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2022.04.06 8:00

『親愛なる同志たちへ』市民に危機が迫る緊迫の本編シーン映像が解禁!

  • Fan's Voice Staff

ソ連崩壊後の1992年まで30年間に渡り国家に隠蔽されてきた衝撃的な歴史の真実に迫り、第77回ベネチア国際映画祭で審査員特別賞を受賞した巨匠アンドレイ・コンチャロフスキー監督作『親愛なる同志たちへ』の本編シーン映像が解禁されました。

1962年6月1日、ソ連南部ノヴォチェルカッスクの機関車工場でストライキが勃発。「雪どけ」とも称されたフルシチョフが目指した豊かな共産主義統治にも陰りが見え始め、困窮にあえぐ労働者たちが物価の高騰や給与カットに抗議の意思を示したのでした。

解禁された映像では、社会主義国家で大規模なストライキが起こったことに危機感を覚えた政権が、スト鎮静化と情報遮断のために最高幹部を現地に派遣し、約5,000人の市民への銃撃を開始する緊迫のシーンが収められています。

熱心な共産党員で市政委員も務める主人公のリューダ(ユリア・ビソツカヤ)は、18歳の愛娘スヴェッカの身を案じ、凄まじい群衆パニックが巻き起こった広場を駆けずり回ります。三つ編みに青いリボン…スヴェッカはどこにいるのか、すでに銃撃の犠牲者となってしまったのか。長らく忠誠を誓ってきた共産党への疑念に揺れるリューダが、必死の捜索の果てにたどり着いた真実とは──。

『暴走機関車』(85年)、『映写技師は見ていた』(91年)やタルコフスキー作品の共同脚本などで知られる巨匠アンドレイ・コンチャロフスキーは、事件を再現するため徹底して細部にまでこだわり、サスペンスとアクション、そして心理表現を巧みに織り交ぜ、リューダがたどる激動の3日間をスリリングに描出。真実の瓦解が起きたとき、人はどう生きるのか、あるいは生き抜くのか──84歳の巨匠コンチャロフスキーの答えがここにあります。

事件から60年が経つ現在も、ロシアによるウクライナ侵攻、香港やミャンマー、ウイグル地区など問題は絶えず、本作は、この不穏な世界情勢と地続きにある、決して遠い過去の話と言えない重いメッセージをはらんでいます。ソ連解体から30年、まさに「今」観るべき作品です。

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『親愛なる同志たちへ』(英題:Dear Comrades!)

監督・脚本/アンドレイ・コンチャロフスキー
出演:ユリア・ビソツカヤ 、ウラジスラフ・コマロフ、アンドレイ・グセフ
2020年/ロシア/ロシア語/121分/モノクロ/スタンダード/5.1ch/原題:Дорогие товарищи!/日本語字幕:伊藤美穂

日本公開/2022年4月8日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館 ほか全国公開
提供/ニューセレクト
配給/アルバトロス・フィルム
公式サイト
© Produced by Production Center of Andrei Konchalovsky and Andrei Konchalovsky Foundation for support of cinema, scenic and visual arts commissioned by VGTRK, 2020