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2020.01.01 12:00

『リチャード・ジュエル』クリント・イーストウッド監督よりニューイヤー・メッセージ動画が到着

  • Fan's Voice Staff

1996年アトランタ爆破事件の実話を映画化したサスペンスドラマ『リチャード・ジュエル』のクリント・イーストウッド監督よりニューイヤー・メッセージが到着しました。

『アメリカン・スナイパー』、『ハドソン川の奇跡』など、数々の実話を描いてきたイーストウッドの記念すべき40作品目となる『リチャード・ジュエル』。1996年アトランタ爆破事件の第一通報者から一転、第一容疑者とされたリチャード(ポール・ウォルター・ハウザー)は、FBI内部からの捜査情報のリークとメディアの実名報道によって爆弾犯の汚名を着せられます。情報は瞬く間に拡散、メディアによる連日の報道で、リチャードは名誉だけではなくプライバシーまでをも奪われてしまいます。そんな時、弁護士のワトソン(サム・ロックウェル)はリチャードの潔白を信じ立ち上がりますが、ふたりの前に立ちはだかるのは、国家の威信をかけて爆弾犯の早期逮捕を急ぐFBI、そしてスクープという獲物に容赦なく襲いかかる“メディアリンチ”の罠。今、爆破事件の容疑者とされたリチャードと潔白を信じるワトソンが、巨大権力に向かって反撃を開始する──!

サム・ロックウェル演じるワトソン(左)とポール・ウォルター・ハウザー演じるリチャード

イーストウッドの心をとらえたのは、リチャードがどこにでもいる普通の男だったこと。国家に対して忠誠心を持ち、ただひとりの母を愛し、ただ人のためになる行動をしようとした男。「だからこそ、私はこの映画を作りたかった。潔白なリチャードの名誉を挽回するためにね。英雄的な行動によって大きな犠牲を払う羽目になり、彼は世の中から見捨てられたんだ」と思いを寄せています。事件発生から6年後に真犯人は逮捕されましたが、「人は情報をきちんとまとめて考えない。6年後に真犯人が現れ、罪を告白し、逮捕されたということと、リチャードの潔白を人々はつなげて考えない」とイーストウッドは語ります。一度報道された「爆弾犯」というレッテルは、容易に払拭することができないのです。

SNSが人々の生活に根付いた今、姿なき誹謗中傷は現代社会に蔓延し、ひとつの投稿が瞬く間に拡散し、誰もが「被害者」、あるいは「加害者」にもなり得る時代です。イーストウッドは、こんな時代だからこそ「この映画を観て、観客にはこの現実を知ってほしい。また、社会として、我々はもっとましな行動をとれるのではないかということにも気づいてほしい。その“気づき”が、リチャードが我々に与えてくれた教訓だとすれば、素晴らしいことであり、それこそ“英雄”なんだ」と語っています。

©Kaori Suzuki

「冤罪弁護士」筆者で、弁護士の今村核氏は、日本でも他人事ではないと指摘。「見ごたえある、カタルシス溢れる作品。 被疑者にされる恐怖。刑事裁判において有罪率99.9%という日本社会においても、他人事とは思えない。 私にとっては”被疑者を信じること”、非常に共感できる部分も多かったです」とコメントを寄せています。

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『リチャード・ジュエル』(原題:Richard Jewell)

監督・製作/クリント・イーストウッド
原作/マリー・ブレナー バニティ・フェア 「American Nightmare―The Ballad of Richard Jewell」
脚本/ビリー・レイ
製作/ティム・ムーア、ジェシカ・マイヤー、ケビン・ミッシャー、レオナルド・ディカプリオ、ジェニファー・デイビソン、ジョナ・ヒル
出演/サム・ロックウェル、キャシー・ベイツ、ポール・ウォルター・ハウザー、オリビア・ワイルド、ジョン・ハム
全米公開/12月13日

日本公開/2020年1月17日(金)全国ロードショー
配給/ワーナー・ブラザース映画
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