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2022.11.04 11:00

飯塚花笑監督『世界は僕らに気づかない』2023年1月13日公開決定!予告編&ポスターが解禁!

  • Fan's Voice Staff

本年度の大阪アジアン映画祭にて「来るべき才能賞」を受賞した飯塚花笑監督最新作『世界は僕らに気づかない』が2023年1月13日(金)より全国公開されることが決定し、予告編とポスタービジュアルが解禁されました。

出勤前の支度をしながら営業電話をするフィリピンパブ嬢の母・レイナの様子をカメラに収める息子・純悟。「子どもは親を選べない。親も子供を選ぶことはできない」というナレーションに純悟の声が重なり、「ジャッピーノ。僕らのようなフィリピンハーフの子をそう呼ぶらしい」「だって俺フィリピン人で、フィリピンパブ嬢の子なんで」と自身の境遇を嘆く台詞が続きます。さらに、母親が「再婚する」といきなり知らない男を家に連れてきたり、かつて「カマちゃん」と自身がゲイであることを理由にいじめをしていた同級生と出くわしてしまったりと、純悟を取り巻く苦々しい環境が映し出され、自由になりたくてもがき苦しむ純悟は、父親探しを始めますが──。

監督を務めた飯塚花笑は、トランスジェンダーである自らの経験を元に制作した『僕らの未来』が国内外で注目を集め、2022年公開の『フタリノセカイ』で商業デビューを果たした新鋭。8年の構想期間を経て結実した今作の主人公・純悟役には、『東京リベンジャーズ』(21年)でのパーちん役など、その存在感ある演技が輝く堀家一希。複雑なバックグラウンドを抱える難しい役柄かつ映画初主演という重圧もある中で、悶々として自分の本当の感情を吐露できない純悟を見事に演じきりました。

息子への深い愛情を抱きつつ、感情的に厳しい態度もとってしまう母親・レイナを演じるのは、スコットランド人の父親とフィリピン人の母親を持つガウ。本格的な演技は初挑戦ながら、観客の視線を釘付けにするパワフルな演技を披露しています。

飯塚監督のオリジナル長編第5作となる今作は、レプロエンタテインメント主催の映画製作プロジェクト「感動シネマアワード」にて製作。2022年の大阪アジアン映画祭でワールドプレミアを迎え、「来るべき才能賞」を受賞。その後ドイツ、韓国、ニューヨーク、香港、オランダ、シカゴ、フィリピンなど世界各地で高評価を得ています。

以下、コメントが到着しています。

堀家一希(渡辺純悟 役)
この映画の見どころはやはり、親子の愛です。
今まで気付けなかった、向き合えなかった愛に気づき、これから少しずつでも向き合えるようそっと背中を一押ししてくれる、そんな作品になっていると思います。
是非、『世界は僕らに気づかない』、お楽しみください!

ガウ(渡辺レイナ 役)
映画のタイトル通りジェンダーや国籍または宗教、文化の間に挟まれて世界に気づかれず、理解されず苦しんでいる人々が多くいると思います。主人公の純悟やその周りの人達はその一例でしかないのですが、この映画を通して少しでも多くの人に知ってもらい考えてもらえるきっかけになれたらいいなと思います。きっとそこから認め合うことが始まり自由で平和な暮らしが出来ると私は思っています。どうぞ心で観て下さい!

飯塚花笑(脚本・監督)
この世界の片隅で、ある種の生きづらさを抱える人たちの存在がどうしても気になってしまう。おそらくトランスジェンダーである自分自身のアイデンティティがそうさせて来たのだろう。今回の映画の主人公は、フィリピン人の母と日本人の父親を持つ青年だ。意外にも知られていないがこの国には、出稼ぎでやって来た沢山のフィリピン人女性が、日常に溶け込んで暮らしている。そしてその子どもたちもまた、この国の中で暮らしている。この映画で描くのは、異なる文化を持った母親への息子の眼差しであり、“愛の問題”についての物語である。この映画を観て、身近にあった愛に気づく人がいるならば…私はとても幸せに思います。

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『世界は僕らに気づかない』

群馬県太田市に住む高校生の純悟は、フィリピンパブに勤めるフィリピン人の母親を持つ。父親のことは母親から何も聞かされておらず、ただ毎月振り込まれる養育費だけが父親との繋がりである。純悟には恋人の優助がいるが、優助からパートナーシップを結ぶことを望まれても、自分の生い立ちが引け目となり、なかなか決断に踏み込めずにいた。そんなある日、母親のレイナが再婚したいと、恋人を家に連れて来る。見知らぬ男と一緒に暮らすことを嫌がった純悟は、実の父親を探すことにするのだが…。

出演/堀家一希、ガウ、篠原雅史、村山朋果、森下信浩、宮前隆行、田村菜穂、藤田あまね、鈴木咲莉、加藤亮佑、高野恭子、橘芳美、佐田佑慈、竹下かおり、小野孝弘、関幸治、長尾卓磨、岩谷健司
脚本・監督/飯塚花笑
エグゼクティブプロデューサー/本間憲、和田有啓
プロデューサー/菊地陽介、山田真史、飯塚花笑
協力プロデューサー/志尾睦子、佐久間由香里
製作/レプロエンタテインメント
2022年/日本/カラー/シネマスコープ/5.1ch/PG12/112分

日本公開/2023年1月13日(金)新宿シネマカリテ、Bunkamuraル・シネマほか全国公開
配給/Atemo
©「世界は僕らに気づかない」製作委員会