は、別格ですから」「あんな作り方は他にできませんよ」と、
韓国の映画人たちも、敬意を込めつつも半ば諦めたように、その人を語る。
けれど、行く道を見失いかけるたびに思い返してきた。
私たちには、イ・チャンドンがいるではないか。北極星のように、静かに、いつもそこにある。
アジアの作り手たちに、誠実さと映画の奇跡を思い出させ、勇気づける。
ライムスター宇多丸(ラッパー/ラジオパーソナリティ)
疑いの余地なくイ・チャンドンは、目下世界で最も重要な映画作家の一人だろう。
なのに例えばその代表作にして圧倒的大傑作たる『シークレット・サンシャイン』も『ポエトリー』も、
新たな観客がアクセスしづらい残念な状況が続いていた……その意味で今回の回顧上映には、快哉を叫びたい。
何せ6作(+1)しかないんだから、全部観りゃいいよ!
私自身4Kでの「再発見」を、心から楽しみにしています。
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『イ・チャンドン アイロニーの芸術』
人間の感情という、見えない物の真実を描き続けてきたイ・チャンドン作品の本質を、監督自らが現在から過去へと遡りながら、紐解いていく──。本編には監督にゆかりのある俳優や、制作スタッフも出演。さらに各作品のロケ地や著書、監督が幼少期に過ごした場所も映し出される。
出演:イ・チャンドン、ムン・ソングン、ソル・ギョング、ソン・ガンホ、チョン・ドヨン、ムン・ソリ、ユ・アイン
監督:アラン・マザール
2022/フランス、韓国/韓国語/カラー/ビスタ/5.1ch/99分/原題:LEE CHANG-DONG : THE ART OF IRONY
協力:ツイン/配給:JAIHO
©MOVIE DA PRODUCTIONS & PINEHOUSE FILM CO., LTD., 2022