News

2023.02.24 12:00

パオロ・タヴィアーニ監督『遺灰は語る』6月23日公開決定!

  • Fan's Voice Staff

イタリアの名匠タヴィアーニ兄弟の弟パオロ・タヴィアーニが、兄ヴィットリオの死後初めて一人で監督した『Leonora addio』(原題)が、邦題を『遺灰は語る』として6月23日(金)より日本公開されることが決定しました。

映画が描くのは、あるノーベル文学賞作家の“遺灰”の旅。1934年にノーベル文学賞を受賞した文豪ルイジ・ピランデッロは、死に際し「自身の灰は故郷シチリアに」と遺言を残した一方、時の独裁者ムッソリーニは彼の名誉を利用するため、遺灰をローマに留めおくことに。戦後、ようやく彼の遺灰が入った壺が、ローマからシチリアへと帰還することになり、シチリア島の特使がその重要な務めを命じられますが、アメリカ軍の飛行機に搭乗拒否されたり、壷がどこかへ消えたり、次から次へとトラブルに見舞われます。果たして、遺灰は無事にシチリアに届けられるのか──?

タヴィアーニらしい熱情とユーモア、美しいモノクロ映像と鮮烈なカラー映像を織り交ぜて描かれた波乱万丈の“遺灰”の旅はイタリアの近現代史をも語り、そして映画の最後にはエピローグとして、ピランデッロの遺作『釘』を映像化した短編が登場。90歳を超えたタヴィアーニが運命を見つめて深い感動を残します。

世界の映画ファンに愛されるイタリアのタヴィアーニ兄弟は、カンヌ映画祭パルムドールに輝いた『父/パードレ・パドローネ』(77年)、『カオス・シチリア物語』(84年)、日本でも大ヒットした名作『グッドモーニング・バビロン!』(87年)、ベルリン映画祭金熊賞の『塀の中のジュリアス・シーザー』(12年)など数々の傑作を発表してきました。

2018年に兄ヴィットリオが88歳で亡くなり、現在91歳の弟パオロが初めて一人で監督した本作は、昨年のベルリン国際映画祭で国際映画批評家連盟賞を受賞しました。

パオロ・タヴィアーニ監督(エピローグの出演者とともに撮影現場にて)

==

『遺灰は語る』(原題:Leonora addio)

監督・脚本/パオロ・タヴィアーニ
出演/ファブリツィオ・フェラカーネ、マッテオ・ピッティルーティ、ロベルト・ヘルリツカ(声)
2022/イタリア映画/90分/モノクロ&カラー/字幕:磯尚太郎/字幕監修:関口英子

日本公開/2023年6月23日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
配給/ムヴィオラ
© Umberto Montiroli