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2020.12.09 12:00

『SLEEP マックス・リヒターからの招待状』2021年3月26日公開決定!

  • Fan's Voice Staff

“眠り”をテーマとするまったく新しいスタイルのコンサート「SLEEP」の全貌とその裏側を、音楽家マックス・リヒターの素顔とともに追ったドキュメンタリー『Max Richter’s Sleep』が、邦題を『SLEEP マックス・リヒターからの招待状』として2021年3月26日(金)に公開されることが決定しました。

2018年7月、真夜中のロサンゼルス。総合芸術施設であるグランド・パークにやってきたのは、“眠り”をテーマとした異色のコンサート「SLEEP」の中で演奏される「SLEEP」の作曲を手掛けたマックス・リヒター。コンサートは明け方まで約8時間以上に渡って続くため、リヒターをはじめ演奏者たちは準備に余念がありません。やがて観客たちが入場。ステージの前には簡易ベッドが並び、観客は寝袋を出したり毛布を広げたりと、それぞれのやり方でコンサートに備えます。

驚くべきことに、ミュージシャンの演奏中に観客は寝ても良いし、会場を自由に歩き回っても、外に出ても構いません。そんな型破りなコンサートをリヒターが思いついたのは、睡眠に対する素朴な興味からでした。睡眠は人間にどんな影響を与えているのか。音楽はどんな風に人間の脳に影響を与えるのか。リヒターは脳科学者のデイヴィッド・イーグルマンの協力のもと音楽と睡眠を科学的に分析し融合、これまでに誰も経験したことのない新しい音楽体験、そして最高級の“眠り”と“目覚め”へと導くための楽曲「SLEEP」を作り上げていきます──。

マックス・リヒターは、クラシックとエレクトロニック・ミュージックを融合させて作られるポストクラシカルの旗手であると同時に、映画やテレビのサントラも数多く手掛け、『戦場でワルツを』(08年)がヨーロッパ映画賞作曲賞、『メアリーとエリザベス ふたりの女王』(18年)がハリウッド音楽メディア賞作曲賞を受賞したほか、『アド・アストラ』(19年)が、第63回グラミー賞最優秀スコア・サウンドトラック賞にノミネート。大ヒットSF映画『メッセージ』(17年)のオープニング&エンディングでもオリジナルスコア「オン・ザ・ネイチャー・オブ・デイライト」が使用され、日本でもiTunesクラシック・チャート1位を獲得するなど、映画音楽の世界においてもっとも重要なアーティストの1人ともいわれる人物です。

劇中ではそんなリヒターと彼の公私に渡るパートナーであり、本コンサートも一緒に作り上げてきたマールへのインタビューや、15年間にわたって彼女が撮りためていたリヒターの創作の様子を捉えたプライベート映像、そして、彼が作曲家として成功するまでの苦難の道のりやマールとの強い絆も明らかにされていきます。

ロサンゼルスのグランド・パークやシドニーのオペラハウス、アントワープの聖母大聖堂など世界各地のシンボリックな場所で次々と開催し話題をさらった「SLEEP」。場面写真では、ニューヨークでのコンサートの際、演奏会場に設置されたベッドの上で、リヒターらの演奏に全身を委ねて聴き入る1人の女性の様子が切り取られています。

監督は、ボノやサム・スミスなど様々なミュージシャンとコラボレートしてきたナタリー・ジョンズ。

なお今年リヒターは、「SLEEP」と並行する形で作曲していた「ヴォイシズ」を発表。1948年に第3回国際連合総会で採択された、すべての人民とすべての国が達成すべき基本的人権についての宣言である“世界人権宣言”を朗読テキストに用いた、オーケストラと合唱のために作られた大作であり、朗読にはドイツの女優ニーナ・ホス(『男と女、モントーク岬で』『東ベルリンから来た女』)やイランの女優ゴルシフテ・ファラハニ(『タイラー・レイクー命の奪還』『パターソン』『彼女が消えた浜辺』)らも参加。日本版は9月に発売され、大きな話題となっているほか、世界人権デーでもある12月10日(木)に、BBCラジオをはじめ世界各地35局にて放送されることが決定しています。

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『SLEEP マックス・リヒターからの招待状』(原題:Max Richter’s Sleep)

監督/ナタリー・ジョンズ
製作/ステファン・デメトリウ、ジュリー・ヤコベク、ウアリド・ムアネス、ユリア・マール
撮影/エリーシャ・クリスチャン
出演/マックス・リヒター、ユリア・マール、(ソプラノ)グレース・デイヴィッドソン、(チェロ)エミリー・ブラウサ、クラリス・ジェンセン、(ヴィオラ)イザベル・ヘイゲン、(ヴァイオリン)ベン・ラッセル、アンドリュー・トール
2019年/イギリス/英語/99分/シネスコサイズ/映倫:G

日本公開/2021年3月26日(金)新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
配給/アット エンタテインメント
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