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2023.07.25 18:30

塚本晋也監督『ほかげ』ベネチア映画祭に選出!新場面写真&追加キャストが解禁!

  • Fan's Voice Staff

塚本晋也監督の最新作『ほかげ』が第80回ベネチア国際映画祭のオリゾンティコンペティション部門に選出されたことが発表され、あわせて追加キャストと新場面写真が解禁されました。

『鉄男』(89年)でのセンセーショナルな劇場デビュー以後、世界中に熱狂的ファンを持ち、多くのクリエイターに影響を与えてきた塚本晋也。戦場の極限状況で変貌する人間を描いた『野火』(14年)、太平の世が揺らぎ始めた幕末を舞台に生と暴力の本質に迫った『斬、』(18年)、本作ではその流れを汲み、戦争を民衆の目線で描き、戦争に近づく現代の世相に問います。

追加キャストとして解禁されたのは、戦争で家族をなくし、焼け残った居酒屋で体を売って生きている主人公の女(趣里)と交流を深めていく戦争孤児役に、『ラーゲリより愛を込めて』や大河ドラマ『青天を衝け』に出演している子役・塚尾桜雅、復員した若い兵士役に、PFFグランプリ受賞作品『J005311』の監督でもある河野宏紀、そして、映画監督としても活躍する利重剛と、大森立嗣。

到着した場面写真では、居酒屋の女、片腕の動かない謎の男(森山未來)、戦争孤児の坊やの鋭い眼差しや物語の舞台となる闇市の様子等が捉えられています。

塚本監督作品がベネチア国際映画祭に選出されるのは、『斬、』(18年)以来5年ぶり。同映画祭とは縁が深く、これまでにも『野火』(14年)、『斬、』が二作連続でコンペティション部門に選出され、『六月の蛇』(02年)ではコントロコレンテ部門(現・オリゾンティ部門)で審査員特別大賞、『KOTOKO』(11年)はオリゾンティ部門で最高賞のオリゾンティ賞を受賞しています。

第80回ベネチア国際映画祭は、現地時間8月30日(水)に開幕。公式上映には塚本監督と森山、塚尾が参加予定です。

以下、コメントが到着しています。

塚本晋也(監督)
こうしてまた、最古の映画祭に呼んでいただけること、たいへん光栄に思います。
オリゾンティ部門は、これまで作った何本もの作品が上映された、馴染みのあるセクション。
肩の力を抜いて、楽しく参加させていただきたいと思います。
そして、終戦後の片隅に生きる人々の祈りが、ヴェネチアの皆さんにも届くことを願っています。

趣里(居酒屋の女 役)
『ほかげ』がヴェネチアに招待されたというニュース、本当に嬉しく思います。
戦後の日本を舞台にしたこの作品がヴェネチアの皆様の目にどう映るのでしょうか。今からとても楽しみです。

森山未來(片腕の動かない謎の男 役)
「ほかげ」が評価され、個人的には初めてのヴェネチア映画祭への参加がこの作品であることを心から嬉しく思います。
ヴェネチアの日差しと、島なみの揺らぎを楽しみにしています。

塚尾桜雅(戦争孤児 役)
今回、塚本監督の映画に参加できて本当に嬉しかったです。趣里さんや未來さん、また凄い俳優さん達とご一緒できてたくさん勉強させて頂きました。
ヴェネチア国際映画祭に参加させて頂くことも嬉しく思います。緊張もしますが楽しみにしています。

河野宏紀(復員した若い兵士 役)
この映画の本当の意味での悲しみと痛みと塚本監督の優しさが、世界に届きますように。
本当におめでとうございます。

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『ほかげ』(英題:Shadow of Fire)

出演:趣里、森山未來
監督:塚本晋也
製作:海獣シアター
2023年/日本/95分/ビスタ/5.1ch/カラー

日本公開:2023年11月25日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開
配給:新日本映画社
公式サイト
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