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2023.06.28 7:00

「第31回レインボー・リール東京」上映作品が発表!

  • Fan's Voice Staff

セクシュアルマイノリティをテーマとした映画を国内外からセレクションして上映する「第31回レインボー・リール東京 〜東京国際レズビアン&ゲイ映画祭〜」の上映作品が発表されました。

7月15日(土)からスパイラルホール(青山)とユーロライブ(渋谷)で開催される今年の映画祭では、全11プログラム21作品を上映。うち11作品が日本初上映(ジャパンプレミア)となり、ここでしか観ることのできない貴重な作品も多く含まれます。

オープニング作品は、釜山国際映画祭やサンフランシスコ国際映画祭でも上映された韓国映画『孔雀』。家族や故郷の人々と絶縁しているトランスジェンダー女性の物語です。

今年のベルリン国際映画祭をはじめ、サンダンス映画祭やシアトル国際映画祭などで受賞続きの『マット』は、主人公の運のない24時間を描いた閉塞感のある映像に加え、主人公のトランスジェンダー男性を演じる新星リオ・メヒエルに注目です。

デンマークから届いたレズビアン映画『ヴィーナス・エフェクト』は、美しい自然の中でさまざまな形の人間関係や愛、家族を描いた北欧発のドラマ。オーストラリア映画の『ローンサム』は、ゲイアプリで知り合ったふたりのセクシュアリティと孤独、心の傷を探求した野心作。日本作品では、長編に『幸運の犬』が選出。他にも、コメディやドキュメンタリー、ショートフィルムなど、多岐にわたるラインナップとなっています。

『孔雀』では来日予定のピョン・ソンビン監督とのトークイベント、『秘密を語る方法』ではショーン・ダン監督とのオンライントークイベントも予定されています(いずれもスパイラルホールのみ)。

さらに、2017年以来6年ぶりとなる『レインボー・リール・コンペティション』の開催が決定。日本人の映像作家たちによる渾身のショートフィルム7本を上映し、観客の投票によりグランプリ作品が決定されます。『レインボー・リール・コンペティション』でもキャスト・監督たちによる舞台挨拶が予定されている。

上映プログラム

『クリッシー・ジュディ』(日本初上映)

クリッシーとジュディは親友同士。今年こそドラァグクイーンとして大ブレイクを目指すジュディだったが、コンビの相棒であるクリッシーが恋人と同居するため街を離れることに。一人取り残されたジュディは、30代にして恋愛・就職・孤独といった現実的な問題と向き合わざるを得なくなる。製作・監督・脚本・主演のトッド・フラハティが、親友と離ればなれになるという普遍的な痛みをモノクロ映像で物哀しくも優しく描いたコメディドラマ。
英題:Chrissy Judy/監督:トッド・フラハティ/2022/USA/96分/英語

『エッグヘッド&トゥインキー』(日本初上映)

ある朝、17歳のトゥインキーは両親に同性が好きだとカミングアウト。その勢いのままプチ家出をし、ネット遠恋中のカノジョ(?)にリアルで会うために親友の男子エッグヘッドが運転する車でテキサスへの旅に出る。ところが、道中はトラブル続きで…!? テンポの良い会話とフレッシュなキャラクター、アニメーションなどを使った映像演出が楽しいキュートでカラフルな青春ラブコメディ。
英題:Egghead & Twinkie/監督:サラ・カンベ・ホランド/2023/USA/87分/英語

『秘密を語る方法』(アジア初上映)

21歳でHIV陽性と判明したロビーは、5人の元交際相手に連絡を取る。その1人が本作の監督ショーン・ダンだった。このことをきっかけに、ショーンはHIVと共に生きる人々からヒアリングした経験談を再構築し、俳優が演じる舞台、ドラァグアーティストのストリートパフォーマンス、当事者同士が語り合うワークショップといった多彩な手法で「秘密を語る方法」を表現。言葉の力が魂を震わせるハイブリッド・ドキュメンタリー。
英題:How to Tell a Secret/監督:ショーン・ダン、アナ・ロジャース/2022/アイルランド/101分/英語
★上映後にトークイベントを実施予定

『ココモ・シティ』(日本初上映)

アトランタとニューヨークでセックスワーカーとして働く4人の黒人トランスジェンダー女性たち。彼女らの生の感情を捉えたインタビュー映像から、性労働の実態と構造的差別の存在が皮肉を交えて赤裸々に暴かれる。粗い白黒の映像やエネルギーに満ち溢れた演出が話題を呼び、世界中の映画祭で観客賞を受賞した異色のドキュメンタリー。本作に登場するココ・ダ・ドール(本名ラシーダ・ウィリアムズ)は今年4月に銃殺されるという悲劇に見舞われた。
英題:Kokomo City/監督:D・スミス/2023/USA/73分/英語

『ローンサム』(日本初上映)

田舎町でスキャンダルに巻き込まれたケイシーは、ヒッチハイクで大都会シドニーへ向かう。金も寝床もない彼は、ゲイアプリを通じて知り合ったティブの家に居候しながら仕事を手伝うことに。セックスを通じて二人の距離は縮まり、互いに心を開くようになるが、どちらにも抱えきれない暗い過去があった。初長編『Teenage Kicks(原題)』(2016)でオーストラリア映画界にその名を知らしめた気鋭のクィア映画監督クレイグ・ボアハムが、セクシュアリティと孤独、心の傷を探求した野心作。
英題:Lonesome/監督:クレイグ・ボアハム/2022/オーストラリア/95分/英語

『マット』(日本初上映)

ニューヨークに暮らすトランスジェンダー男性のフェーニャのもとに、性別移行をして以来疎遠になっていた相手が次々と舞い戻ってくる。ノンケの元カレ、13歳の妹、そして外国に住む父親の登場に戸惑いながらも、フェーニャは過去の関係と折り合いをつけようとする。人種とジェンダーの狭間で生きる主人公の最も運のない24時間を閉塞感のある映像で描く。フェーニャを演じる新星リオ・メヒエルの演技に釘づけになること必至!
英題:Mutt/監督:ヴーク・ルングロフ=クロッツ/2023/USA/87分/英語、スペイン語

『孔雀』(日本初上映)

家族や故郷の人々と絶縁しているトランスジェンダー女性のミョン。性別適合手術の費用が必要な彼女は、賞金目当てにワッキングダンスの大会に出場するが、優勝を逃してしまう。そんな時、ミョンは父の訃報を受け、「四十九日の法要で伝統舞踊のソゴチュム(小鼓舞)を踊れば遺産を渡す」と父が遺言を残していたことを知る。短編『神の娘のダンス』(2020)で世界に注目された実力派ピョン・ソンビン監督が、同作主演のヘジュンと再びタッグを組んだ長編デビュー作。プロダンサーであるヘジュンの迫力あるダンスも見どころ。
英題:Peafowl/原題:공작새/監督:ピョン・ソンビン(변성빈)/2022/韓国/115分/韓国語
★上映後にトークイベントを実施予定

『ヴィーナス・エフェクト』(日本初上映)

20代のリウはデンマークの田舎町で両親が営む植物園に勤め、平凡ながら穏やかな生活がずっと続くものと思っていた。しかしある日、エキセントリックで不思議な魅力を持つレズビアンのアンドレアと出会い、リウの日常は一変。二人の恋は燃え上がる一方、それぞれのライフスタイルがぶつかり合い、リウの家族にまで思いも寄らない影響が生じる。美しい自然の中でさまざまな形の人間関係や愛、家族を描いた北欧発のドラマ。
英題:The Venus Effect/原題:Venuseffekten/監督:アナ・エマ・ハウデル/2021/デンマーク/105分/デンマーク語

『幸運の犬』

仕事も全くうまくいかず、46年間一度も彼氏ができたことがないヒゲポン。「クソみたいな人生だった。1回くらいGOGO BOYみたいなイケメンとキスしたかった」と嘆きながら自殺を図るヒゲポンの前に、突然一匹の「犬」が現れる。何気にその犬を連れて行きつけのバーに行くと、隣に居合わせた超絶イケメンのTENから「かっこいい方ですね。嫌なことは忘れましょう」と熱いハグをされ、人生最大級の幸運にすっかり舞い上がるヒゲポン。だがその犬が起こす奇跡は、まだ始まったばかりだった。
英題:Matchmaking dog/監督:まちょ/2022/日本/53分/日本語
★上映後に舞台挨拶を実施予定

FANTASTIC ASIA! ~アジア短編プログラム~」「レインボー・リール・コンペティション 2023」の上映作品については、公式サイトを確認ください。

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第31回レインボー・リール東京 〜東京国際レズビアン&ゲイ映画祭〜

期間:2023年7月15日(土)〜17日(月・祝)@スパイラルホール、21日(金)〜23日(日)@ユーロライブ (合計:6日間)
会場: スパイラルホール(東京都港区南青山5-6-23 スパイラル3F)、ユーロライブ(東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2F)
主催: NPO法人レインボー・リール東京
公式サイト:https://rainbowreeltokyo.com/