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2023.01.27 14:00

『赦し』予告編&新場面写真11点が解禁!

  • Fan's Voice Staff

7年前に娘を殺された元夫婦と、当時に未成年だった加害者の女性の葛藤を見すえ、魂の救済、赦しという深遠なテーマに真っ向から挑んだ問題作『赦し』の予告編と新場面写真11点が解禁されました。

父・克(尚玄)は裁判所で加害者の夏奈(松浦りょう)に「私の娘は戻ってこないんだ」と声を荒げ、母の澄子(MEGUMI)は「どうして?どうして娘を殺したの?」と問い詰めるなど、娘を殺した少女の減刑を当然認めたくない親たち。ところが、加害者少女が初めて明かす衝撃の証言で、克と澄子は愛する娘の知らなかった一面を知ることに。さらに弁護士に「あなたはこれ以上被告人が苦しむのを本当に望んでいるのですか?それがあなたの正義ですか?」と問いかけられ、娘を失った深い喪失感と同時に、己の正義とも向き合わざるを得なくなり、自問自答し葛藤する日々が、次第に日常生活に影を落とします。

一方で、同級生を殺してしまったことへの強い後悔の念で苦しむ夏奈が、忸怩たる思いを抱えながらも、勇気を出してこれまで秘めていた衝撃の真実を打ち明けるとき、正義とは何か?犯した罪を人はどう赦し、犯した罪から人は生き直すことができるのか?という深い問いを投げかけられます──。

メガホンを執ったアンシュル・チョウハンは、長編第2作の『コントラ』(19年)でエストニアのタリン・ブラックナイト映画祭でグランプリ、北米最大の日本映画祭ジャパン・カッツで第1回大林賞を受賞したインド出身の気鋭監督。国内外で注目度が高まっている監督が、これまでの作風を一変させ、重厚でリアリスティックな語り口を披露し、法廷における裁判官、弁護士、検察官、証人のやりとりを臨場感たっぷりに描き出し、スリリングな展開と、登場人物たちが抱く不安、迷い、痛みをシンクロさせた濃密な人間ドラマを完成させました。

怒りと憎悪の呪縛に囚われた主人公・克を演じるのは、フィリピンの巨匠ブリランテ・メンドーサと組んだ主演作『義足のボクサー GENSAN PUNCH』が記憶に新しい尚玄。元妻の澄子に扮するのは、第62回ブルーリボン賞助演女優賞を受賞した『台風家族』『ひとよ』などで多彩なキャラクターを演じてきたMEGUMI。深い喪失感を共有しながら、対照的なベクトルで裁判の成り行きを見つめる元夫婦の複雑な思いを表現。さらに、澄子の現在の夫を演じるオリエンタルラジオの藤森慎吾、裁判長役を毅然と体現した真矢ミキがドラマに厚みを与えます。そして、夏奈役に抜擢された松浦りょうのキャスティングにも注目です。

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『赦し』(英題:December)

かつて17歳の少女だった夏奈は、同級生の少女を殺害した。あれから7年、20年の刑を受けた夏奈に再審の機会が与えられ、釈放される可能性があると連絡を受けた被害者の父・克と、別れた元妻・澄子。二人はともに法廷に赴き裁判の経過を見守ることになるが・・・。当時の裁判では殺害にいたる経緯を話すことなく、検察の請求のままに刑が確定した夏奈。再審請求は、被害者の親二人の心を大きく揺さぶっていく。7年が経っても決して薄れることのない彼女への怒りと憎しみは、周りを巻き込みながら大きく変転をしていくのだった。加害者の夏奈だけではなく、まるで囚人のように「娘を殺されたこと」への怒りから逃れることのできない、かつての親たち。そこから人はどうやって一歩進んでいくのか?

監督・編集/アンシュル・チョウハン
撮影/ピーター・モエン・ジェンセン
音楽/香田悠真
出演/尚玄、MEGUMI、松浦りょう、生津徹、藤森慎吾、真矢ミキ
プロデューサー/山下貴裕、茂木美那、アンシュル・チョウハン
エグゼクティブ・プロデューサー/サイモン・クロウ、ランカスター文江
脚本/ランド・コルター 
製作プロダクション/KOWATANDA FILMS、YAMAN FILMS 
2022年/日本/日本語/カラー/2:1/5.1ch/98分

日本公開/2023年3月18日(土)より、ユーロスペースほか全国順次公開
配給/彩プロ
助成/文化庁
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