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2022.06.10 22:00

『FLEE フリー』リズ・アーメッド×主人公アミンの対談映像が到着!

  • Fan's Voice Staff

本年度アカデミー賞にて史上初となる国際長編映画賞、長編ドキュメンタリー賞、長編アニメーション賞の3部門同時ノミネートを成し遂げたドキュメンタリー映画『FLEE フリー』の主人公アミンと、エグゼクティブ・プロデューサーおよび英語版吹替えを担当したリズ・アーメッドの貴重な対談映像が解禁されました。

『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』でムスリムとして初めてオスカー主演男優賞の候補となったリズ・アーメッドの本作への参加は、セールスカンパニーであるNEONからラスムセン監督に対して英語吹替え版の制作の提案がされたことがきっかけ。アミン役を考えた監督の頭にまず浮かんだのが、アーメッドだったといいます。

映画を鑑賞したアーメッドは、「『FLEE フリー』ほど政治的に有意義で、勇敢であり革新的な映画は稀だ。人間としての経験の核心に迫る、故郷と居場所を描いた奥深い作品だ」と強い感銘を受け、サンダンス映画祭の直前にエグゼクティブ・プロデューサーとして参加。オスカーキャンペーンでも精力的に本作のPRに奔走しました。

リズ・アーメッド(アカデミー賞授賞式にて)Photo by Matt Petit / A.M.P.A.S.

この対談は昨年12月に行われ、対談終了後には、映画と同じようにアミンの安全に配慮して、本作のアニメーションチームによりアニメ化されました。

アーメッドは、「この映画はいろいろなレッテルが貼られており、観客が共感できないと思い込んでしまうような物語にも、その核心には普遍的な人間についてのテーマがあることを思い出させてくれます」と指摘。さらに、「僕にとってはアウトサイダーを描いた映画でもあります。『FLEE フリー』によってこのような物語が語られる場がもっと切り拓かれることを願っています。この映画を観て泣いたり笑ったりしない人はいないと思うからです。それだけ強烈でパワフルな記念碑的な作品と思っています」とアミンに感想を述べています。

アミンは、「難民であるということがどのようなことなのか、リアルに描写されることが僕にとって非常に重要なことで、ヨナス(・ポヘール・ラスムセン監督)ならそれができると思っていました」とコメント。

ラスムセン監督はアミンがデンマークに亡命を果たした直後の16歳の頃からの旧友ですが、アミンが初めてゲイであることをカミングアウトした相手が監督だったことや、失恋した時に側にいてもらったことなど、強い信頼関係を伺わせるエピソードが明かされています。アミンは、「ヨナスは僕を本当によく理解しており、僕もまた彼を信頼しています。いつも頼れる存在だったからこそ、安心して彼に自分の話をすることができた。彼との友情があったから決断できました」と、ラスムセン監督との固い絆について語っています。

ヨナス・ポヘール・ラスムセン監督 Photo by Mike Baker / ©A.M.P.A.S.

アーメッドからは、自身の物語を他者と共有することで得られたものや本作を観た時に感じたことなど様々な問いが投げかけられ、アミンからアーメッドにはサポートに対するお礼や映画にまつわる裏話を語るなど、充実の対談となっています。

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『FLEE フリー』(英題:Flee)

アフガニスタンで生まれ育ったアミンは、幼いある日、父が当局に連行されたまま戻らず、残った家族とともに命がけで祖国を脱出した。やがて家族とも離れ離れになり、数年後たった一人でデンマークへと亡命した彼は、30代半ばとなり研究者として成功を収め、恋人の男性と結婚を果たそうとしていた。だが、彼には恋人にも話していない、20年以上も抱え続けていた秘密があった。あまりに壮絶で心を揺さぶられずにはいられない過酷な半生を、親友である映画監督の前で、彼は静かに語り始める…。

監督/ヨナス・ポヘール・ラスムセン
脚本/ヨナス・ポヘール・ラスムセン、アミン・ナワビ
製作プロダクション/Final Cut for Real
製作総指揮/リズ・アーメッド、ニコライ・コスター=ワルドー
89分/2021年/デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フランス合作/デンマーク語、英語、ダリー語、ロシア語、スウェーデン語/レーティング:未定/日本語字幕:松浦美奈/原題:Flugt

日本公開/2022年6月10日(金)、新宿バルト9、グランドシネマサンシャイン 池袋他全国ロードショー
配給/トランスフォーマー
後援/デンマーク大使館
公式サイト
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