News

2022.10.06 11:00

『ピンク・クラウド』2023年1月27日公開決定!

  • Fan's Voice Staff

ブラジルの新鋭イウリ・ジェルバーゼ監督の長編デビュー作『The Pink Cloud』(英題)が、邦題を『ピンク・クラウド』として2023年1月27日(金)より全国順次公開となることが決定しました。

一夜の関係を共にしているジョヴァナ(ヘナタ・ジ・レリス)とヤーゴ(エドゥアルド・メンドンサ)。毒性を持った正体不明のピンクの雲が突如発生し、けたたましい警報が鳴ります。それに触れると10秒間で死に至るとニュースが報じ、二人は窓を閉め切って高層アパートに引きこもり、長くて数週間で終わるであろうロックダウン生活に入ります。ところが月日が流れ、この生活が終わらないことを誰もが悟り始め、やがて二人の間には男の子・リノが生まれます。パンデミック以前の生活を知らないリノは、家の中という狭い世界で何不自由なく暮らしており、父となったヤーゴも新しい生活に適応しています。一方で、ジョヴァナの中で生じた歪みは次第に大きくなっていき──。

2017年に脚本が書かれ、2019年に撮影された本作は、当初SFとして構想されていたにもかかわらず、新型コロナウイルスの世界的パンデミックで一変した現実と重なるという、思いもよらぬ形で世界の脚光を浴びた本作。海外メディアからは「現代の寓話」(IndieWire)、「ロックダウン体験を描いたフィクションの決定版」(Variety)、「本質を突き、静かに観客を揺さぶる、強烈な想像力の世界」(Screen International)と評されています。

監督のイウリ・ジェルバーゼは、これまで6本の短編の脚本・監督を手掛け、トロント国際映画祭やハバナ映画祭などに出品。本作が初の長編映画となります。外には一歩も出られず、部屋の中でしか生きられないディストピア。そこでジェルバーゼ監督が目指していたのは、ルイス・ブニュエルの『皆殺しの天使』やジャン=ポール・サルトル『出口なし』のように、制限された状況下における生存競争ではなく人間の感情を描くことでした。

以下、監督コメントが到着しています。

イウリ・ジェルバーゼ(監督)
本作の脚本を書いたのは2017年。執筆当時やりたかったのは、一向に終わらない非現実的なロックダウン下で共同生活をする2人のキャラクターが、異なる感情の変化を見せるのを描くことでした。自由とは何か、幸福とは何か、ジョヴァナとヤーゴはそれぞれの考えを持っていて、正反対のやり方でピンクの雲の世界に適応しようとします。ロックダウン下で暮らす中、人生哲学の違いが際立っていきます。
この映画を見ることは、パンデミックの期間中に味わったさまざまな感情を振り返る機会になると思っています。その一方で、ウイルスやパンデミックが話題になるずっと前に脚本を書いたことを念頭に見てもらうと、この映画はさまざまなメタファーや多義性に満ちており、さまざまな感情を喚起するはずです。今回、誰もがロックダウンの体験をしたことで、1人1人がこの映画に対してそれぞれの思いを抱くと思います。『ピンク・クラウド』は選択、欲望、自由についての映画です。

==

『ピンク・クラウド』(英題:The Pink Cloud)

監督・脚本/イウリ・ジェルバーゼ
出演/ヘナタ・ジ・レリス、エドゥアルド・メンドンサ、カヤ・ホドリゲス、ジルレイ・ブラジウ・パエス、ヘレナ・ベケル
2020年/ブラジル/ポルトガル語/103分/シネスコ/5.1ch/カラー/原題:A Nuvem Rosa/字幕翻訳:橋本裕充/PG12

日本公開/2023年1月27日(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
配給/サンリスフィルム
公式サイト
© 2020 Prana Filmes