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2023.03.16 14:00

フランソワ・オゾン監督『苦い涙』日本版予告編&ポスターが解禁!

  • Fan's Voice Staff

フランソワ・オゾン監督の最新作『苦い涙』の日本版予告編とポスタービジュアル、新場面写真6点が解禁されました。

著名な映画監督ピーター・フォン・カント(ドゥニ・メノーシェ)が、俳優志望の美青年アミール(ステファン・クレポン)に心を奪われ翻弄される姿を、ユーモアたっぷりに、シニカルに描く物語。予告編では、魅力的な青年、スター女優、映画監督、助手という癖のある登場人物たちが紹介され、エゴイスティックな愛に翻弄される映画監督と美青年のパワーゲームを軸に、アパルトマンの一室で繰り広げる人間模様が気になる展開を見せていきます。正気を失うほど美青年に恋をしてしまった映画監督はどうなるのか?オゾン監督ならではの美意識で統一され、初期作品を思い起こすようなビビッドなカラーと室内のインテリアや装飾へのこだわりにも注目です。

キャストには、オゾン作品初登場にして強烈な存在感を放つ名優イザベル・アジャーニをはじめ、フランス映画界屈指の人気実力派ドゥニ・メノーシェ、長編映画初出演にして目が離せない新鋭ハリル・ガルビア、本作でセザール賞有望若手新人賞にノミネートされたステファン・クレポン、そしてファスビンダーのオリジナル版で準主役を演じたハンナ・シグラという豪華メンバーが結集。

オゾンが敬愛するニュー・ジャーマン・シネマの伝説的な映画作家ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーの『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』(72年)を現代風にアレンジ。1970年代ドイツのアパルトマンを舞台にした室内劇という作品の大枠はそのままに、ファスビンダーが描いた女性同士の恋愛関係を男性同士に置き換え、ファッションデザイナーだった主人公の職業を映画監督に変更。刺激的なビジュアルと、1960~70年代のヒットソングをちりばめた秀逸なセンスの音楽など、見どころの尽きない濃密でエモーショナルなメロドラマとして仕上げ、第72回ベルリン国際映画祭のオープニングを華々しく飾りました。

ゴールドを基調とした日本版ポスタービジュアルは、グラフィックデザイナーの大島依提亜がデザインを担当。“人は愛するものを殺す(でも誰も死なない)”という意味深なキャッチコピーは、劇中でイザベル・アジャーニ演じる女優シドニーが歌うオスカー・ワイルドの詩を基にした歌から引用したもの。

以下、コメントが到着しています。

大島依提亜(グラフィックデザイナー)
実はフランソワ・オゾンの作品の日本版デザインを担当するのもかれこれ5作目。最初に担当した初期の傑作『焼け石に水』と同じく、今回の『苦い涙』はファスビンダーの戯曲が原案と、さらに縁を感じますが、お洒落で(珠玉の70sインテリアや衣装の数々に悶絶!)妙に可笑しい作風も、どこか『焼け石に水』と共通して、一見すると原点回帰ともいえます。
しかし!これまでの監督としての経験とキャリアだからこそのオゾンの成熟ぶりは──技術やテーマ性、全てにおいて──目を見張るばかりで、その辺も存分に堪能頂けるかと思います。

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『苦い涙』(原題:Peter von Kant)

著名な映画監督ピーター・フォン・カント(ドゥニ・メノーシェ)は、恋人と別れて激しく落ち込んでいた。助手のカール(ステファン・クレポン)をしもべのように扱いながら、事務所も兼ねたアパルトマンで暮らしている。ある日、3年ぶりに親友で大女優のシドニー(イザベル・アジャーニ)が青年アミール(ハリル・ガルビア)を連れてやって来る。艶やかな美しさのアミールに、一目で恋に落ちるピーター。彼はアミールに才能を見出し、自分のアパルトマンに住まわせ、映画の世界で活躍できるように手助けするが…。

監督・脚本/フランソワ・オゾン
ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー「ペトラ・フォン・カントの苦い涙」から自由に翻案
出演/ドゥニ・メノーシェ、イザベル・アジャーニ、ハリル・ガルビア、ステファン・クレポン、ハンナ・シグラ、アマンテ・オーディアール
2022/フランス/フランス語/85分/日本語字幕:手束紀子

日本公開/2023年6月2日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
配給/セテラ・インターナショナル
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