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2022.12.14 17:00

『ケイコ 目を澄ませて』入場者プレゼントに16mm“生コマフィルム”!

  • Fan's Voice Staff

第72回ベルリン国際映画祭に選出された三宅唱監督作『ケイコ 目を澄ませて』の入場者プレゼントとして、本編シーンから抜き焼きした16mmの“生コマフィルム”が数量限定配布されることが決定しました。

本作は、聴覚障害と向き合いながら実際にプロボクサーとしてリングに立った小笠原恵子さんの生き方に着想を得て、『きみの鳥はうたえる』の三宅唱が新たに生み出した物語。生まれつきの聴覚障害で、両耳とも聞こえない主人公・ケイコ(岸井ゆきの)が、ゴングの音もセコンドの指示もレフリーの声も聞こえない中、じっと“目を澄ませて”闘う姿を、16mmフィルムのあたたかな質感で映し出します。

デジタル撮影が主流となっている昨今ですが、いつかチャンスがあれば16mmフィルムで撮影したいと憧れていた三宅監督。「ボクサーの肉体のなまめかしさのようなものや古いジムの空気感などをどう捉えるかという際に、生々しくて温かく、どこかおとぎ話のような雰囲気もある16mmフィルムのテクスチャーが合うだろうと考えました」と、今作で全編フィルム撮影を選択した胸中を明かしています。

岸井も、「今まで観てきた映画や、今作られている映画もフィルムで撮っているものもあって、その大好きな映画人たちが聞いているであろう、完成したら抜かれてしまうフィルムのカラカラと回る音を毎日聞けるのは、本当に贅沢でした。撮れる量に限りがあるので、フィルムで撮るということは現場全体の空気や集中力の向上に貢献していると感じました。物体としてずっと残るというのも魅力的でした」と、自身にとって初めての16mmフィルムでの撮影を振り返っています。

入場者プレゼントとして配布される16mmプリントフィルムに抜き焼きされた“生コマフィルム”には、岸井演じるケイコが河原で左ストレートを放つ瞬間の本編シーン10コマが収められています。今作のフィルムサプライヤーであるコダックジャパンの担当者は、「映画ファンにとっては、16mmフィルムに触れる貴重な機会になるのでは」と語っています。

※実際の上映はフィルムではなくDCP上映です。

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『ケイコ 目を澄ませて』

嘘がつけず愛想笑いが苦手なケイコは、生まれつきの聴覚障害で、両耳とも聞こえない。再開発が進む下町の一角にある小さなボクシングジムで日々鍛錬を重ねる彼女は、プロボクサーとしてリングに立ち続ける。母からは「いつまで続けるつもりなの?」と心配され、言葉にできない想いが心の中に溜まっていく。「一度、お休みしたいです」と書き留めた会長宛ての手紙を出せずにいたある日、ジムが閉鎖されることを知り、ケイコの心が動き出す──。

出演/岸井ゆきの、三浦誠己、松浦慎一郎、佐藤緋美、中原ナナ、足立智充、清水優、丈太郎、安光隆太郎、渡辺真起子、中村優子、中島ひろ子、仙道敦子、三浦友和
監督/三宅唱
原案/小笠原恵子「負けないで!」(創出版)
脚本/三宅唱、酒井雅秋
製作/狩野隆也、五老剛、小西啓介、古賀俊輔
エグゼクティブプロデューサー/松岡雄浩、飯田雅裕、栗原忠慶
企画・プロデュース/長谷川晴彦
チーフプロデューサー/福嶋更一郎
プロデューサー/加藤優、神保友香、杉本雄介、城内政芳
French Coproducer/Masa Sawada
ボクシング指導/松浦慎一郎
手話指導/堀康子、南瑠霞
手話監修/越智大輔
製作/「ケイコ 目を澄ませて」製作委員会(メ~テレ、朝日新聞社、ハピネットファントム・スタジオ、ザフール)
制作プロダクション/ザフール
2022年/カラー/ヨーロピアンビスタ/5.1ch/99分

日本公開/2022年12月16日(金)テアトル新宿ほか全国公開
配給/ハピネットファントム・スタジオ
公式サイト
©2022 映画「ケイコ 目を澄ませて」製作委員会/COMME DES CINÉMAS
文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業