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2021.05.13 12:00

須藤蓮 主演・初監督『逆光』7月17日より公開決定!場面写真が初解禁

  • Fan's Voice Staff

『ジョゼと虎と魚たち』やNHK朝ドラの『カーネーション』の脚本を手掛けた渡辺あやと、若手俳優の須藤蓮が企画した映画『逆光』が7月17日(土)より撮影地の尾道にて先行公開されることが決定!場面写真2点が初解禁されました。

渡辺が脚本を担当した「ワンダーウォール」で二人は知り合い、この作品で尾道を訪れたことがきっかけになり着想され、渡辺がオリジナル脚本を書き下ろし、須藤が自ら監督を手掛ける完全な自主企画映画として制作されました。

純愛映画の名手・渡辺あやが紡ぎだした、真夏の尾道を舞台に二人の青年の情愛を描く官能的な物語。その文学的で美しい物語を、その才能に惚れ込んだ渡辺が弱冠24歳の須藤蓮に託し、驚きの美意識と感性で見事に映画へと結実させました。

故郷尾道に帰省してきた主人公・晃を監督の須藤蓮が演じ、晃が憧れる大学の先輩・吉岡役を、『ワンダーウォール』『花束みたいな恋をした』の新進気鋭の中崎敏が務めています。

共演陣には、舞台や映画「リバーズ・エッジ」などで堅実なバイプレイヤーとして活躍する富山えり子に、オーディションで見出され今回が初の本格的な演技となる木越明(きごしあき)が映画界の新たな逸材として瑞々しい魅力を放ちます。

音楽を手掛けるのは、朝ドラ『あまちゃん』や、大ヒット映画『花束みたいな恋をした』など数々の映画音楽を手がける大友良英。さらに、渡辺とともに須藤蓮の才能に惚れ込んだ『浅田家』『ナラタージュ』といった良質な話題作を次々と手掛ける小川真司が、エグゼクティブプロデューサーとして『ジョゼと虎と魚たち』『メゾン・ド・ヒミコ』以来のタッグを組みました。

以下、コメントが到着しています。

須藤蓮(監督・主演)
この度、初めて映画を撮りました。企画の立ち上げからお金の計算まで、全て自分達でやるんだ!と意気込んで始めたものの、まさに「言うは易し、行うは難し」、その大変さは想像をはるかに上回るものでした。正直なめてました。
一方で、ただただ自分の感覚と仲間たちの才能を信じながら突き進んできたこの数ヶ月、鬱屈していたエネルギーがぐるぐると循環し、満身創痍になりつつも物を作る喜びを噛み締めた時間は、まさに青春そのものでした。僕は自他共に認めるお喋り男なのですが、いざ作品について説明を求められると急に一つとして言葉が出てこなくなることに、自分でびっくりしています。なぜ、このあらすじなのか、時代設定なのか、カメラワークなのか、そもそもなぜ尾道で撮ったのか。どんな質問にも「どうしてもそうしたかったから」としか答えようがなく、それはちょうど恋心を説明できないようなものなのかもしれないと思っています。
言葉にならない僕の宝物、「逆光」をぜひ劇場で観ていただけたら嬉しいです。

中崎敏(出演)
この作品のイン前、監督須藤蓮は「衣装、ロケ地、撮り方全部 最高のものを用意してあるので絶対に魅力的に撮ります」と力強く言ってくれました。その真っ直ぐな目と愚直なまでの行動力は疑念を生む一切の隙を許さず、自分のみならず周りを惹きつけて更にポテンシャルを高めました。その言葉通り、細部までこだわり抜いた絵作りは画面に映る全てのものに光を当てその物の持つ生来の輝きを何倍にも膨らませます。大人になるにつれて陰の部分に物事の本質を見るようになりがちでしたが、それは光の当たる部分に魅せられているという大前提があってこそというのを思い出させてくれました。須藤蓮の初監督作品、 五感をフルに使ってお楽しみください。

渡辺あや(企画・脚本)
一度でいいから、どこからの依頼でもなくなんの企画会議も通さず、ただ純粋に「作りたい」という理由で作品を作ってみたいものだと思いながら、そんな自由は叶わぬ夢だと長らく諦めていました。
ところが去年、突如「よし、そういうのを作るぞ」と思いたったのは、やはり緊急事態宣言下という、あらゆる仕事が吹っ飛び、日常がすべて崩壊したような時間の中で、それはかつてなく切実な、作家としての生存本能のような衝動だったと思います。
そうして須藤蓮監督とお互いの持続化給付金を持ちよって、若い役者やスタッフたちに声をかけ、ただ「自分たちが作りたいものを作る」ことを唯一のルールとして、この世に生まれてきたのがこの「逆光」です。
闇の中にみずから土を持ち上げて芽吹く緑が時々底知れぬ力を見せてくれるように、本作もその完成に至るまでの過程の中で、びっくりするような希望の景色を私にたくさん見せてくれました。
本作のそんな生命力が、これから誰かの心に「生きたまま届く」ことを夢みて、ワクワクしております。

小川真司(エグゼクティブプロデューサー)
「逆光」のラッシュを初めて見たときの印象は鮮烈だった。正直、須藤蓮がここまでちゃんと監督できるとは想像してなかったので、編集で意見を求められたときにはかなり真剣に応えてアドバイスした。結果、その流れで公開の手助けをすることになったわけだ。しかし何やらこれは必然だったように思えて仕方ない。繊細に構築された作品世界に魅力があったというのももちろんあるのだが、コロナ禍に遭った時代の節目にあたる今、「匂い」や「手触り」を主たる豊穣さとする「映画」を持続可能にするために、制作から公開までまるっとリノベーションしようという「映画ゲリラ」と呼びたくなるような無謀な志がこんなところから出てきたのかという発見に心が躍ってしまったのだ。「逆光」は時代に逆行しているようで逆行していない。それを証明できるのは、私と同じように時代に差し込まれる光を待ち望んでいる映画ファンなのだと信じている。同志よ、来れ!

『逆光』

1970年代、真夏の尾道。22歳の晃は大学の先輩である吉岡を連れて帰郷する。晃は好意を抱く吉岡のために実家を提供し、夏休みを共に過ごそうと提案をしたのだった。先輩を退屈させないために晃は女の子を誘って遊びに出かけることを思いつく。幼馴染の文江に誰か暇な女子を見つけてくれと依頼して、少し変わった性格のみーこが加わり、四人でつるむようになる。やがて吉岡は、みーこへの眼差しを熱くしていき、晃を悩ませるようになるが…。

出演/須藤蓮、中崎敏、富山えり子、木越明、SO-RI、三村和敬、河本清順、松寺千恵美、吉田寮有志
監督/須藤蓮
企画/渡辺あや、須藤蓮 
脚本/渡辺あや
音楽/大友良英
エグゼクティブプロデューサー/小川真司
制作協力/Ride Pictures
2021年/日本/日本語/62分/カラー/シネマスコープ/5.1ch

日本公開/2021年7月17日(土)尾道にて先行公開、全国順次公開
制作・配給/FOL
配給協力/ブリッジヘッド 
©2021『逆光』FILM