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2022.11.04 17:00

セザール賞作品賞『幻滅』2023年公開決定!日本版ポスタービジュアルが解禁!

  • Fan's Voice Staff

第47回セザール賞で作品賞など最多7冠を獲得した『Illusions perdues』が、邦題を『幻滅』として2023年に公開されることが決定し、日本版ポスタービジュアルが解禁されました。

舞台は19世紀前半。恐怖政治の時代が終わり、フランスは宮廷貴族が復活し、自由と享楽的な生活を謳歌していました。文学を愛し、詩人として成功を夢見る田舎の純朴な青年リュシアンは、憧れのパリに、彼を熱烈に愛する貴族の人妻・ルイーズと駆け落ち同然に上京します。ところが、世間知らずで無作法な彼は、社交界で笑い者にされてしまいます。生活のためになんとか手にした新聞記者の仕事において、恥も外聞もなく金のために魂を売る同僚たちに感化され、当初の目的を忘れ欲と虚飾と快楽にまみれた世界に身を投じていきますが…。

主人公のリュシアンを演じたのは、フランソワ・オゾンの『Summer of 85』で日本でも大きな注目を浴びたバンジャマン・ヴォワザン。今作では打って変わり、初のコスチューム劇で、純粋な青年が野心と欲望に惑わされ堕落していく過程を見事に演じきり、今作でセザール賞有望新人男優賞を受賞。リュシアンの先輩格として彼を教育していくジャーナリストを演じた『アマンダと僕』のヴァンサン・ラコストも、セザール賞で最優秀助演男優賞に輝きました。

ほかキャストには、私欲にまみれた人々のなかで唯一誠実にリュシアンを見守る作家のナタン役に、監督としても世界的な人気を誇るグザヴィエ・ドランをはじめ、セシル・ドゥ・フランス、新星サロメ・ドゥヴェル、ジェラール・ドパルデュー、ジャンヌ・バリバー、本作が遺作となったジャン=フランソワ・ステヴナンら、フランス国内外の実力派が勢揃いしています。

原作は、19世紀フランスを代表する文豪オノレ・ド・バルザックが44歳で書き上げた「人間喜劇」の一編「幻滅──メディア戦記」。社会を俯瞰し、そのなかで翻弄されるさまざまな人間像が冷徹に描かれています。

打算的な人々が集まり、生き馬の目を抜くようなパリの都とマスメディアの世界で、現代でいうフェイクニュースやステルスマーケティングがこの時代から横行していたという驚きの事実。バルザックの原作を学生時代から映画化したいと強く望んでいたという『偉大なるマルグリット』(15年)のグザヴィエ・ジャノリ監督は、そんな現代的な要素を強調しながら、風刺に富んだ、極上のエンターテインメントを完成させました。「わたしはとても肉体的な感覚や刺激を映画に持ち込みたかった。サロンの人々の動き、パリの異なるエリアの大衆の猥雑とした雰囲気、あるいは時代が移り変わっていくそのスピード、そういったダイナミックなムーブメントを生み出しながら、ここに登場する人々の人生、悲劇と喜劇を結びつけたいと思ったのです」。

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『幻滅』(原題:Illusions perdues)

脚本/グザヴィエ・ジャノリ
撮影/クリストフ・ボーカルヌ
編集/シリル・ナカシュ
美術/リトン・デュピール=クレモン
キャスト/バンジャマン・ヴォワザン、セシル・ドゥ・フランス、ヴァンサン・ラコスト、グザヴィエ・ドラン
2022年/フランス映画/フランス語/149分/カラー/5.1chデジタル/スコープサイズ/字幕:手束紀子/R15+

日本公開/2023年全国公開
配給/ハーク
配給協力/FLICKK
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