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2019.12.19 12:00

カンヌ審査員賞受賞『レ・ミゼラブル』日本版予告編&ポスターが解禁

  • Fan's Voice Staff

現代の社会問題をリアルに切り取り、本年度のカンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞したフランス映画『レ・ミゼラブル』の日本版予告編とポスタービジュアルが解禁されました。

犯罪多発地区となっているパリ郊外のモンフェルメイユの警察署の犯罪防止班に配属された、地方出身のステファン(ダミアン・ボナール)。同僚の行き過ぎた捜査を制止するなどインテリで自制心を持っているのに対して、コンビを組むことになったのは、未成年に度々粗暴な言動をとり気性の荒いクリス(アレクシス・マネンティ)、「尊敬されているのは俺たちだけだ」と警官である自分の“力”を信じて疑わないグワダ(ジェブリル・ゾンガ)。3人は名コンビには程遠かった。

この予告編映像では、ひとりの少年が街に滞在するサーカス団のライオンの子供を盗むという“些細ないたずら”が、それまで均衡を保っていた街のグループ同士による対立の引き金となり、次第にステファン達自身が窮地に追い込まれていく様子を捉えています。“何か”を撮影していたドローンの存在、少年を追って街じゅうを激走するステファンたち、3人を待ち受ける少年たちの反撃が徐々に過激化していく様子、「怒ることでしか表現する方法がない」という警官に向けられるショッキングなセリフなど、この街が“ミゼラブル(悲惨)”な様相を呈していく様子を圧倒的な緊迫感と躍動感をもってスタイリッシュに描き出します。

合わせて解禁となったビジュアルでは、凱旋門の前に集った大勢の市民がサッカーワールドカップでフランス代表の優勝に歓喜する、映画のオープニングにして群衆のパワーを感じさせる印象的なシーンを表現しています。

監督・脚本を務めたのは、モンフェルメイユで生まれ育ち、現在もその地に暮らす、新鋭ラジ・リ監督。本作が初長編監督作品ながら、自身がこの街で体験してきた出来事を見事に描き切り、スパイク・リー監督もその才能を認め、アメリカにおけるプロモーションのサポートを買って出るほど。

第72回カンヌ国際映画祭では「コンペ最大のショック!」と称賛を受けたほどセンセーションを巻き起こし、見事に審査員賞を受賞。その後も、第92回アカデミー賞国際長編映画賞(旧名称:外国語映画賞)のショートリスト(ノミネート前の最終候補リスト)入りを果たし、第77回ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞ノミネートなどをはじめ各国の映画祭や賞レースを席巻中だ。先月公開された本国フランスでは公開からわずか17日で同国の観客動員数100万人を突破し、マクロン大統領も本作を鑑賞。自国が抱える問題をリアルに描いた本作に反応し、政府に「映画の舞台となった地域の生活条件を改善するためのアイデアを直ちに見つけて行動を起こす」よう求めたといいます。

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『レ・ミゼラブル』(原題:Les Misérables)

パリ郊外に位置するモンフェルメイユ。ヴィクトル・ユーゴーの小説「レ・ミゼラブル」の舞台でもあるこの街も、いまや移民や低所得者が多く住む危険な犯罪地域と化していた。犯罪防止班に新しく加わることとなった警官のステファンは、仲間と共にパトロールをするうちに、複数のグループ同士が緊張関係にあることを察知する。そんなある日、イッサという名の少年が引き起こした些細な出来事が大きな騒動へと発展。事件解決へと奮闘するステファンたちだが、事態は取り返しのつかない方向へと進み始めることに……。

監督・脚本/ラジ・リ
出演/ダミアン・ボナール、アレクシス・マネンティ、ジェブリル・ゾンガ、ジャンヌ・バリバール
2019年/フランス/フランス語/102分/カラー/シネスコ/5.1ch

日本公開/2020年2月28日(金)新宿武蔵野館、Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー
配給/東北新社、STAR CHANNEL MOVIES
公式サイト
©RECTANGLE PRODUCTIONS