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2019.12.18 8:00

【ネタバレ無し感想・評価】映画『テッド・バンディ』伝説のシリアル・キラーの真実を、元恋人の目線で映画化した衝撃作!

  • Fan's Voice Staff

1970年代に30人以上の女性を殺害した連続殺人犯を、ザック・エフロン主演で描く映画『テッド・バンディ』。本記事では、来日したジョー・バリンジャー監督を迎えて12月4日(水)に開催されたFan’s Voice限定試写会に参加した日本のファンの感想とともに、見どころを紹介します。

1969年、ワシントン州シアトル。テッド・バンディ(ザック・エフロン)とシングルマザーのリズ(リリー・コリンズ)は、バーで出会い恋に落ちます。テッド、リズと彼女の幼い娘モリーの三人は、幸福を絵に描いたような生活を始めますが、ほどなく、その運命は一変。テッドが信号無視で警官に止められたことがきっかけで、誘拐未遂事件の容疑で逮捕されてしまいます。さらに、その前年の女性誘拐事件で、目撃された犯人らしき男の車はテッドの愛車と同じフォルクスワーゲン。新聞公表された似顔絵は、テッドの顔によく似ていました。突然の事態に混乱するリズ。テッドはすべてまったくの誤解だと説明しますが、次第に、いくつもの事件の真相が明らかになっていき……。

当時、6年間に渡る恋人だったエリザベス・クレヴァーが1988年に上梓した回顧録「The Phantom Prince: My Life with Ted Bundy」を原作とした『テッド・バンディ』。世の中を恐怖に陥れた凶悪犯を愛した女性の視点から事件を描くとともに、今も謎に包まれているテッド・バンディの人間像に迫ります。

テッド・バンディ本人

ハンサムなシリアル・キラーの素顔を映画化

30人以上の女性を惨殺したとされるバンディは、IQ160の頭脳と美しい容姿で司法・メディアを翻弄し、“シリアル・キラー”の語源になった稀代の殺人鬼です。デヴィッド・フィンチャー監督のNetflixオリジナルシリーズ『マインドハンター』にも登場し、『CSI:科学捜査班』や『クリミナルマインド FBI行動分析課』でも言及され、『デクスター~警察官は殺人鬼』にも影響を与えるなど、人気ドラマシリーズにもたびたびキーパーソンとして取り上げられています。

では、なぜ今、アメリカで最も有名な犯罪者を映画化するのか。監督のジョー・バリンジャーは、「20代である(自身の)娘たちの世代に、テッド・バンディのストーリーを通じて、警鐘を鳴らしたかった」と語っています。“隣にいる善良そうな隣人が、殺人鬼かもしれない”という事実は、ホラーよりも怖いものかもしれません。

名門ワシントン大学を卒業したバンディは、法律を学んでおり、裁判でも自らが弁護人となり、雄弁に弁護を繰り広げ、死刑執行まで無実を主張し続けました。原題の『Extremely Wicked, Shockingly Evil and Vile』=「極めて邪悪、衝撃的に凶悪で卑劣」とは、実際の裁判で判事がバンディに対して放った言葉です。

その一方で、バンディは熱烈なファンを抱え、刑務所に連日多くのファンレターが寄せられたほど、独特のカリスマ性を持ち合わせていました。彼の多面性こそ、この映画の真のテーマでもあります。

ドキュメンタリーの名匠ジョー・バリンジャーがこわだった“悪人に見えない”男の光と闇

監督は、ドキュメンタリーの分野で高い評価を受けるエミー賞を2度受賞の名匠ジョー・バリンジャー。記録映像やインタビューなどを通してバンディに迫ったNetflixオリジナル作品『殺人鬼との対談:テッド・バンディの場合』の監督も務めており、劇映画とドキュメンタリーシリーズ、両方のスタイルで“悪のカリスマ”とも評される人物を徹底的に掘り下げています。

思わず騙されそうになる?恋人の視線で観る殺人鬼!

ストーリーは、バンディの恋人エリザベス(=リズ)の視点で語られます。事件のみにフォーカスするいわゆる“シリアル・キラーもの”ではなく、凶悪犯の身近な人物の、動揺や葛藤といった人間ドラマに、感情が揺さぶられます。

ザック・エフロンが“怪演”で新境地を開拓!

連続殺人鬼というダークな役柄にも関わらず、監督からのオファーを即座に快諾したという主演のザック・エフロン。出世作の『ハイスクール・ミュージカル』シリーズから大ヒットも記憶に新しい『グレイテスト・ショーマン』まで、爽やかな好青年のイメージが強いザックですが、本作の素晴らしいパフォーマンスで演技派の評価が高まっています。

もしかしたら冤罪感も?と観客さえも騙されそうになる“怪演”は見事!

リリー・コリンズがヒロインの葛藤を好演!実力派共演陣の演技にも注目

恋人が凶悪犯かも……という疑念の中で悩む、バンディの恋人リズを演じているのはリリー・コリンズ。『あと1センチの恋』(14年)、『トールキン 旅のはじまり』(19年)などピュアでひたむきなヒロインを演じ、女性たちの支持を得ていますが、本作では、なんとシリアル・キラーの恋人にして、唯一殺されなかった女性という複雑な役どころを演じきりました。

また、バンディに魅了され最後まで彼を支援続けるキャロル・アン・ブーン役には、『メイズ・ランナー』シリーズや『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』、『クロール ―凶暴領域―』などで人気上昇中のカヤ・スコデラリオ、判事役には2度のアカデミー賞候補となった名優ジョン・マルコヴィッチ、リズを思いやる同僚役に『A.I.』の子役で注目を浴びたハーレイ・ジョエル・オスメントなど、豪華キャストが充実の演技を見せます。

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『テッド・バンディ』(原題:Extremely Wicked, Shockingly Evil and Vile)

1969年、ワシントン州シアトル。テッド・バンディ(ザック・エフロン)とシングルマザーのリズ(リリー・コリンズ)とは、あるバーで恋に落ちる。素晴らしい出逢いの一日から始まり、テッド、リズと彼女の幼い娘モリーの三人は、幸福を絵に描いたような家庭生活を築いていく。しかしその運命は一変。テッドが信号無視で警官に止められた際、車の後部座席に積んでいた道具袋を疑われて逮捕されてしまう。マレーで起きた誘拐未遂事件の容疑だった。またその前年にも女性の誘拐事件が起きており、キング郡警察の発表によると、目撃された犯人らしき男の車はテッドの愛車と同じフォルクスワーゲン。新聞に公表された似顔絵は、テッドの顔によく似ていた。突然の事態に混乱するリズ。テッドはすべてまったくの誤解だと説明するが、次第に、いくつもの事件の真相が明らかになっていき……。

原作/エリザベス・クレプファー
脚本/マイケル・ワーウィー
監督/ジョー・バリンジャー 
出演/ザック・エフロン、リリー・コリンズ、カヤ・スコデラリオ、ジェフリー・ドノヴァン、アンジェラ・サラフィアン、ディラン・ベイカー、ブライアン・ジェラティ、ジム・パーソンズ、ジョン・マルコヴィッチ

日本公開/2019年12月20日(金)より、TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー
提供/ファントム・フィルム/ポニーキャニオン
配給/ファントム・フィルム R15+
公式サイト
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