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2022.03.30 17:00

『カモン カモン』マイク・ミルズ監督がモノクロ映像にこだわった理由とは?新場面写真4点も解禁!

  • Fan's Voice Staff

ホアキン・フェニックス主演のA24製作映画『カモン カモン』の新場面写真4点と、マイク・ミルズ監督がモノクロ映像へのこだわりを語るコメントが到着しました。

ロサンゼルス

NYを拠点に全米各地を取材して回るラジオジャーナリストのジョニー(ホアキン・フェニックス)と、9歳の甥・ジェシー(ウディ・ノーマン)が絆を見出していく姿を描いた感動のヒューマンドラマ。『人生はビギナーズ』『20センチュリー・ウーマン』を手掛けたマイク・ミルズ監督初の全編モノクロ長編作で、どの瞬間を切り取っても美しいモノクロームの映像に目を奪われます。

ロサンゼルス

モノクロへ並々ならぬこだわりがあったミルズ監督。「この映画の物語は、すごくありきたりのことだと思うんだよね。子どもをお風呂に入れて、一緒に寝て、ご飯を食べるというものだからね。だけど白黒にすることで、その日常風景から切り離されて、これは“物語”なんだということをまず提示できると思った」と明かし、「子どもと大人がある場所を歩いていくというイメージが僕の頭の中に浮かんだんだけど、それが神話的かつ、寓話的で、ほとんどクリストファー・ロビンとくまのプーさん的な絵のような映像や、『キッド』(1921年)でのチャーリー・チャップリンと子どもみたいな感じだった。さらにイソップ物語的なイメージが浮かんだんだ」と、着想を語っています。

ニューヨーク

モノクロは生き生きとした表現が可能な手法と考えていたミルズ監督は、ヴィム・ヴェンダース監督『都会のアリス』(74年)を筆頭に、フランソワ・トリュフォー監督『ピアニストを撃て』(59年)、ミロス・フォアマン監督『ブロンドの恋』(65年)、ピーター・ボグダノヴィッチ監督『ペーパー・ムーン』(73年)、エルマンノ・オルミ監督『婚約者たち』(63年)など白黒の名作からのインスパイアを受けたといいます。

撮影を手掛けたのは、『わたしは、ダニエル・ブレイク』など名匠ケン・ローチ監督作の常連で、ヨルゴス・ランティモス監督の『女王陛下のお気に入り』でアカデミー賞撮影賞にノミネートされたロビー・ライアン。様式化された芸術的な映画からリアリズムを追及した作品まで担う、まさに“職人”ともいえる撮影監督です。「主に自然光を使って臨場感を出すことを考えていた」というミルズ監督は、「ロビーはその点で非常に優れている。また、強引にならないように美しく見せる方法についても極めて鋭いセンスを持っている」と、その手腕を絶賛しています。

ニューオーリンズ

デトロイトからロサンゼルス、ニューヨーク、ニューオーリンズへと旅をするロードムービーの側面も持つ本作。ミルズ監督は、「東、西、北、南の各都市が入っているのが気に入った」と語り、ライアンは「モノクロにすることで、さまざまな場所に統一感を持たせることができた。これは、旅全体をひとつにつなぐ感覚だ」「この世界をモノクロで包み込むわけだけど、人間関係や感情よりも映像が勝ってしまわないように、バランスをとることが重要だった」と振り返っています。

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『カモン カモン』(原題:C’mon C’mon)

NYでラジオジャーナリストとして暮らすジョニーは、妹から頼まれ、9歳の甥・ジェシーの面倒を数日間みることに。LAの妹の家で突然始まったジェシーとの共同生活は、戸惑いの連続。好奇心旺盛なジェシーは、ジョニーのぎこちない兄妹関係やいまだ独身でいる理由、自分の父親の病気に関する疑問をストレートに投げかけ、ジョニーを困らせる一方で、ジョニーの仕事や録音機材に興味を示し、二人は次第に距離を縮めていく。仕事のためNYに戻ることになったジョニーは、ジェシーを連れて行くことを決めるが……。

監督・脚本/マイク・ミルズ
出演/ホアキン・フェニックス、ウディ・ノーマン、ギャビー・ホフマン、モリー・ウェブスター、ジャブーキー・ヤング=ホワイト
音楽/アーロン・デスナー、ブライス・デスナー(ザ・ナショナル)
2021年/アメリカ/108分/ビスタ/5.1ch/モノクロ/日本語字幕:松浦美奈

日本公開/2022年4月22日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
配給/ハピネットファントム・スタジオ
公式サイト
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