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2022.03.01 12:30

『選ばなかったみち』主演ハビエル・バルデム誕生日記念!本編シーンが解禁!

  • Fan's Voice Staff

第70回ベルリン映画祭コンペティション部門に選出されたサリー・ポッター監督作『選ばなかったみち』で主演を務めたハビエル・バルデムの誕生日(53歳)を記念し、本編シーンが解禁されました。

本作が描くのは、ニューヨークのアパートにひとりで暮らす父レオ(ハビエル・バルデム)を娘モリー(エル・ファニング)が病院へ連れていくために彼を訪ねる、ある朝から始まる24時間。ひとりでは生活もままならないレオが幻想として見る自身がかつて選ばなかった人生と、モリーが直面する厳しい現実が交錯しながら進んでいきます。

解禁された本編シーンは、幻想と現実の狭間を彷徨い頭を強打して病院に搬送されたレオのもとに、かつての妻でモリーの母であるリタ(ローラ・リニー)が駆けつけた中でのやりとりを捉えたもの。

レオの世話に勤しむモリーを気遣いながらも、「記憶のないフリして私を責めている」など否定的な言葉を繰り返し投げかけるリタを他所に、家族でかつて飼っていた犬との記憶が蘇ったのか、突然大声を上げて泣き出してしまうレオ。やって来た看護師に心ない言葉をかけられ、懸命に明るく父をサポートしながらも度々感じてきた不満を抱えたモリーは、「なぜみんなパパを“彼”って言うの?ここにいるのに」と思わず声を荒げてしまいます。リタは、そんなモリーの言葉に「“いる”と思う?」と問いかけ、レオを抱きしめるのでした。

このシーンは、レオの弱さや繊細さ、頑固さなど多面さを感じさせるバルデムの演技が特に際立つ場面。サリー・ポッター監督は、バルデムとの共同作業を振り返り、「ハビエルは存在感がとても強いので、逆に男性の弱さを探求することが不可欠で、それにより相反する緊迫感を作り上げると考えました。彼独特の資質に脚本を合わせることや、彼の並外れた表情に焦点をあてカメラで捉えることがとても楽しみでした」と振り返っています。

また、このシーンで看護師が発した言葉は、監督がかねてから感じていた強い違和感を投影させたものであるといい、「誰かを個人として尊重しないこのような言い方を、弟や自分の友人に向けられるものとして私は実際に見てきたのです。それは敬意に欠けていると前から感じていたことだったので、“これは書かねばならない”と思っていました」と言葉を強めました。

娘モリーとの関係について、バルデムは、「ある意味、これは父と娘のラブストーリーでもあります。父は娘には捉えることの出来ない世界を彷徨っていますが、次第に娘は彼が見ている世界を理解し、どう付き合っていけばいいのか知るようになるのです」と語っています。

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『選ばなかったみち』(原題:The Roads Not Taken)

監督・脚本/サリー・ポッター
出演/ハビエル・バルデム、エル・ファニング、ローラ・リニー、サルマ・ハエック
2020年/イギリス・アメリカ/英語/86分/カラー/スコープ(シネスコ)/5.1ch/日本語字幕:稲田嵯裕里/G

日本公開/2022年2月25日(金)、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
配給/ショウゲート
公式サイト
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