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2021.10.06 15:00

『MONOS 猿と呼ばれし者たち』新場面写真6点&著名人14名からの称賛コメントが到着!

  • Fan's Voice Staff

第92回アカデミー賞国際長編映画賞コロンビア代表に選出された衝撃のサバイバル・オデッセイ『MONOS 猿と呼ばれし者たち』の新場面写真6点と、著名人14名からの称賛コメントが到着しました。

世間から隔絶された山岳地帯で暮らす、“モノス”と呼ばれる8人の若者たち。ゲリラ組織の一員としてアメリカ人女性の監視と世話を担っていますが、ある日、組織の支援者から貸与された大切な牛を仲間の一人が誤って銃殺してしまい、それまで平穏だったモノスたちの間に不穏な空気が流れだします──。

2016年に和平協定が結ばれるまで50年以上続いた南米コロンビアの内戦を下敷きにした本作。今も繰り返される暴力による支配という現実と、少年少女兵の思春期のゆらめきや葛藤、炙り出される人間の本質を重ね合わせ、時に幻想的に、時に生々しく描きました。その衝撃は世界中の映画祭でも注目を浴び、アメリカでは新進気鋭の映画会社NEON配給のもと劇場公開されました。

解禁された場面写真では、モノスに監視される人質を演じたジュリアンヌ・ニコルソン、仲間に対し次第に支配的になっていくビッグフットを演じたモイセス・アリアスやモノスたちの凄まじい表情や、雲海を見下ろす山頂、鬱蒼としたジャングルの神々しい大自然が切り取られています。

以下、到着したコメントです(順不同/敬称略)。

世武裕子(映画音楽作曲家/演奏家)
『ディア・ハンター』『地獄の黙示録』を初めて観た時のように、
とにかく圧倒され、魅了され、しばらく呆然自失した。
映画の長い歴史において、未だこんな新鮮な印象と衝撃を与えられる作品が生み出されることに、深く感動する。
登場人物たちの生き死を操っている神(あるいは悪魔)のようなカメラワークや音楽も、存分に堪能して欲しい。

小島秀夫(ゲームクリエイター)
これはコロンビア内戦の「闇の奥」で孵化した現代版「蝿の王」だ。
タガを外された若者たちの暴走が、狂気を伝播し、暴力の濁流を生む。
それは、奔放であり、無邪気でもある。
恐怖が豚(ヒト)の首にたかり、異形の猿(モノス)に貶める異質な蝟集音。
美しくも残酷なその羽音はミカレヴィによってさらに増幅される。
映画が終わっても、その羽音は消えない。

古舘寛治(俳優)
映画でよかった。こんなところじゃオレは真っ先に死ぬだろう。
地獄はこの世にある。それを体験するフィクション。
ああ、フィクションでよかったよ。そして日本がまだ平和でよかった。
平和を失いたくないと強く思いました。

丸山ゴンザレス(ジャーナリスト)
子供を兵士として育成することは残酷だ。
自意識を奪い、自ら判断を下せないが戦闘力は高い忠実な獣を作り出すためだ。
この悲惨な現実はいまだに世界を蝕んでいる。
本作はフィクションでありながら、ガチすぎる世界の闇を突きつけてくる。

安田菜津紀(NPO法人Dialogue for People副代表/フォトジャーナリスト)
彼ら、彼女たちは何のために闘うのか、その「大義」を誰も口にしなかった。
ここにたどり着くまでに何があったのか、身の上を語る者もいなかった。
それは、なぜなのか。この映画は強烈に問いかける。

伊藤詩織(映像ジャーナリスト)
生きのびる為に「組織」になり、家族を守る為に「組織」は家族になる。そして「組織」に殺される。どこかで聞き覚えのあるストーリーではないだろうか。そして見覚えのあるその瞳が頭から離れなくなってしまう映画だ。

上出遼平(テレビ東京・ディレクター)
焦りを覚える。彼らが見せる暴力性こそ人間を基礎付けるのではないか。
であるならば、私たちはこの社会に調教されきって、根源的な人間性に蓋をしてしまっているのではないか。
そう思うほど、猿と呼ばれた少年少女は生臭くて美しかった。悲しいけれど。

荘子it(Dos Monos)
サピエンスとモノスの間の焦点の喪失。像を結ばず立ち消えるエネルギーの蕩尽。
欧州からアフリカへ渡った“Rimbaud”、ヴェトナムからアメリカへ帰還した“Rambo”、そして猿の群れから人里へ下りる“Rambo”。
彼岸を焼き付けた新たなランボーの眼が此岸に持ち込まれる。

オカモトコウキ(OKAMOTO’S)
残酷なまでに美しい景色の中で繰り返される無情な生存競争。
見たこともない景色を描いた今作は、
どこまでも忘れられないインパクトをあなたの心に残すだろう。

Ed TSUWAKI(イラストレーター)
ミカ・レヴィによる、間を雄弁に操った
音像がとても素晴らしかった。
高地の空気の薄さと隔絶された生命たち、
密林の濃密な湿度に潜む得体知れぬ気配、
そのいずれもシャーマニックに鳴らした
彼女の映画音楽にこれからも注目したい。

落合宏理(ファッションデザイナー)
この計算され尽くされた、カオスの重なりの表現が
途方もなく強く鈍い美しさとして映し出され圧倒されました。
ファッションデザイナーとしてこれ程までに素晴らしい衣装に驚きを感じます。
この映画はモードだと思う。

真鍋祐子(東京大学 教授)
鮮烈で幻想的な映像の中に、底知れぬ絶望をはらんだ二つのブラックホールを見る。
外界から途絶され、名もなき兵士たちを蟻のように吞み込むジャングルの圧倒的峻険さと、
組織から遮断され、絶望のジャングルで繰り広げられる暴力の連鎖。
この二つのブラックホールをすり抜けた者の存在に、微かな希望が兆して見えた。

ピーター・バラカン(ブロードキャスター)
無邪気に遊んでいるかと思うと次の瞬間に銃を構えてどう猛な眼差しになる少年少女のゲリラ兵たち。人格の破綻は年齢には関係ない。最後まで一瞬も目を離せない地獄の世界です。

門間雄介(ライター、編集者)
野蛮で原始的な、この狂気の世界は、現実から生まれている。
理性や常識の外側にあるのではなく、実は人間の内側にあるのかもしれない。
そう示唆するところに、本作の鋭い見識がある。

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『MONOS 猿と呼ばれし者たち』(原題:Monos)

監督・脚本・製作/アレハンドロ・ランデス
脚本/アレクシス・ドス・サントス
撮影/ヤスペル・ウルフ
編集/ヨルゴス・モヴロプサリディス
音楽/ミカ・レヴィ
出演/モイセス・アリアス、ジュリアンヌ・ニコルソン
2019年/コロンビア=アルゼンチン=オランダ=ドイツ=スウェーデン=ウルグアイ=スイス=デンマーク/スペイン語・英語/シネスコ/5.1ch/102分/字幕翻訳:平井かおり

日本公開/2021年10月30日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー
提供/ザジフィルムズ、インターフィルム
配給/ザジフィルムズ
協力/ラテンビート映画祭
公式サイト
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