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2023.03.02 13:00

アリ・アッバシ監督『聖地には蜘蛛が巣を張る』日本版予告編が解禁!

  • Fan's Voice Staff

イランで実際にあった娼婦連続殺人事件から着想を得て鬼才アリ・アッバシ監督が描いたクライムサスペンス『聖地には蜘蛛が巣を張る』の日本版予告編が解禁されました。

「俺の話をメモしろ。街中の娼婦を始末してやる」という新聞社に届いた犯行声明の声と、連続殺人犯“スパイダー・キラー”が次のターゲットを探すために夜の街をバイクで走る後ろ姿から始まる予告編。真相を追う女性ジャーナリストのラヒミ(ザーラ・アミール・エブラヒミ)は、同じ手口で殺害された多くの被害者が出ているにも関わらず犯人が捕まらない状況に、「誰かがかばっている」と疑いを持ち、真相を暴くために周辺取材を進めます。

消極的な捜査の割には高圧的な警察のトップ。ラヒミの「犯人はイスラム法を実行してるとも」という問いに、「聖職者は常に裏で何かを企んでると?」と相手にしない聖職者。街で生活する主婦は「街の腐った女たちよ。殺されて当然」と蔑む一方で、事件が起きても変わらず夜の街に立ち、挑発する娼婦たち。そんな中、犯人は平然と街をバイクで走り、娼婦たちを狙っていきます。

「街を浄化するのだ」と殺人を続ける犯人と、「浄化しろ」と犯人を英雄視していく一部の市民。ラヒミは自ら囮になり犯人を追いつめようとしますが──追いつめられているのは、犯人か、それともラヒミか?

監督・共同脚本を務めたのは、第71回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門でグランプリを受賞した『ボーダー 二つの世界』(18年)で脚光を浴びた、イラン出身で北欧を拠点に活動するアリ・アッバシ。2000年〜2001年にイランで16人の犠牲者を出した連続娼婦殺人事件に着想を得たアッバシは、「連続殺人鬼の映画を作りたかったわけではない。私が作ろうと思ったのは、連続殺人鬼も同然の社会についての映画だった」と語り、鋭い洞察力で人間の暗部を大胆に暴き出しました。

第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門でワールドプレミアされ、主人公の女性ジャーナリストを演じたザーラ・アミール・エブラヒミが女優賞を受賞。先日発表されたロバート賞(デンマーク・アカデミー賞)では今年度最多11部門(作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞、助演男優賞、編集賞、撮影賞、作曲賞、プロダクションデザイン賞、音響デザイン賞、視覚効果賞)に輝きました。

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『聖地には蜘蛛が巣を張る』(原題:Holy Spider)

聖地マシュハドで起きた娼婦連続殺人事件。「街を浄化する」という犯行声明のもと殺人を繰り返す“スパイダー・キラー”に街は震撼していたが、一部の市民は犯人を英雄視していた。事件を覆い隠そうとする不穏な圧力のもと、女性ジャーナリスト・ラヒミは危険を顧みずに事件を追う。ある夜、彼女は、家族と暮らす平凡な一人の男の心の深淵に潜んでいた狂気を目撃し、戦慄する──。

監督/アリ・アッバシ
脚本/アリ・アッバシ、アフシン・カムラン・バーラミ
音楽/マルティン・ディルコフ
撮影/ナディム・カールセン
編集/ハイェデェ・サフィヤリ、オリヴィア・ニーアガート=ホルム
出演者/メフディ・バジェスタニ、ザーラ・アミール・エブラヒミ
デンマーク、ドイツ、スウェーデン、フランス/ペルシャ語/2022/シネスコ/5.1Ch/118分/字幕翻訳:石田泰子

日本公開/2023年4月14日(金) 新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、TOHOシネマズ シャンテ他全国順次公開
配給/ギャガ
後援/デンマーク王国大使館
©Profile Pictures / One Two Films