クリスティアン・ペッツォルト監督『水を抱く女』日本版予告編&ポスターが解禁!
- Fan's Voice Staff
ドイツを代表する名匠クリスティアン・ペッツォルト監督の最新作『水を抱く女』の日本版予告編&ポスター、新場面写真7点が一挙解禁されました。
『東ベルリンから来た女』などドイツの歴史を描き、社会派として知られる名匠ペッツォルト監督が、新作のモチーフに選んだのは“水の精”。「愛する男に裏切られたとき、その男を殺して、水に還らなければならない」という切ない宿命を背負った女の物語を、現代都市ベルリンに幻想的に蘇らせました。
ベルリンの都市開発を研究する歴史家で、博物館でガイドとして働くウンディーネ(パウラ・ベーア)が恋人に別れを告げられ「愛していると言って。あなたを殺したくない」と答える場面から始まる予告編。衝撃的な出会いを果たしたクリストフ(フランツ・ロゴフスキ)と激しく惹かれ合っていきますが、ある日彼女は突然姿を消してしまいます。 “その男は知らなかった。彼女の逃れられない宿命を”というナレーションが意味する彼女の切ない愛の形とは?二人の愛のゆくえがバッハの旋律と水のようにたゆたう映像美とともに描かれていきます。
古くから多くのアーティストたちにインスピレーションを与えてきた、“水の精・ウンディーネ(オンディーヌ)”の神話。アンデルセンは童話「人魚姫」を書き上げ、チャイコフスキーはオペラ、ドビュッシーは楽曲を創作。またゲーテが「ドイツの真珠」と絶賛したロマン派のフリードリヒ・フーケが発表した傑作小説「ウンディーネ」は、近年再評価されている三島由紀夫の「仮面の告白」にも登場し、現代でも読み継がれています。
ジャン・ジロドゥの戯曲「オンディーヌ」から手塚治虫「七色いんこ」(「オンディーヌ」)、劇団四季「オンディーヌ」などが生まれるなど、天才たちを魅了し続けてきた物語を選んだ理由についてペッツォルト監督は「『東ベルリンから来た女』『あの日のように抱きしめて』『未来を乗り換えた男』と同様に、本作は愛についての物語です。しかし、それら過去作は不可能な愛、傷ついた愛、あるいは発展を予想させる愛について語っています。今回は愛がどのように発展していき、心にどのように残っていくのかを描きたかった」と語っています。
妖艶なウンディーネを演じたのは、『婚約者の友人』や『ある画家の数奇な運命』のパウラ・ベーア。心優しいクリストフ役には、『希望の灯り』のフランツ・ロゴフスキ。二人はペッツォルト監督の前作『未来を乗り換えた男』でも共演しており、稀有な才能の再タッグが実現しました。
「ヒッチコックの『めまい』を彷彿とさせる(インディワイヤー)」と海外から評された本作は、第70回ベルリン国際映画祭・銀熊賞(最優秀女優賞)と国際映画批評家連盟賞(FIPRESCI賞)をダブル受賞。ほか各国の映画祭でも絶賛されています。
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『水を抱く女』(原題:Undine)
ベルリンの都市開発を研究する歴史家ウンディーネ。彼女はアレクサンダー広場に隣接する小さなアパートで暮らし、博物館でガイドとして働いている。恋人のヨハネスが別の女性に心移りし、悲嘆にくれていたウンディーネの前に、愛情深い潜水作業員のクリストフが現れる。数奇な運命に導かれるように、激しく惹かれ合うふたり。幸せで無垢な新しい愛を大切に育むも、彼女が必死に何かから逃れようとしているような違和感をクリストフが感じとった時、ウンディーネは再び自分の宿命と直面することになる…。官能的なバッハの旋律にのせて、繊細に描写されるミステリアスな愛の叙事詩。
監督・脚本/クリスティアン・ペッツォルト
出演/パウラ・ベーア、フランツ・ロゴフスキ、マリアム・ザリー、ヤコブ・マッチェンツ
2020年/ドイツ・フランス/ドイツ語/90分/アメリカンビスタ/5.1ch/日本語字幕:吉川美奈子
日本公開/2021年3月26日(金)より新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー!
配給/彩プロ
公式サイト
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