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2022.12.26 10:00

セルゲイ・ロズニツァ監督『新生ロシア1991』日本版ポスターが解禁

  • Fan's Voice Staff

第72回ベネチア国際映画祭アウト・オブ・コンペティション部門で上映されたセルゲイ・ロズニツァ監督によるドキュメンタリー映画『新生ロシア1991』の日本版ポスタービジュアルが解禁されました。

1991年8月19日にモスクワで起きた軍事クーデター・通称「ソ連8月クーデター」の3日間に、民衆が決起しロシアの自由と変化を求める声が沸き起こったレニングラードを当時の記録映像で再構成するアーカイブ映画。

このクーデターをきっかけにペレストロイカでソ連邦の緩やかな改革を考えていたゴルバチョフは失脚し、連邦最大の共和国であるロシアのトップだった急進改革派のエリツィンが実権を握り、結果的に同年12月にソ連邦の崩壊へ繋がりました。

本作品のモノクロ映像はレニングラードの8名のカメラマンが、混乱する市中に紛れ撮影したもの。エリツィンを支持し、市民にロシアの民主主義を訴えるアナトリー・サプチャーク・レニングラード市長を追いかけるカメラには、サプチャークの側近を務めていた若かりし頃のウラジーミル・プーチンの姿も映っています。プーチンは旧体制を解体したこの出来事の9年後にロシア連邦の大統領となり、絶対的な権力を手にして現在に至ります。ソ連崩壊に繋がった30年前のロシアの民主化の動きを映す本作は、現在のロシアを考える上でとても貴重かつタイムリーな公開となります。

セルゲイ・ロズニツァ監督は2022年5月に『ドンバス』(18年)、9月に『バビ・ヤール』(21年)、12月に『ミスター・ランズベルギス』(21年)の3作品が日本で連続公開され、注目を集めました。

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『新生ロシア1991』(英題:The Event)

監督/セルゲイ・ロズニツァ
2015年/70分/ベルギー=オランダ/ロシア語/4:3/日本語字幕:守谷愛

日本公開/2023年1月21日(土)よりシアター・イメージフォーラム公開
配給/サニーフィルム
公式サイト
©️Atoms & Void