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2020.06.22 19:45

映画『はちどり』公開週末の全10回完売の大ヒットスタート!

  • Fan's Voice Staff

誰しも経験したことのあるであろう思春期特有の揺れ動く思い、そして家族との関わりを繊細に描いた韓国映画『はちどり』が6月20日(土)より日本公開され、東京・渋谷のユーロスペースでは全10回の座席が正午過ぎには早々と完売、大ヒットスタートを切りました(※新型コロナウイルス対策による50%入場制限のため332席/日)。

SNSでは「今年暫定1位」「カメラワーク、風景、テンポの良さは監督デビュー作とは思えない傑作!!」「すごくよかった とても美しくて多面的で人生が描かれた映画だった」「昨日観た『はちどり』が すばらしすぎて心から離れないでいる」など、大絶賛の声が続出しており、今後さらなる盛り上がりが期待されます。

38歳のキム・ボラ監督による初長編作品である本作。2018年釜山国際映画祭でのワールドプレミア上映を皮切りに、ベルリン国際映画祭ジェネレーション14plus部門をはじめ国内外の映画祭で50を超える賞を受賞(2020年3月現在)。韓国では2019年8月に公開され、単館公開規模ながら公開1か月で観客動員数12万人超、最終的に15万に迫る異例の大ヒットを果たし、かつて世界を熱狂させた韓国映画『息もできない』(08年)を凌ぐ評価を得るなど、今韓国で最も話題の女性監督の一人です。

1990年代の韓国。14歳の少女ウニ(パク・ジフ)は、何百もの世帯が暮らす無機質な姿をした集合団地で両親、姉、兄と共に生活しています。思春期を迎え、大人の世界への興味も持ち始めていたウニは、学校にあまりなじめず、別の学校に通う親友と悪さをしたり、男子生徒や後輩の女の子とデートをしたりして過ごしていました。ウニの両親は、朝から晩まで小さな店を切り盛りし、厳格な父は子供たちに学歴や世間体を求めるばかりで、彼らの心の動きと向き合う余裕がありません。自分に無関心な大人たちに囲まれ、どこか孤独な思いを抱えていたウニでしたが、初めて自分の人生を気にかけてくれる大人に出会います──。

2016年に韓国で発売されるやベストセラーとなった小説「82年生まれ、キム・ジヨン」の主人公の少女時代とも重なるウニ。男性が優遇されることが当たり前だった時代、女性であるという理由で我慢しなくてはいけなかったこと、それがおかしいということに気がつかなかったこと──。2つの作品に共通するのは、そんな時代に生きた女性の物語であり、声をあげようとする姿です。

世界で最も小さい鳥のひとつでありながら、その羽を1秒に80回も羽ばたかせ、蜜を求めて長く飛び続けるという「はちどり」。それは希望、愛、生命力の象徴とされ、その姿が主人公のウニと似ていると思った、と監督は語っています。様々な感情を抱えながら成長しこの世界に羽ばたいていこうとするウニの姿に、日本でも多くの共感と感動を呼ぶことでしょう。

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『はちどり』(英題:House of Hummingbird)

1994 年、空前の経済成長を迎えていた韓国、ソウル。14歳のウニは、両親、姉、兄と集合団地に暮らしていた。学校に馴染めず、別の学校に通う親友と遊んだり、男子学生や後輩女子とデートをしたりして過ごす日々。両親は小さな餅屋を切り盛りし、子供達の心の動きと向き合う余裕がない。父は長男である兄に期待を寄せていたが、兄は親の目を盗んでウニに暴力を振るっていた。ウニは、自分に無関心な大人に囲まれ、孤独な思いを抱えていた。

ある日、ウニが通う漢文塾に女性教師のヨンジがやってくる。大学を休学中のヨンジは、どこか不思議な雰囲気を漂わせていた。自分の話に耳を傾けてくれるヨンジに、ウニは心を開いていく。ヨンジは、入院中のウニを見舞いに訪れ、「誰かに殴られたら黙っていてはダメ」と静かに励ます。ある朝、ソンス大橋崩落の知らせが入る。それは、いつも姉が乗るバスが橋を通過する時間帯だった。ほどなくして、ウニのもとにヨンジから一通の手紙と小包が届く。

監督・脚本/キム・ボラ 
出演/パク・ジフ、キム・セビョク、イ・スンヨン、チョン・インギ
2018年/韓国、アメリカ/138分/原題:벌새/PG12

日本公開/2020年6月20日(土)より、ユーロスペースほか全国順次ロードショー
配給/アニモプロデュース
提供/アニモプロデュース、朝日新聞社
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