Column

2021.07.02 22:00

【単独インタビュー】『トゥモロー・ウォー』イヴォンヌ・ストラホフスキー

  • Mitsuo

現在と2051年の未来を舞台に、地球を脅かす未知のエイリアンとの戦争をクリス・プラット主演で描いたSFアクション『トゥモロー・ウォー』の配信が、Amazon Prime Videoにてスタートしました。

ある日、2051年からタイムトラベラーが突然現れ、30年後に人類は恐ろしい未知の生物と戦うことになり、世界はその戦争に負けるという衝撃的な内容を伝えます。生き残るための唯一の希望は、現代を生きる人々を未来に送り、戦いに参加させること。元軍人で現在は高校教師のダン・フォレスター(クリス・プラット)は、未来での戦いに参加する一人として徴兵され、まだ幼い娘のために世界を救おうと決心。地球の運命を書き直すための戦いに出発します──。

ダンが未来で出会う軍大佐兼優秀な科学者のミューリを演じるのは、オーストラリア出身のイヴォンヌ・ストラホフスキー。人気テレビシリーズ『CHUCK/チャック』(07年〜12年)の主人公を守るCIAエージェントのサラ・ウォーカー役で注目を集め、『24 -TWENTY FOUR- リブ・アナザー・デイ』(14年)でもメインキャストに参加。『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』(17年〜)のセリーナ役ではゴールデン・グローブ賞、プライムタイム・エミー賞にノミネートされるなど、アクションからドラマまで、多岐にわたる作品で高い演技力を発揮しています。

配信開始に先立ち、イヴォンヌ・ストラホフスキーがオンラインインタビューに応じてくれました。

──本作にはアクションとドラマが織り交ぜられていて、その両方においてあなたは演技の経験があるわけですが、このプロジェクトに興味を惹かれた理由は?
その両方の面があったことが、まず魅力的でしたね。脚本も、読みながらどんどん次のページをめくりたくなる、本当にワクワクするものでした。また私が演じたキャラクターはとても強い女性で、身体能力も高く、また聡明な科学者として、エイリアンの襲来を前に人類の未来を救うミッションも課されています。この役には、非常にエモーショナルな物語も、クリスが演じる主人公との素晴らしい関係性もあって、”これだ”と思うところがたくさんありましたね。

──今回あなたが演じるミュリには、クリス・プラット演じるダンを死なせないというミッションもありますが、その点では、『CHUCK/チャック』であなたが演じた役と似ていますね。その頃の経験を参考にした部分はありますか?
確実に共通する部分ですが、そのように考えたことは今までありませんでしたね(笑)。撮影の時にサラのことは全く考えませんでしたが、この映画で、『CHUCK/チャック』や『24』に出演した時のことは確かに思い出させられました。どちらも非常にアクションが多い作品で、それ以降はスタントのある役にほとんど関わっていませんでしたから。今回、身体をよく動かす役柄に戻り、武器の使い方を再び学んだりすることが出来たのは、本当に楽しかったですね。以前は使ったことのない武器もたくさん使ったので、その点では新たな挑戦になりましたし。

──この映画の根底には親子の関係や、子のために最大限の努力をするといったテーマがありますが、この点には共感しましたか?
はい、もちろん。私自身が母親なので、その点には完全に共感しましたし、本作の非常に大切な部分でもあると思います。このようなアクション大作を観て、これほど共感を呼ぶ家族のテーマがあるのは、予想外に思う方もいるかもしれません。でも、“愛する大切な人のためなら何でもする”という考えが物語を牽引するエッセンスになっている映画は数多くありますし、大勢の人が共感できる点だと思います。そうした意味で、この映画は観客の想定外のところで感情を動かし、涙を誘うものになっていると思います。

──今回の役に向けて、身体面とそうでない部分での準備はそれぞれどのようなことを行ったのですか?
フィジカル面では、もっと準備しておくべきでしたね(笑)。撮影では本当にたくさんのアクションがあって、たくさん走ったので…。準備としては、武器の使用に慣れるため、二日間の軍事訓練に参加しました。キャストの中には、訓練を受けた上で武器の使い方がわからないように演技しなければならない方も何人もいましたがね。準備段階では身体トレーニングを中心に行い、残りは撮影現場で日々積み重ねていきました。

──陽気でフレンドリーなクリス・プラットと一緒に仕事をしてみて、いかがでしたか?
とても素晴らしかったです。クリスは人とすぐに仲良くなれる、本当に楽しくて素敵な人で、協力的でした。それから彼は本作のエグゼクティブ・プロデューサーも務めているので、彼にとっては非常に入れ込んだ、大事な作品だったと思います。また彼自身も父親ですので、本作の物語も、大きな意味を持つものだったと思います。

また今回は、アクションのない非常にエモーショナルなシーンもありました。このようなアクション大作で、クリスや監督とそうしたシーンを撮ることになるのは、私自身にとって予想外だったところもあります。今回ご一緒できて本当に楽しかったし、クリスはとても心の広い俳優だったことが、スクリーン上で私たちの関係を表現するのを後押ししてくれたと思います。

──撮影現場での様子は?
そうですね、例えば丘を駆け上るシーンがあったりすると、彼はウォーミングアップをし始めるのですが、私にも同じことさせようとするんです。一緒にスタージャンプをしたり、ストレッチしたり。クリスが声をかけてくれなければ、私はそんなことをしていなかったと思います(笑)。でも楽しかったので、一緒にやりました。

──クリスもあなたも、アクションの経験は豊富にありますが、“これなら自分は負けない”といったことはありましたか?
アクションにおいては彼の方が経験があると思うので、私の方が上手だったとは言えませんが(笑)、彼は私のスタントが良かったと思ってくれたようで、とても嬉しく思っています。私から見て彼が本当にすごいと思ったのは、実際にはその場にいないエイリアンを相手に戦うのが上手だったことですね。

──『ジュラシック・ワールド』や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』で、クリスはいろいろな生物を“相手”に戦い慣れていますからね(笑)。
本当に、その通りです(笑)。

撮影現場でのクリス・プラットとクリス・マッケイ監督(右)

──今後もアクション映画に出演していきたいとお考えですか?
今回こうしてアクション大作に出演できたのは本当に楽しかったです。もちろんこの作品が私にとって最後のアクションにしたくないとは思っていますが、私は変化が好きなので、今度はもっとドラマ寄りの、また違ったものに挑戦したく思っています。そうすることで、自身の興味を保ち続けることができますから。でもアクションの世界にも、また違った形で戻りたいと思っています。

──今まで演じたことのない役で挑戦してみたいものは?
学校に通っていた頃に特に興味があったのは、イギリスの古典やシェイクスピアの舞台でした。大人になった今、そうしたクラシックな作品を演じるのはとても面白そうなので、舞台であれテレビであれ映画であれ、ぜひ参加してみたいと思っています。

──今後一緒に仕事をしてみたい監督などはいらっしゃいますか?
大勢いるのですが、あまり考えないようにしています。本当に長い長いリストになってしまって、それだけの夢を叶えるのに絶対に時間が足りなくなってしまいますからね。これまで一緒に仕事をしてきた方々と出会えて本当にラッキーだと思っていますし、今作でも、クリス・マッケイと仕事ができたのは、本当に幸運でした。彼はアニメーション畑の出身で(※『レゴバットマン ザ・ムービー』など)、その分野では本当に秀でた才能の持ち主ですが、今作でも、キャラクターの本当に細かいところにまで注意を払ってて、そうした点で本作と親和性もあるし、監督として彼を特徴づけるものだったと思います。

──あなたが出演する『CHUCK/チャック』や『24』は日本でも人気のあるシリーズです。日本のファンに向けて、メッセージをお願いできますか?
私は本当に楽しみながらこの映画を作ることができたので、皆さんにも同じくらい楽しんでもらえたらと思います。きっと大きな笑顔と元気を届けることのできる映画だと思いますし、気に入ってもらえると嬉しいです。それから、以前から私のことを応援してくださっている方々は、私にとっての大きな支えですし、感謝を伝えたいと思います。ありがとうございます。

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『トゥモロー・ウォー』(原題:The Tomorrow War)

キャスト/クリス・プラット、イヴォンヌ・ストラホフスキー、ベティ・ギルピン、サム・リチャードソン、エドウィン・ホッジ、J・K・シモンズ ほか
監督/クリス・マッケイ
脚本/ザック・ディーン
プロデューサー/デヴィッド・エリソン、ダナ・ゴールドバーグ、ドン・グレンジャー、ジュールス・デイリー、デヴィッド・ゴイヤー、アダム・コルブレナー
エグゼクティブプロデューサー/ロブ・コーワン、クリス・プラット、ブライアン・オリバー、ブラッドリー・J・フィッシャー
共同製作者/サマンサ・ニセンボイム

2021年7月2日(金)Amazon Prime Videoにて独占配信予定
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