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2020.09.17 20:00

『異端の鳥』主演ペトル・コトラールの成長を追ったメイキング写真26点が一挙解禁!

  • Fan's Voice Staff

第二次大戦中、ホロコーストを逃れ疎開した少年の”地獄の旅路”を描いた『異端の鳥』で主演を務めた驚異の新人ペトル・コトラールのメイキング写真26点が一挙解禁されました(※撮影順に掲載)。

本作が演技初経験となったコトラール。撮影開始当時9歳だった彼は、2年間に及んだ撮影が終わる頃には11歳に成長。完全な順撮りで行われた本作は、家に帰ることを願う少年の果てしない地獄の旅路であると同時に、コトラール自身の成長の記録ともいえます。

解禁されたオフショットを含むメイキング画像は、そんなコトラールの幼い少年としての魅力や成長ぶりを捉えた貴重な記録です。フェレットを抱えて全力疾走する本編シーンの撮影風景や、ハーヴェイ・カイテルやバリー・ペッパーといった豪華共演者とのオフショットをはじめ、ボール遊びや逆立ち、戦車の主砲にしがみつく様子など、少年のあどけない素顔を切り取ったものが多く見られます。

チェコの世界遺産の町チェスキー・クルムロフに住むごく普通の男の子だったコトラール。撮影開始の数年前に彼と出会った監督は、直感的に「この子をキャスティングすることが正しい判断だ。彼こそが“少年”だった」と感じたといいます。

ところが、「カメラの前に立った経験すらない幼い男の子をキャスティングすることはリスクだったかもしれません」と振り返る監督の不安は、カメラテストの時点で的中。「彼は非常に外向的な性格でしたが、演じたいという意志があったにも関わらず、彼はその場に凍りついてしまいました。私はその時、自分の選択を後悔しました。なぜなら直感的に彼にすべてを賭けていて、予備の役者はいなかったのです」

その後2年間のうち、コトラールが出演するシーンのあった102日間は毎日にわたり、チェコの有名女優を含め絶えず付き添い人を用意し、心理テストを受けさせ、幼い子どもにとって問題のあるいくつかのシーンでは、彼を現場にすらいさせないよう配慮し、時には大人のボディダブルも採用するなど、最大限のケアを行ったといいます。

撮影開始間もない頃、コトラールに「“このシーンを自由にやってみて”と言ったら、彼は本当に遊んでしまって撮影にならなかった」という失敗もあったといいます。そこで、撮影中にコトラールの感情を引き出すために監督が活かしたのが、彼が大事にしている愛犬ドディッグとの関係。「ペトルはすごく感受性が鋭い子で、撮影現場に何度もつれてくることができず会いたそうにしていた愛犬ドディッグのことを話すと、1秒で想像して目に涙が溜まったりする。そうやってカメラに必要な感情を呼び起こしてもらいました」と、撮影の秘訣を明かしました。

「ペトルの成長は“少年”の進化と成長を反映しています」と振り返る監督。彼自身の成長を踏まえて脚本を変更したシーンもあり、「肉体的な変化、メンタルの成長、そして物語を理解することができるようになっていたと思います」。

そんなコトラールは、本作がワールドプレミアされた第76回ベネチア国際映画祭には髪をコーンロウにして登場。プレイステーション、電動スクーターなど様々なことを楽しみつつ、今最も夢中なのはパルクールだそう。

現在13歳になったコトラールの近況について、監督は「俳優を目指しているのかどうかは分からない。もう少し時間が経てば自分で決められるのかもしれません」と語っています。

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『異端の鳥』(原題:The Painted Bird)

東欧のどこか。ホロコーストを逃れて疎開した少年は、預かり先である一人暮らしの叔母が病死した上に火事で家が消失したことで、身寄りをなくし一人で旅に出ることになってしまう。行く先々で彼を異物とみなす周囲の人間たちの酷い仕打ちに遭いながらも、彼はなんとか生き延びようと、必死でもがき続ける──。

監督・脚本/ヴァーツラフ・マルホウル 
原作/イェジー・コシンスキ「ペインティッド・バード」 (松籟社・刊)
キャスト/ペトル・コトラール、ステラン・スカルスガルド、ハーヴェイ・カイテル、ジュリアン・サンズ、バリー・ペッパー、ウド・キアー
2018年/チェコ・スロヴァキア・ウクライナ合作/スラヴィック・エスペラント語、ドイツ語ほか/169分/シネスコ/DCP/モノクロ/5.1ch/字幕翻訳:岩辺いずみ/R15

日本公開/2020年10月9日(金)、TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー
配給/トランスフォーマー
後援/チェコ共和国大使館 日本・チェコ交流100周年記念作品
公式サイト
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