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2022.05.04 13:00

『FLEE フリー』日本版予告編が解禁!

  • Fan's Voice Staff

本年度アカデミー賞にて史上初となる国際長編映画賞、長編ドキュメンタリー賞、長編アニメーション賞の3部門同時ノミネートを成し遂げたドキュメンタリー映画『FLEE フリー』の日本版予告編が解禁されました。

予告編では、主人公アミンが誰にも明かしたことのなかった自身の過去を、長年の親友である映画監督(本作の監督ヨナス・ポヘール・ラスムセン)に対して初めて語り始める様子や、その言葉により回想される幼少期からの過酷な経験、結婚を控えた恋人の男性にさえ過去を話すことができていないという現在の苦悩が切り取られています。一方で、アミンによる「変わるべき時だ」「これが僕の物語の始まりだ」という自身のトラウマと向き合った上で一歩踏み出そうとする強い覚悟も映し出され、未来への希望も感じさせる映像となっています。

映像では、歴代のアカデミー賞監督らによる称賛コメントも紹介。『ROMA ローマ』のアルフォンソ・キュアロン監督は、「人を立ち止まらせ、考えさせる。この映画は愛で出来ているのだ」とコメントを寄せ、『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督は「今年見た映画の中で、最も感動した作品。涙が出た」と絶賛し、2021年のベスト映画の1本にも選出しています。

アミンがデンマークに亡命を果たした直後の16歳の頃からの旧友であるラスムセン監督は、若い頃、好奇心からアミンに過去について尋ねたところ、アミンは何も語ろうとしなかったといいます。それから約20年の時を経て心境の変化もあり、アミンは本作の製作に同意。監督は、アミン本人の声と記憶を通してこれまで誰にも語られなかった彼の物語を聞きたいと考え、その心のペースに寄り添いながら、約4年もの長い時間をかけて断続的にインタビューを敢行しました。

監督は、「ラジオ・ドキュメンタリー制作で長年培ってきたインタビューの手法を用いました。取材対象に、横たわって目を閉じ、かつて目にした光景や匂い、感触を思い出してもらいます。そうすることで、記憶がより強く直接的なものになり、まるで今まさに展開していることのように感じられる」と説明。その上で、“初めて話す”という行為が持つエネルギーを重視し、事前に聞いた内容を改めて語ってもらう“再現”は一切行っていないとのこと。

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『FLEE フリー』(英題:Flee)

アフガニスタンで生まれ育ったアミンは、幼いある日、父が当局に連行されたまま戻らず、残った家族とともに命がけで祖国を脱出した。やがて家族とも離れ離れになり、数年後たった一人でデンマークへと亡命した彼は、30代半ばとなり研究者として成功を収め、恋人の男性と結婚を果たそうとしていた。だが、彼には恋人にも話していない、20年以上も抱え続けていた秘密があった。あまりに壮絶で心を揺さぶられずにはいられない過酷な半生を、親友である映画監督の前で、彼は静かに語り始める…。

監督/ヨナス・ポヘール・ラスムセン
脚本/ヨナス・ポヘール・ラスムセン、アミン・ナワビ
製作プロダクション/Final Cut for Real
製作総指揮/リズ・アーメッド、ニコライ・コスター=ワルドー
89分/2021年/デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フランス合作/デンマーク語、英語、ダリー語、ロシア語、スウェーデン語/レーティング:未定/日本語字幕:松浦美奈/原題:Flugt

日本公開/2022年6月、新宿バルト9、グランドシネマサンシャイン 池袋他全国ロードショー
配給/トランスフォーマー
後援/デンマーク大使館
公式サイト
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