【全受賞一覧】第92回アカデミー賞（2020年）
- Fan's Voice Staff
第92回アカデミー賞授賞式がアメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで現地時間2月9日（日）に開催されました。
ポン・ジュノ監督（右）Photo: Richard Harbaugh / ©A.M.P.A.S.
作品賞はポン・ジュノ監督の韓国映画『パラサイト 半地下の家族』！外国語作品の作品賞受賞は史上初という歴史的快挙を成し遂げました。同作は作品賞、監督賞、脚本賞、編集賞、美術賞、国際長編映画賞の6部門にノミネートされており、作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の最多4部門を受賞しました。興行的にも成功し、今年に入って盛り上がってきた勢いがそのまま受賞結果に反映されたといえるでしょう。
アカデミー賞はハリウッドで活躍する監督、俳優、技術者などのアカデミー会員によって選ばれる映画賞です。アカデミー賞そのものがダイバーシティ時代へ向かうハリウッドの変化を象徴するように、今年から「外国語映画賞」は「国際長編映画賞」へと名称変更がありました。このタイミングで、アメリカ資本の入っていない韓国映画が最高賞の受賞は革新的で、国や言葉の壁を超え、同賞が「ハリウッドの映画賞」ではなく、「世界的な映画賞」へと進化する表明なのかもしれません。
また、ゴールデングローブ賞、英国アカデミー賞（BAFTA）を制したサム・メンデス監督の『1917 命をかけた伝令』は10部門にノミネートされていましたが、撮影賞、視覚効果賞、録音賞の技術系の部門の3冠に留まりました。
最多11ノミネートを獲得した『ジョーカー』は、ホアキン・フェニックスの主演男優賞と作曲賞の2冠。10部門にノミネートされた『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は、ブラッド・ピットの助演男優賞、美術賞の2冠。ジェームズ・マンゴールド監督の『フォードvsフェラーリ』は編集賞、音響編集賞の2冠。
10ノミネートを獲得していたマーティン・スコセッシ監督の『アイリッシュマン』はまさかの無冠、6部門でノミネートされていたノア・バームバック監督の『マリッジ・ストーリー』は、ローラ・ダーンの助演女優賞のみと、配信系大手のNetflix勢には少々厳しい結果となりました。昨年も、監督賞など3部門を受賞したアルフォンソ・キュアロンの『ROMA/ローマ』が作品賞を逃しており、配信メディアに対する姿勢に今後変化があるのか、来年以降注目されます。
以下、受賞およびノミネート一覧です（☆＝受賞）。
作品賞
☆『パラサイト 半地下の家族』ポン・ジュノ監督（Neon）
『フォードvsフェラーリ』ジェームズ・マンゴールド監督（ウォルト・ディズニー）
『アイリッシュマン』マーティン・スコセッシ監督（Netflix）
『ジョジョ・ラビット』タイカ・ワイティティ監督（FOXサーチライト）
『ジョーカー』トッド・フィリップス監督（ワーナー・ブラザース）
『ストーリー・オブ・マイライフ／わたしの若草物語』グレタ・ガーウィグ監督（ソニー・ピクチャーズ）
『マリッジ・ストーリー』ノア・バームバック監督（Netflix）
『1917 命をかけた伝令』サム・メンデス監督（ユニバーサル）
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』クエンティン・タランティーノ監督（ソニー・ピクチャーズ）
監督賞
☆ポン・ジュノ『パラサイト 半地下の家族』
マーティン・スコセッシ『アイリッシュマン』
トッド・フィリップス『ジョーカー』
サム・メンデス『1917 命をかけた伝令』
クエンティン・タランティーノ『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
主演男優賞
☆ホアキン・フェニックス『ジョーカー』
アントニオ・バンデラス『ペイン・アンド・グローリー』（原題）
レオナルド・ディカプリオ『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
アダム・ドライバー『マリッジ・ストーリー』
ジョナサン・プライス『2人のローマ教皇』
主演女優賞
☆レネー・ゼルウィガー『ジュディ 虹の彼方に』
シンシア・エリヴォ『ハリエット』
スカーレット・ヨハンソン『マリッジ・ストーリー』
シアーシャ・ローナン『ストーリー・オブ・マイライフ／わたしの若草物語』
シャーリーズ・セロン『スキャンダル』
助演男優賞
☆ブラッド・ピット『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
トム・ハンクス『A Beautiful Day in the Neighborhood』
アンソニー・ホプキンス『2人のローマ教皇』
アル・パチーノ『アイリッシュマン』
ジョー・ペシ『アイリッシュマン』
助演女優賞
☆ローラ・ダーン『マリッジ・ストーリー』
キャシー・ベイツ『リチャード・ジュエル』
スカーレット・ヨハンソン『ジョジョ・ラビット』
フローレンス・ピュー『ストーリー・オブ・マイライフ／わたしの若草物語』
マーゴット・ロビー『スキャンダル』
脚色賞
☆タイカ・ワイティティ『ジョジョ・ラビット』
スティーヴン・ザイリアン『アイリッシュマン』
トッド・フィリップス、スコット・シルバー『ジョーカー』
グレタ・ガーウィグ『ストーリー・オブ・マイライフ／わたしの若草物語』
アンソニー・マクカーテン『2人のローマ教皇』
脚本賞
☆ポン・ジュノ、ハン・ジンウォン『パラサイト 半地下の家族』
ライアン・ジョンソン『ナイブズ・アウト／名探偵と刃の館の秘密』
ノア・バームバック『マリッジ・ストーリー』
サム・メンデス、クリスティ・ウィルソン＝ケアンズ『1917 命をかけた伝令』
クエンティン・タランティーノ『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
長編アニメーション賞
☆『トイ・ストーリー４』ジョシュ・クーリー監督
『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』ディーン・デュボア監督
『失くした体』ジェレミー・クラパン監督
『クロース』セルジオ・パブロス監督
『Missing Link』クリス・バトラー監督
長編ドキュメンタリー賞
☆『アメリカン・ファクトリー』
『The Cave』
『ブラジル －消えゆく民主主義－』
『娘は戦場で生まれた』
『ハニーランド 永遠の谷』
国際長編映画賞
☆『パラサイト 半地下の家族』（韓国）
『Corpus Christi』（ポーランド）
『ハニーランド 永遠の谷』（北マケドニア）
『レ・ミゼラブル』（フランス）
『ペイン・アンド・グローリー』（原題）（スペイン）
撮影賞
☆ロジャー・ディーキンス『1917 命をかけた伝令』
ロドリゴ・プリエト『アイリッシュマン』
ローレンス・シャー『ジョーカー』
ジェアリン・ブラシュケ『The Lighthouse』
ロバート・リチャードソン『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
編集賞
☆『フォードvsフェラーリ』
『アイリッシュマン』
『ジョジョ・ラビット』
『ジョーカー』
『パラサイト 半地下の家族』
メイクアップ＆ヘアスタイリング賞
☆『スキャンダル』
『ジョーカー』
『ジュディ 虹の彼方に』
『マレフィセント２』
『1917 命をかけた伝令』
作曲賞
☆ヒルドゥル・グーナドッティル『ジョーカー』
アレクサンドル・デスプラ『ストーリー・オブ・マイライフ／わたしの若草物語』
ランディ・ニューマン『マリッジ・ストーリー』
トーマス・ニューマン『1917 命をかけた伝令』
ジョン・ウィリアムズ『スター・ウォーズ／スカイウォーカーの夜明け』
歌曲賞
☆“(I’m Gonna) Love Me Again”『ロケットマン』
“I Can’t Let You Throw Yourself Away”『トイ・ストーリー４』
“I’m Standing With You”『Breakthrough』
“Into the Unknown”『アナと雪の女王２』
“Stand Up”『ハリエット』
衣装デザイン賞
☆『ストーリー・オブ・マイライフ／わたしの若草物語』
『アイリッシュマン』
『ジョジョ・ラビット』
『ジョーカー』
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
美術賞
☆『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
『アイリッシュマン』
『ジョジョ・ラビット』
『1917 命をかけた伝令』
『パラサイト 半地下の家族』
視覚効果賞
☆『1917 命をかけた伝令』
『アベンジャーズ／エンドゲーム』
『アイリッシュマン』
『ライオン・キング』
『スター・ウォーズ／スカイウォーカーの夜明け』
音響編集賞
☆『フォードvsフェラーリ』
『ジョーカー』
『1917 命をかけた伝令』
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
『スター・ウォーズ／スカイウォーカーの夜明け』
音響ミキシング賞（録音賞）
☆『1917 命をかけた伝令』
『アド・アストラ』
『フォードvsフェラーリ』
『ジョーカー』
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
短編アニメーション賞
☆『Hair Love』
『Dcera (Daughter)』
『Kitbull』
『Memorable』
『Sister』
短編ドキュメンタリー賞
☆『Learning to Skateboard in a Warzone (If You’re a Girl)』
『In the Absence』
『Life Overtakes Me』
『St. Louis Superman』
『Walk Run Cha-Cha』
短編映画賞
☆『The Neighbors’ Window』
『Brotherhood』
『Nefta Football Club』
『Saria』
『A Sister』
