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2021.11.18 11:00

カンヌ選出の青春映画『GAGARINE/ガガーリン』2022年2月25日公開決定!

  • Fan's Voice Staff

第73回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクションの初監督作部門に選出された青春映画『Gagarine』が、邦題を『GAGARINE/ガガーリン』として2022年2月25日(金)に日本公開されることが決定しました。

舞台はフランス・パリ郊外に実在する、「地球は青かった」の言葉で有名な宇宙飛行士ガガーリンの名に由来するガガーリン公営住宅。16才のユーリは、この赤レンガの大規模な団地の名前に導かれるかのように宇宙飛行士を夢見つつ、かつて自分を置いていった母の帰りを待ち続けていました。そんな中、2024年パリ五輪開催のため老朽化したガガーリン団地の解体計画が持ち上がり、ユーリは母との大切な思い出が詰まったこの場所を守るため、友だちのフサームとディアナと一緒に取り壊しを阻止するために動き出します。

自由を愛する少女ディアナとの初恋、親友フサームとのかけがえのない友情により、少しずつ成長していくユーリ。ところが、間もなく取り壊されるガガーリン団地と呼応するかのように、ユーリも自分の“世界”の喪失と再生に葛藤します。募るユーリの思いはどこへ向かうのか──。

監督は、本作が長編デビューとなるファニー・リアタール&ジェレミー・トルイユの男女2人組。団地が建設された1960年代当時の時代背景やそのインパクトのある外観、ロシアの宇宙飛行士ユーリ・ガガーリンから名づけられている事に興味を持ったことが制作の経緯と語っています。

「ガガーリン団地は貧しい人々が住む極地的なエリアだ。メディアはこの地域の治安の悪さばかりを取り上げる。フランスでは、本作のような映画を<Film de banlieue>(郊外の映画)と呼び、その映画に描かれているもの全てについて、ある種の新しいジャンルであるかのように言う。しかし、それは違うと思っている。そこには様々な語られるべきストーリーがある。たまたま貧しい古い建物が立ち並ぶエリアに住んでいるだけなのだ」「団地に住む子どもたちの中には、外界と交流をしたがらない子もいるが、本作の主人公のユーリにとって、団地は宇宙船で、宇宙船から外に出れば自由になれる、息が出来ると思っている、ただ団地は彼の母のお腹の中と同じ。なかなか外に出る勇気が持てない。(団地を)そういう存在として描いた」

主演は、本作で見出されたアルセニ・バティリ。スクリーンデビューとは思えない程の高い演技力で主人公の揺れる心情を体現し、第17回セビリヤ・ヨーロッパ映画祭ほか各国の映画祭にて主演男優賞を受賞。他キャストには、『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』でティモシー・シャラメと共演した注目の若手リナ・クードリ、さらにレオス・カラックス作品の常連ドニ・ラヴァンが特別出演しています。

解体前のガガーリン団地で実際に撮影を行い、ノスタルジックで幻想的な映像美の中に、繊細な若者の心の機微を見事に映し出した本作。第73回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクションの初監督作部門に選出され、第93回アカデミー賞国際長編映画賞フランス代表の最終選考まで突破しました。

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『GAGARINE/ガガーリン』(原題:Gagarine)

パリ東郊に位置する赤レンガの大規模公営住宅“ガガーリン”。この場所で育った16歳のユーリは部屋の天体望遠鏡から空を観察し、宇宙飛行士になることを夢見ていた。老朽化と24年パリ五輪の為に取り壊す計画が上がった団地では、次々と住人の退去が進むが、ユーリは帰らぬ母との大切な思い出が詰まったこの場所を守るため、友だちのフサームとディアナと一緒に取り壊しを阻止しようと動き出す──。自由で明るいディアナに恋心を抱き、親友フサームとのふれ合う中で、不器用ながらも少しずつ成長していくユーリ。消えゆく世界に留まりたい、団地から抜け出して夢を追いかけたい気持ちとの間で揺れるユーリは、団地解体の刻が迫るなか、空っぽになった無人の住宅を大好きな宇宙船に改造して守る事を決意する。

監督/ファニー・リアタール&ジェレミー・トルイユ
出演/アルセニ・バティリ、リナ・クードリ、ジャミル・マクレイヴン、ドニ・ラヴァンほか
2020/フランス/95分/カラー/シネスコ/5.1ch/フランス語/映倫:G

日本公開/2022年2月25日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー!
配給/ツイン
公式サイト
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