『マティアス&マキシム』公開に寄せた最果タヒによる詩が到着!
- Fan's Voice Staff
グザヴィエ・ドラン監督最新作『マティアス&マキシム』の公開に寄せて、詩人の最果タヒが書き下ろした新作が到着しました。
最果といえば、読み手の心の琴線に触れ、浸透するような瑞々しくもリアルな詩で、特に若者からの絶大な支持を得る「いま最も新しい表現者」。中原中也賞や現代詩花椿賞などを受賞し、2016年には、後に映画化もされた『夜空はいつでも最高密度の青色だ』を発表しました。
本作の公開に寄せた新作は、切なく、そして恋しさに溢れた作品となっており、今月28日より渋谷パルコ1FのO by New Jewelryにて、本作のテーマカラーである赤と青をあしらった佐々木俊によるデザインで展示されています。店頭では商品の全購入者にこの詩があしらわれたポストカードがプレゼントされます。
『マティアス&マキシム』を鑑賞した最果の感想も、次の通り到着しています。
「わたしはこの映画が好きです。大好き。でもこの映画が素晴らしいとか、良い作品だとかそういうことは言いたくなくて、そういう『評価をする』という行為がこの映画を見終わったときのわたしの気持ちをぐちゃぐちゃに踏みつけてしまうと感じている。ドランの表情は、人間の顔が、決して何かを伝えるためだけにあるのではないことを教えてくれる。その奥にあるものがなんなのか、はっきりと知ることができないそうした表情が、唯一、感情そのものとして映像の中に残ることができる。きっと。そう思う。わたしはこの作品に宛てて詩を書くことになっていて、映画を見終わったときにそれが嬉しくて、でも、とても困りもした。二人について詩を書く時間は、けれど、やはり幸福でした。繰り返し二人を思い出しながら書くことで、自分も傷ついたし、それでいて自然と祈るような心地がしました。それは多分、映画の中にすでにあった祈りなのだと思います。こんなにも好きな映画に出会えてよかったです。上映を心から楽しみにしています」
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『マティアス&マキシム』(原題:Matthias & Maxime)
たった一度の偶然のキス。そして溢れ出す、友達以上の想い。
マティアスとマキシムは30歳で幼馴染。友人が撮る短編映画で男性同士のキスシーンを演じることになった二人は、その偶然のキスをきっかけに秘めていた互いへの気持ちに気づき始める。美しい婚約者のいるマティアスは、親友に芽生えた感情に戸惑いを隠せない。一方、マキシムは友情が壊れてしまうことを恐れ、想いを告げずにオーストラリアへと旅立つ準備をしていた。迫る別れの日を目前に、二人は抑えることのできない本当の想いを確かめようとするのだが──。
監督・脚本/グザヴィエ・ドラン
出演/ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス、グザヴィエ・ドラン、ピア・リュック・ファンク、ハリス・ディキンソン、アンヌ・ドルヴァル
2019年/カナダ/120分/ビスタ/5.1ch
日本公開/2020年9月25日(金)より、新宿ピカデリーほか全国ロードショー
提供・配給:ファントム・フィルム
公式サイト
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