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2022.02.08 22:49

【ノミネート一覧】第94回アカデミー賞(2022年)

  • Fan's Voice Staff

第94回アカデミー賞のノミネーションが、2月8日(火)に発表されました。

『パワー・オブ・ザ・ドッグ』Photo: Kirsty Griffin/Netflix © 2021

最多ノミネートは、ジェーン・カンピオン監督の『パワー・オブ・ザ・ドッグ』。去年9月に開催された第78回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞(監督賞)を受賞以来、賞レースのフロントランナーとして注目されてきた作品が、順当に最多ノミネートを獲得しました。

ジェーン・カンピオンが監督賞にノミネートされるのは、第66回(1994年)の『ピアノ・レッスン』に続き2度目。同部門に゙複数回ノミネートされた初めての女性監督となりました。『ピアノ・レッスン』では8部門にノミネートされながらも作品賞、監督賞を逃したカンピオンが受賞すれば、女性監督として新たな歴史を作ることになります。これまで配信大手のNetflixに辛い対応をしてきたアカデミー賞が、Netflixオリジナル映画である『パワー・オブ・ザ・ドッグ』に作品賞を与えるのか、注目したいところです。

『パワー・オブ・ザ・ドッグ』で撮影賞にノミネートされたアリ・ウェグナーは、『マッドバウンド 哀しき友情』(17年)のレイチェル・モリソンに続き、同部門にノミネートされた二人目の女性撮影監督となりました。

『ベルファスト』© 2021 Focus Features, LLC.

ほか作品賞候補には、ケネス・ブラナーが監督・脚本を務めた『ベルファスト』をはじめ賞レースを席巻してきた作品が順当に選出されていますが、サーチライトピクチャーズのギレルモ・デル・トロ監督によるスリラー『ナイトメア・アリー』のノミネートはサプライズとなりました。

『ドライブ・マイ・カー』©2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会

非英語映画ながら米国の賞レースで多くの賞を受賞してきた濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』は、国際長編映画賞に加え、作品賞、監督賞、脚色賞の計4部門にノミネートされる快挙。作品賞、脚色賞に日本映画がノミネートされるのは史上初、監督賞ノミネートは第58回(1986年)の黒澤明監督『乱』以来、国際長編映画賞(旧・外国語映画賞)ノミネートは第91回(2019年)是枝裕和監督『万引き家族』以来で、日本映画が複数部門にノミネートされるのは、『乱』以来となります。なお、国際長編映画賞にノミネートされた作品の監督が監督賞にもノミネートされるのは、4年連続となっています。

『Flee』

国際長編映画賞など3部門にノミネートされたヨナス・ポヘール・ラスムセン監督によるデンマーク代表作『Flee』は、アニメーション作品として初めて長編ドキュメンタリー賞にノミネートされたと同時に、ドキュメンタリーとして長編アニメーション賞にノミネートされた史上初の作品となりました。『Flee』は、2020年のカンヌ国際映画祭のオフィシャル・セレクションに選出されて以来、高い評価を得ています。

また国際長編映画賞では、アカデミー賞の常連であるイランのアスガー・ファルハディ監督の、第74回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した『英雄の証明』が落選。代わって、同映画祭で女優賞(レナーテ・レインスヴェ)を受賞したノルウェー代表のヨアキム・トリアー監督『The Worst Person in the World』が滑り込みました。第78回ベネチア国際映画祭のオープニングを飾ったペドロ・アルモドバル監督の『Parallel Mothers』は、スペイン代表には選出されませんでしたが、主演女優賞(ペネロペ・クルス)と作曲賞でノミネート入りを果たしました。

『ドリームプラン』© 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

俳優部門では、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のベネディクト・カンバーバッチと『ドリームプラン』のウィル・スミスが主演男優賞にノミネートされ、キャリア最高の演技と絶賛された二人の一騎打ちに。主演女優賞は、SAG賞(全米映画俳優組合賞)でまさかの落選となった『スペンサー』のクリステン・スチュワートがノミネート入りした一方で、『ハウス・オブ・グッチ』での演技が高く評価され当確と思われていたレディー・ガガが外れる結果となりました。

助演男優賞には『コーダ あいのうた』のトロイ・コッツァーが男性のろう者俳優として史上初のノミネート入りを果たし、助演女優賞には『ウエスト・サイド・ストーリー』のアリアナ・デボーズと、それぞれ最有力候補が順当にノミネートされています。

『コーダ あいのうた』© 2020 VENDOME PICTURES LLC, PATHE FILMS

以下、ノミネート一覧です。

上位作品

12ノミネート
パワー・オブ・ザ・ドッグ』ジェーン・カンピオン監督(Netflix)

10ノミネート
DUNE/デューン 砂の惑星』ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督(ワーナー・ブラザース)

7ノミネート
ベルファスト』ケネス・ブラナー監督(フォーカス・フィーチャーズ)
ウエスト・サイド・ストーリー』スティーブン・スピルバーグ監督(ウォルト・ディズニー)

6ノミネート
ドリームプラン』レイナルド・マーカス・グリーン監督(ワーナー・ブラザース)

4ノミネート
ドント・ルック・アップ』アダム・マッケイ監督(Netflix)
ドライブ・マイ・カー』濱口竜介監督(ビターズ・エンド)
ナイトメア・アリー』ギレルモ・デル・トロ監督(サーチライト・ピクチャーズ)

作品賞

ベルファスト』ケネス・ブラナー監督
コーダ あいのうた』シアン・ヘダー監督
ドント・ルック・アップ』アダム・マッケイ監督
ドライブ・マイ・カー』濱口竜介監督
DUNE/デューン 砂の惑星』ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督
ドリームプラン』レイナルド・マーカス・グリーン監督
リコリス・ピザ』ポール・トーマス・アンダーソン監督
ナイトメア・アリー』ギレルモ・デル・トロ監督
パワー・オブ・ザ・ドッグ』ジェーン・カンピオン監督
ウエスト・サイド・ストーリー』スティーブン・スピルバーグ監督

監督賞

ケネス・ブラナー『ベルファスト』
濱口竜介『ドライブ・マイ・カー』
ポール・トーマス・アンダーソン『リコリス・ピザ』
ジェーン・カンピオン『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
スティーブン・スピルバーグ『ウエスト・サイド・ストーリー』

主演男優賞

ハビエル・バルデム『愛すべき夫妻の秘密』
ベネディクト・カンバーバッチ『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
アンドリュー・ガーフィールド『tick, tick… BOOM! : チック、チック…ブーン!』
ウィル・スミス『ドリームプラン』
デンゼル・ワシントン『マクベス』

主演女優賞

ジェシカ・チャステイン『タミー・フェイの瞳』
オリヴィア・コールマン 『ロスト・ドーター』
ペネロペ・クルス『Parallel Mothers』
ニコール・キッドマン『愛すべき夫妻の秘密』
クリステン・スチュワート『スペンサー ダイアナの決意』

助演男優賞

キアラン・ハインズ『ベルファスト』
トロイ・コッツァー『コーダ あいのうた』
ジェシー・プレモンス『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
J・K・シモンズ『愛すべき夫妻の秘密』
コディ・スミット=マクフィー『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

助演女優賞

ジェシー・バックリー『ロスト・ドーター』
アリアナ・デボーズ『ウエスト・サイド・ストーリー』
ジュディ・デンチ『ベルファスト』
キルスティン・ダンスト『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
アーンジャニュー・エリス『ドリームプラン』

脚色賞

シアン・ヘダー『コーダ あいのうた』
濱口竜介、大江崇允『ドライブ・マイ・カー』
ジョン・スペイツ、ドゥニ・ヴィルヌーヴ、エリック・ロス『DUNE/デューン 砂の惑星』
マギー・ジレンホール『ロスト・ドーター』
ジェーン・カンピオン『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

脚本賞

ケネス・ブラナー『ベルファスト』
アダム・マッケイ『ドント・ルック・アップ』
ザック・ベイリン『ドリームプラン』
ポール・トーマス・アンダーソン『リコリス・ピザ』
エスキル・フォクト、ヨアキム・トリアー『The Worst Person in the World』

国際長編映画賞

『ドライブ・マイ・カー』(日本)
『Flee』(デンマーク)
『The Hand of God』(イタリア)
『ブータン 山の教室』(ブータン)
『The Worst Person in the World』(ノルウェー)

撮影賞

『DUNE/デューン 砂の惑星』
『ナイトメア・アリー』
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
『マクベス』
『ウエスト・サイド・ストーリー』

衣装デザイン賞

『クルエラ』
『シラノ』
『DUNE/デューン 砂の惑星』
『ナイトメア・アリー』
『ウエスト・サイド・ストーリー』

編集賞

『ドント・ルック・アップ』
『DUNE/デューン 砂の惑星』
『ドリームプラン』
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
『tick, tick… BOOM! : チック、チック…ブーン!』

メイクアップ&ヘアスタイリング賞

『星の王子ニューヨークへ行く2』
『クルエラ』
『DUNE/デューン 砂の惑星』
『タミー・フェイの瞳』
『ハウス・オブ・グッチ』

作曲賞

『ドント・ルック・アップ』
『DUNE/デューン 砂の惑星』
『ミラベルと魔法だらけの家』
『Parallel Mothers』
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

歌曲賞

“Be Alive”『ドリームプラン』
“Dos Oruguitas” 『ミラベルと魔法だらけの家』
“Down to Joy”『ベルファスト』
“No Time To Die”『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』
“Somehow You Do”『Four Good Days』

音響賞

『ベルファスト』
『DUNE/デューン 砂の惑星』
『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
『ウエスト・サイド・ストーリー』

美術賞

『DUNE/デューン 砂の惑星』
『ナイトメア・アリー』
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
『マクベス』
『ウエスト・サイド・ストーリー』

視覚効果賞

『DUNE/デューン 砂の惑星』
『フリー・ガイ』
『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』
『シャン・チー/テン・リングスの伝説』
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』

長編アニメーション賞

『ミラベルと魔法だらけの家』
『Flee』
『あの夏のルカ』
『ミッチェル家とマシンの反乱』
『ラーヤと龍の王国』

長編ドキュメンタリー賞

『Ascension』
『Attica』
『Flee』
『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』
『燃え上がる記者たち』

短編実写映画賞

『Ala Kachuu – Take and Run』
『The Dress』
『The Long Goodbye』
『On My Mind』
『Please Hold』

短編アニメーション賞

『Affairs of the Art』
『Bestia』
『ボクシングバレー』
『ことりのロビン』
『The Windshield Wiper』

短編ドキュメンタリー賞

『オーディブル: 鼓動を響かせて』
『私の帰る場所』
『The Queen of Basketball』
『ベナジルに捧げる3つの歌』
『When We Were Bullies』

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