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2019.12.28 9:00

スター・ウォーズ初の実写ドラマ『マンダロリアン』が日本配信開始!記念番組に出演した声優の阪口周平さんらにインタビュー

  • Fan's Voice Staff

スター・ウォーズ初となる実写ドラマ『マンダロリアン』が、12月26日(木)にディズニーデラックスで国内独占配信スタート!日本上陸を記念した同時視聴ニコニコ生放送が配信されました。

『マンダロリアン』は、『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』での出来事から5年後が舞台。帝国が崩壊し、ファースト・オーダーが台頭する前の時代に現れた一匹狼の戦士、マンダロリアン(マンドー)が主人公です。バウンティハンター(賞金稼ぎ)・ギルドのリーダーであるグリーフ・カルガが、謎に包まれたマンダロリアンに“ある仕事”を紹介することから、物語は大きく動き始めます。

脚本・製作総指揮を務めるのは、『ライオン・キング』、『ジャングル・ブック』、『アイアンマン』などを手掛けたジョン・ファヴロー。4月に開催された「スター・ウォーズ・セレブレーション・シカゴ 2019」でのパネルディスカッションでは、「あらゆるディテールが丁寧に作り込まれているので、ファンであれば今までの作品との繋がりと、お馴染みの雰囲気をしっかりと感じ取ることができるはず」と語っています。

これまでの『スター・ウォーズ』シリーズで見慣れたエイリアンやドロイド、ストームトルーパーなども続々と登場し、コワキアン・モンキー=リザードの串焼きや、IGシリーズのドロイドなど、ファンにはよく知られ愛されているスター・ウォーズのお馴染みの要素も盛りだくさんです。

同時視聴ニコ生には、主人公マンダロリアンの日本語吹替えを担当した声優の阪口周平さん、ラジオDJのサッシャさん、映画評論家の松崎健夫さん、MCの榎木智一さんに加え、スター・ウォーズファンの3名が参加しました。マンダロリアンジャパン隊長のサーシャさん、ロンさん、知識派オタクのバラキさんという、筋金入りのスター・ウォーズファンが顔を揃えたとあり、同時視聴前に行われたマンダロリアンクイズ大会や、視聴中の実況も盛り上がりました。

生放送終了後には、阪口さん、サッシャさん、松崎さん、榎木さんがインタビューに応じてくれました。

──『マンダロリアン』はスター・ウォーズシリーズ初の実写ドラマとしても注目されていますが、映画にはなく、ドラマならではの楽しみはどんなところでしょうか?
榎木「ドラマは毎週、金曜日に放映されるという楽しみがありますね。次の配信までの1週間にネットでいろいろ調べたり、予想したりと盛り上がれるのが今の時代のいいところかなと思います」

左より:榎木智一、松崎健夫、阪口周平、サッシャ

松崎「スター・ウォーズはもともと連続活劇のオマージュとしてつくられたもの。サイレント時代とかに主人公が危機一髪となったときに、“これからどうなる?”“また来週!”と終わる。そのスタイルを現代に蘇らせて作ったスター・ウォーズのシリーズだとすると、今のTVドラマのパッケージにすごく合っているのではないかと思います。TVシリーズになることによって、連続活劇というもともとのアイデアが投影しやすく、本来ジョージ・ルーカスが作りたかったものに近いものが『マンダロリアン』で実現できているのではないかなと思います」

阪口「ドラマの『マンダロリアン』は、マンダロリアンに関する一本の映画を8分割したようなところもあります。映画的なつくり方をしている部分もあるし、ドラマならではの閑話休題的な話もあったりします。起承転結の波が毎週やってくるのも面白い。ひとつの映画的な作品として観たときにも、8話をかけて起承転結になっているという見方もできる。そういう意味では、面白い試みでもありますよね」

サッシャ「映画は2時間かけてストーリーを語る。マンダロリアンの場合、主人公はいますけれど、多角的にストーリーを語れる。映画でそれをやると観ている側が混乱しますが、ドラマはポンと終わるから、そこでもう一度、多角的でありながら、細かいところのディテールも見せられます。ドラマの良さだと思うので、今後どうなってくのか楽しみですね。

──『スター・ウォーズ』らしいと感じた部分はありますか?
榎本「生放送でも言ったのですが、最初のシーンですね。ルークは砂漠のシーンから始まる。はじまりが独り。その始まり方が全部一緒のような。ルーカスが作ったスター・ウォーズを受け継いでいるのかなと。繋がり、継承というところで、作品の作り方に繋がりが入っているのに感銘を受けました。ファンとしてはもっと観たいという楽しさが増えました」

松崎「最初に出てくる風景に、いろいろな選択肢があるなかで、何もない荒涼とした風景を見せる。誰もが『エピソード4』の最初の場面を彷彿とさせように演出しているのがポイントだと思います。何もない新しい物語を見せるときに、新しいものを見せるのではなく、これまで培ってきたものを見せる。それが継承ということだと思いますが、それを受け継いで物語を紡いでいくんだということが、設定だったり物語に全部入っている。『エピソード4』を中心に観ている人たちが混乱しないように、作品の系譜に対する愛情があるから、なんとくスター・ウォーズっぽいものに見えるのではないでしょうか」

阪口「スター・ウォーズ作品は、常に砂っぽいイメージがあります。映画版だと華やかな映画の世界が始まるぞというワクワク感がありますが、一方で『マンダロリアン』は、結構泥臭いんです。その対比が面白さのひとつですね。僕がリハーサルで最初に『マンダロリアン』観たときに、本当にスター・ウォーズなのかなという印象も持ちました。映画でずっと描いてきたものと、ドラマで新たに見せたいもの。それぞれ見せ方の違いがあります。このドラマは、映画とはちょっと違うアプローチの仕方やひねりも見どころのひとつですね。(野球でいえば)球種が違うような。それが面白いですね」

サッシャ「スター・ウォーズの共通の世界観は、“使われた”というか汚れている感じ。すべてが。『マンダロリアン』の主人公のアーマーも最初から汚れているし、宇宙船も汚れている。(第1話の)最後のに登場する“ザ・チャイルド”も50歳みたいですし。IG-11に関しても、作ったばかりじゃなさそうです。ストーリーに関して言えば、映画作品もこのドラマも、ド頭から描いていないところも共通していますね。どこかの真ん中から始まって、その前は謎。その前のストーリーはどうなっているのか気になる、その辺りもスター・ウォーズっぽいですね」

──阪口さんはこれまで、正義感溢れるキャラクターを演じてきたと思いますが、バウンティハンターのマンダロリアン役で、あえて心がけたことは?
阪口「彼は正義のために(賞金稼ぎを)やっているわけではないんですね。演出の清水さんから“乾いた感じで”というオファーがありました。喋り方とか、物理的なものもありますが、今後描かれていく、マンダロリアン族の成り立ちのようなところにも関係しています。マンドーは常に仕事として人を捕まえてきます。それによって、今回(第1話)では、大きな仕事でベスカーをもらったりするわけですが、生活のためにそういうことをしているんです。それは掘り下げていくと、マンダロリアン族自体に関わってくること……枯渇しているというか、飢えているというか、そういうものを感じる。自分の役作りもある程度やりますけれど、基本的には向こうの役者さんがやっているものをなぞります。その時点で70%くらいはできていますからね。そこに何をプラスしていくか。ずっと一定のトーンを出していくのは難しかったですね」

──(第1話の)最後に出てきた“ザ・チャイルド”ですが、赤ちゃんは大人からみると感情を揺さぶられたり、感情をあらわにしてしまう存在です。すごい対比だと思います。普通の人間だったら、どうなっていくのかなと。感情を出さない役なのに、感情を動かされる存在と出会ってしまったわけですから。
阪口「あの“可愛いもの”と会ってしまったことで、確実に揺れてしまう。今までのように、ただただ仕事をするだけでは済まされなくなってしまったという。そこで人間味とかが現れ始めたり、蓋をしてきたものが漏れていく瞬間があるんです。話していると、ネタバレになっちゃうので難しいですね(笑)。僕は、彼が冷徹ではないと思います。アーマーの中にはとても人間的なものがあるけれど、マンダロリアンの教義上、あるいは仕事柄、それに蓋している。けれど、感情を揺さぶられると蓋がずれて、人間性が漏れてしまう。見えてしまうのは、見せるのとは違う。そこのさじ加減が、演じていて難しかったですね」

阪口さんはすでに全8話分の吹替えを終えており、日本で唯一シーズン1をすべて観ているという希少な立場にあることから、ネタバレをせずに語るのが難しそうでした。全8話が配信された後に、ぜひまた裏話や収録秘話をお伺いしたいものです。

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『マンダロリアン』(原題:The Mandalorian)

これは掟に背いた孤独な賞金稼ぎ(バウンティハンター)の壮絶なる闘いの物語。
帝国の崩壊から約5年後、ファースト・オーダーが台頭する前の物語。この時代の銀河には中央政府が存在せず、始まったばかりの新共和国の法も銀河の辺境の開拓星には届かない。人々は自分の身は自分で守るしかなく、無法者たちは誰からも干渉されずに独自のルールで生きている。そんな時代にバウンティハンター(賞金稼ぎ)として生きる一匹狼の凄腕ガンファイター、マンダロリアンは、T字型バイザー付きマスクに象徴される惑星マンダロアの戦士のアーマーに身を包み、誰も寄せ付けないほどの圧倒的な強さを誇っていた。ある日マンダロリアンは、バウンティハンター・ギルドのリーダーであるグリーフ・カルガからある高額な報酬の仕事を依頼される。その仕事とは、ある標的を連れてくること。早速、目的地に向かったマンダロリアンだったが…

マンダロリアン(マンドー):ペドロ・パスカル(阪口周平)
キャラ・デューン:ジーナ・カラーノ(鷄冠井美智子)
グリーフ・カルガ:カール・ウェザース(楠見尚己)
クライアント:ヴェルナー・ヘルツォーク(伊藤和晃)
アグノート:ニック・ノルティ(堀越富三郎)
IG-11:タイカ・ワイティティ(上田燿司)

クリエイター/ジョン・ファヴロー
製作総指揮/ジョン・ファヴロー、デイブ・フィローニ、キャスリーン・ケネディ、コリン・ウィルソン
監督/デイブ・フィローニ、リック・ファミュイワ、デボラ・チョウ、ブライス・ダラス・ハワード、タイカ・ワイティティ
脚本/ジョン・ファヴロー、デイブ・フィローニ、リック・ファミュイワ、クリス・ヨスト
全8話

2019年12月26日(木)ディズニーデラックスにて国内独占配信開始
第2話は2020年1月3日(金)、以降は毎週金曜日配信
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