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2021.11.04 17:00

巨匠タル・ベーラ監督の初期3作品を日本初公開「タル・ベーラ 伝説前夜」予告編が解禁!

  • Fan's Voice Staff

巨匠タル・ベーラ監督が初期に手がけた日本初公開となる3作品が4Kデジタル・レストア版で一挙上映される「タル・ベーラ 伝説前夜」の予告編が解禁されました。

予告編では、7時間18分の伝説的な『サタンタンゴ』以前の足跡をたどる上映3作品が紹介されています。

上映されるのは、脚本にクラスナホルカイ・ラースロー、音楽にヴィーグ・ミハーイが揃い”タル・ベーラ スタイル”が確立された記念碑的作品『ダムネーション/天罰』、ジョン・カサヴェテスやケン・ローチの作品を想起させるドキュメンタリー・スタイルで手がけたデビュー作『ファミリー・ネスト』、希少なカラー作品であり監督自ら「本当の人々の姿を撮りたかった」と語る『アウトサイダー』。

一見異なるようにみえる作品群ですが、社会に生きる人々の姿を凝視し、映像に捉える姿勢は、タル・ベーラのフィルモグラフィに一貫する共通項の萌芽を感じとることができます。ジム・ジャームッシュやアピチャッポン・ウィーラセタクンなどの映画作家に影響を与えてきたタル・ベーラ監督が、“いかにして唯一無二の映画作家になったのか”、劇場で確かめる貴重な機会となります。

「タル・ベーラ 伝説前夜」作品情報

『ダムネーション/天罰』

『サタンタンゴ』原作者であり、本作以降すべての作品で共同作業を行う作家クラスナホルカイ・ラースローがはじめて脚本を手がけた。さらに「秋の暦」から音楽を手がけるヴィーグ・ミハーイが本作にも携わり、”タル・ベーラ スタイル”が確立された記念碑的作品。罪に絡めとられていく人々の姿を「映画史上最も素晴らしいモノクロームショット」(Village Voice)で捉えている。
1988年/121分/モノクロ

『ファミリー・ネスト』

わずか22歳で手がけた鮮烈な監督デビュー作。住宅難のブダペストで夫の両親と同居する若い夫婦の姿を、16ミリカメラを用いてドキュメンタリータッチで撮影した。不法占拠している労働者を追い立てる警察官の暴力を撮影して逮捕されたタル・ベーラ自身の経験を基にしている。ハンガリー批評家賞の新人監督賞、さらにマンハイム国際映画祭でグランプリを獲得した。
1977年/105分/モノクロ

『アウトサイダー』

ブダペストの映画芸術アカデミーに在籍中に製作された長編2作目。社会に適合できないミュージシャンの姿を描いた、珍しいカラー作品。タル・ベーラは本作に対し、「当時のハンガリー映画に映っているのは嘘ばかりだった。本当の人々の姿を撮りたかった。これは映画に対するアンチテーゼだ」と語っている。
1981年/128分/カラー

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監督・脚本/タル・ベーラ
脚本/クラスナホルカイ・ラースロー (『ダムネーション/天罰』) 
撮影監督/メドヴィジ・ガーボル(『ダムネーション/天罰』)
音楽/ヴィーグ・ミハーイ(『ダムネーション/天罰』)
編集/フラニツキー・アーグネシュ(『アウトサイダー』『ダムネーション/天罰』)

2022年1月29日(土)よりシアター・イメージフォーラムほかにて一挙公開!
配給/ビターズ・エンド