Column

2019.12.18 12:00

【ネタバレ解説】ブラッド・ピット主演『アド・アストラ』を宇宙物理学的に考証。反粒子とは何か?ロイのジャンプは可能か?そして、我々は”独りぼっち”なのか──

  • Joshua

ラテン語で〈to the stars=星の彼方へ〉という意味を持つ『アド・アストラ』(19年)は、太陽系を股にかける、文字通り壮大な物語である。『2001年宇宙の旅』(68年)や『インターステラー』(14年)のSFの系譜を感じさせるような旅でありながら、『地獄の黙示録』(79年)を彷彿とさせる内的宇宙の旅路が双対的に機能した大作だ。

ブラッド・ピット主演

しかし、『アド・アストラ』のそのような芸術的側面は今回は脇に置いておいて、別の観点から作品を捉えていきたい。僭越ながら私の名前を覚えてくれた読者の方々はもう勘づいているかもしれないが、今回も『アド・アストラ』の科学考証を行うことで、難解なところやふとした疑問を一緒に浮き彫りにしていこう!

そもそも「反物質」とは何か?

宇宙軍の地球軌道上ステーションの船外で作業をしていたロイ・マクブライドを突如襲ったのは、超高エネルギー電磁波”サージ”であった。宇宙ステーションだけでなく、サージにさらされた地球は大規模な火災、飛行機の墜落と甚大な被害を受けてしまう。物語が進むにつれて明らかになるが、サージは地球から43億キロ先にある海王星から届いたものであり、ロイの父親の探査船が搭載した機械が故障して出してしまったものだという。作品内では一瞬しか話題に上がらなかったが、知的生命体探査の為に用いられたその機械は、反物質を使うものだと説明されていたことを覚えているだろうか。反物質を使う超ハイテク機械の暴走が止まらない──とりあえず何かヤバそうなのは十分伝わってくる。

実はここで「反物質」という言葉が使われているのは、SF考証上意味がある。それを説明する為に、ザッと反物質とは何なのか簡単に説明しよう。

まず、「反物質」とは「反粒子」で構成された物質のことである。そして、「反粒子」とは普通の粒子に対して電荷が正反対のもののことをいう。例えば我々の体を構成する原子はマイナスの電荷を持った電子とプラスの電荷を持った陽子などから構成されているが、電子の反粒子である反電子はプラスの電荷、陽子の反粒子である反陽子はマイナスの電荷を持つ。これらは理論上の概念などではなく、実際に現実に存在するものである。高校の理科では習わないことかもしれないが、面白いことに反粒子が存在しないと相対性理論と量子力学の統合は不可能になってしまうのだ。この話も非常に面白いのだが、話が止まらなくなってしまうのでここでは止めておくとしよう。

さて、通常の粒子と電荷だけが違う(質量などは一緒)、という性質をもつ反粒子。通常の粒子と反粒子が出会ったとき、つまり車の衝突事故のように粒子同士(粒子と反粒子)が衝突し合ったとき、どんな現象が起こるか想像がつくだろうか。結論から言うと、「光」が発生するのである。少し具体的に説明しよう。光以外にπ中間子などが発生してくると図が複雑になるので、電子と反電子の衝突について考えてみる。ちなみに反電子は陽電子と言う方が一般的である。

これは素粒子反応におけるファインマン・ダイアグラムと呼ばれているもので、素粒子論を専攻する人間はみんなこのファインマン図がプリントされたTシャツを1つくらい何故か持っている。街中でこの図がプリントされたTシャツを着ている疲れた顔の人を見かけたら、物理学者か大学院生と疑って間違いない。

電子・陽電子と光子との相互作用を表したファインマン・ダイアグラム(作者:MovGP0

最も有名な物理学の公式アインシュタインのエネルギーの式、E=mc^2が表しているように、物体の「質量」と「エネルギー」は全く等価なものである。「質量」とは要するに物体の動かしにくさの指標となる量のことだが、純粋な「エネルギー」とは実はそのまんま「光」を意味する。光に質量は無いが、その代わりエネルギーそのものとして存在することが出来るのだ。

電子と陽電子(反電子)が衝突すると、それら粒子は綺麗に光に変換される対消滅という現象が起こる。2つの粒子はこの世から居なくなってしまうが、その存在の証拠はきちんとエネルギーとしてこの世に残る。粒子2つが「質量」として持っていたエネルギーが、衝突により「光」に変貌するのだ。ここまで単純に「光」と言い続けてきたが、このような例で生み出される「光」は可視光ではなく、ガンマ線のような目に見えない光である。

『アド・アストラ』における”サージ”は雷の様な青白い光だったが、危険なのは目に見えない、高エネルギーのガンマ線(放射線の一種)である。紫外線よりもはるかにエネルギーが高いガンマ線は他の光に比べて、透過力が大きい。例えばコバルト60という放射性物質の崩壊により発生するガンマ線は、人体を平気で通り抜けることが可能である。とはいえそれだけ透過力に自信があるガンマ線であっても、物質内で電離作用を繰り返すことで弱まっていくので、遮蔽することを諦める必要はない。鉛やコンクリートなどの比重が重い物質を10cm程度の厚みでも用意すれば、何百分の1かに減衰させることが可能だ。そのため『アド・アストラ』において火星の研究施設が”サージ”の影響を受けなかったのは、研究施設が地下にあった為、ガンマ線の減衰が急激に行われたからである。

ちなみに現実に火星にコロニーを建築する計画は、スペースXのイーロン・マスクが中心となって進められているが、そこでもコロニーは地下に建築される予定になっている。火星の大気濃度は地球の約100分の1と非常に薄く、人体に影響を与える様な宇宙線の照射を防いでくれることを期待することが出来ないが、地下に施設を作ることで有害な宇宙線から身を守ることができるわけである。火星の極地点の地下に存在する氷を核爆弾を使って蒸発させ、上手くガスを大気中に充満させることで住みやすくする、というぶっ飛んだ計画もあるにはあるが、「大気を作る」という偉業は未だ現実的とは言えず、科学の進歩を当分待つ必要がある。そんな気長に待ってはいられないため、現在考えられている火星植民の計画で最も現実的なものが、『アド・アストラ』では実現されていると見てよいだろう。

さて、最初に言ったように「反粒子」という言葉がSFに登場したとき、我々観客はどのような文脈でそれを捉えればいいのだろうか。これを根底から説明していくには現代物理学に寄り道していく必要があるので、かなり遠回りな長い話を覚悟してもらいたい。

まず、自然界では反粒子が作られるとき、電子と陽電子(反電子)という風に普通ペアとして作られる。「右」という概念を作り出した途端「左」という概念が自然と生まれるように、粒子あるところに反粒子が必ず存在するというイメージである。ところがどうだろう?我々の世界は見渡す限り、粒子で出来た物質ばかりではないだろうか。子供の頃にお母さんにおつかいを頼まれて、「あんたこれは反物質の方の牛乳じゃない。物質の方を買ってきなさいと言ったでしょ!」と怒られた経験なんて誰にもないはずである(ちなみに反物質の牛乳を飲んでしまったら物質でできた我々は対消滅してしまうので飲んではいけない)。

ビックバンから発生した”均等”であるべき宇宙が粒子ばかりで(つまり「右」ばかり)、反粒子が殆ど無い(つまり「左」ばかりな)理由は実はつい最近まで分かっていなかった話で、”CP対称性の破れ”という言葉で説明されている。現在我々が暮らす宇宙は実際「右」の粒子が存在するばかりで、「左」の反粒子も同数あるとするような綺麗な対称性を持たない宇宙なのである。ともかくも我々の宇宙に反物質が殆ど無いのは、我々が好むと好まざるに関わらず、この宇宙そのものの基本性質として知られていることなのである。

さて、こうなってくると反物質を使った未来のエネルギー技術は前提からして不可能になる。なぜなら、そもそもエネルギー源として使えるだけの反物質がないからだ。いや、とはいえ反物質を作り出すことは人類にとって不可能なわけではない。

先ほどの対消滅の逆を利用するだけでよい、つまり「光」が「粒子」と「反粒子」の2つに変わる反応から「反粒子」を取り出せばよい。ただし、反粒子生成がそんなに簡単なことならば、人類は今頃『アド・アストラ』の世界をとっくに実現しているだろう。スイスのジュネーヴ郊外にCERNという世界最大規模の素粒子研究所には反粒子を生み出すことができる巨大な素粒子加速器があるが、ここの加速器を使って反物質を1/4グラム作り出すのに必要な電力は、約13GWhである!これは大体四人家族が一生で使う電力の約23倍の値であり、たった1/4グラムのために途方もない電力が必要であることがわかる。それに加えてそもそも、莫大な電力を用意したとしても様々なエネルギー損失が起きてしまい、その1%の電力しか反粒子生成にまわすことができない。このような非効率だと分かりきっている反応過程を経て、反物質を生み出し、それを対消滅させて光を得てエネルギーが得られ……などという行為はもはや奇行である。

反物質を生み出して、資源のためのエネルギーを得るというのは無駄なアイディアであることは科学者は分かりきっているので、実現させようとする人はまずいない。そういう意味でこの反物質を利用したエネルギー源だったり機械の類は、強い言葉を使えば全てSF的ともいえる。中国のSF作家劉慈欣(リウ・ツーシン)の『神様の介護係』という筆者が個人的に好きな短編があるのだが、太古の昔に人類を創生したとされる地球外生命体(通称:神)がある日地球にやってきて「もうこれ以上の進化に飽きたから我々が死ぬまで介護して欲しい」と頼みこんでくるという非常にユニークな話で、この作品では神の圧倒的な科学力が以下のように説明されている。

「神のエネルギー技術は物質-反物質の対消滅を基盤にしている。かりに必要な材料を全てそろえて、対消滅炉と発電装置を製造できたとしても(今世代中にはとうてい不可能だが)、稼働させようがない。なぜなら炉の燃料である反物質は、深宇宙から発掘するしかないからだ。神の資料によると、もっとも近場の反物質供給源は銀河系とアンドロメダ銀河のあいだで、五十五光年もかなただ」(『神様の介護係』中原尚哉訳 早川書房)

もしも『神様の介護係』のように反物質が遠方の深宇宙にあるとしたならば、新たなエネルギー技術誕生の可能性は飛躍的に上がるだろう。ただこれは無論、SFとしての設定上の言い訳に過ぎない。SFという文脈の中での「反物質」の裏には、現実の物理法則が反物質を利用したエネルギー技術を否定している限り、このような言い訳的設定が実は見え隠れしている。つまり、「反物質」という言葉がSF作品に登場してきたとき、我々観客は作品側の「反物質は未来のどこかで上手いこと発見された。だから今君が観ている技術は現代の技術から推し量れるものではないよ。なのでちょっと好き勝手させてね」という設定の置き場所の暗示を、暗黙のものとして受けとる必要があるのだ。

もちろん、そのような設定が悪だとかそういうことを言いたいのではない。『アド・アストラ』における「反物質」という言葉は、そこがSF設定の1つの落としどころだったというだけである。刺激的な未来描写の為には現代では理論上不可能とされている技術や事象を、歴史の何処かで可能性を”分岐”させ、想像のスパイスを振りかけてやる必要がある。その中でも「反物質」はよく使われる道具であり、これから注視してSFを追っかけていれば、『アド・アストラ』以外にもそのような作品は数多くみられるだろう。

ジェームズ・グレイ監督(左)、ブラッド・ピット

終盤で行ったロイ・マクブライドのジャンプは可能か?

結論から言うと、これが意外に可能である。少なくとも筆者が概算した限りでは、「絶対に不可能」とは言い切れない程度に可能である。

ロイの父親が運動量保存則に任せて海王星の重力圏に突入してしまった以上、ロイは独りで帰還せざるをえなくなってしまった。小型の探査船についた小さなプロペラ(?)の勢いを使ってロイは大ジャンプを試みる。海王星環の粒子に宇宙服が傷つけられないよう、ロイはシールドを自作して何とか突破することに成功した。筆者が劇場でこのシーンを観ていたときは「いやいや無理でしょ~」というみんなの心の声が聞こえてくるような気がしたが、まあ確かに明らかにあのジャンプは宇宙軍が積極的に推奨するようなものではなかっただろう。筆者の個人的な興味本位でしかないが、簡単なモデルを設定して当該シーンの解析を行ってみたい。

まず、これは現代の観測データから分かっていることだが、ロイがジャンプの勢いを使って横切る必要があった海王星の環(リング)は厚さにして約150mである。海王星は環半径が小さい順に、ガレ環、ルヴェリエ環、ラッセル環、アラゴ環、アダムス環の5つの環を持っている。ロイにとって最も通り抜けやすいだろう環を仮定の上で選ぶとして、ロイと父親クリフォードは最も厚さが小さいガレ環付近にいたとしよう。つまりロイは厚さ150m帯に分布する塵を見事横切ったわけだ。ロイのジャンプの際の仰角をθ(rad)と設定すると、横から見て厚さ150m帯をθ方向斜めに通り抜けたわけだ。そして仮に宇宙船がロイからみて射影長さ30m程度の物体として扱えるとし、ロイからみて宇宙船が大体200m程度の距離にあったとすると、半径200m、孤の長さが30mの扇型領域がロイのジャンプに許される有効範囲である。この扇型領域内に収まるような速度ベクトルを上手く作ることができれば、ロイは宇宙船に着地することができる。ここからそのような有効角度θは、8.594°と分かるがこれはどうだろう?ロイは宇宙船めがけて適切な速度を得ようと思ったとき、8°程度の目測の誤りは許されるということである。8°をオーバーしてしまうと宇宙船を通り抜けてしまうのでそのままおさらば、海王星の環として暮らす道しか残らない。

まあ、以上の計算は非常にシンプルなモデルから得られた帰結なので、これをもってして可能かどうかというのを論じるのも宇宙工学的にどうかとは思うが、8°くらいの初期速度誤差ならば何とかなるのではないかというのが一応の結論である。

相対性理論による時間の遅れは大丈夫か?

特殊相対性理論によると速く動いている物体は時間が遅くなり、一般相対性理論によると重力が強い場所は時間が遅くなる。SF好きにとっては、もはや常識と化しつつある相対論の基本的帰結だが、この時間の遅れの効果は『アド・アストラ』でついに触れられることはなかった。『インターステラー』を思い返すと、ブラックホールの潮汐力で重力が強くなった星では何倍も時間が遅く流れていた。『インターステラー』とそこまで時代設定が変わらない気もする『アド・アストラ』の世界の宇宙工学者たちは、このような効果を考慮する必要はないのだろうか?

全くない、というわけでもないが実は人間が感じ取れるような時間の遅れがそこに発生することはない。海王星から地球の距離45億kmを100日程度で走行する宇宙船ということは、平均して秒速520kmの速度帯をもつ。十分速い値だと思えるが、これは光速の0.17%程度だ。この値からローレンツ因子という時間の遅れの指標となる値を計算して、地球上にいる人間が感じる1秒と比べて宇宙船の人間が感じる時間を計算すると……1.0000015043063秒に過ぎないと分かる。つまり地球上で1時間が過ぎたとき、ロイが乗る宇宙船ではほぼほぼ1時間が過ぎる。これはドラマチックな展開が期待できるような時間差ではない。ただし現代の人工衛星でさえも相対性理論的な補正は行われているので、このような時間の遅れの効果を一切無視して良いというわけではないが、少なくとも人類がウラシマ効果を眼前にする日は未だ遠いのである。

トミー・リー・ジョーンズ演じるロイの父

核爆弾による加速は現実的か?

可能性について論じるのも興味深い観点だが、このシーンを観ていて思い出さざるをえない宇宙計画があった。量子電磁気学の発展は決して欠かせなかったダイソン方程式を生み出した偉大な天才(というより少しブッ飛んだ天才)理論物理学者フリーマン・ダイソンが中心となって1950~1960年代に進められたオリオン計画という宇宙計画があった。その内容を端的にまとめるとこんなものである。宇宙船というのはとにかく遅い、これでは我々人類は太陽系に閉じ込められるばかりだ、そこで宇宙船の新たな加速システムを考えよう。そうだ原子力だ、原子爆弾を使って加速するのはどうだろう。原子爆弾を宇宙船に30万個搭載して、3秒に1回爆発させてやれば、10日後に光速の30分の1にまで達する。ほら、『アド・アストラ』の宇宙船のスピードもゆうに超えているだろう、というものである。

1963年の部分的核実験禁止条約をうけて、宇宙空間での核実験が全面的に禁止され、このオリオン計画は日の目を見ることがなかったが、爆弾を30万個搭載できるようなほぼ1つの町みたいな大きさを持つ宇宙船を一体どこで作るのかという問題は置いといても、現実的に光速に近いスピードに達することができるというのは心底魅力的でしかない。

筆者としてはロイが核爆弾の爆風を利用して宇宙船を加速させたのを見たとき、一度ご破算になったオリオン計画がまるで一瞬だけ生き返ったかのような気がして感動してしまったのである。『アド・アストラ』は私にとって多分他の人とはまた違った角度で心に刺さった作品であったので、そのような見方を少しでも共有することに成功していたら幸いである。

最後に──人類は本当に独りぼっちなのか

既にご覧になった方は分かるように、『アド・アストラ』が掲げるテーゼは「宇宙生命の非存在により対比される我々の生」である。それ自体は美しいものだし、普遍的で芸術的なものである。しかしながら、私は本作を観た後、1つの根源的な疑問を再考せざるを得なくなっていた。「我々は本当に独りぼっちなのか?」という疑問である。私は正直心情的にはロイの父親に感情移入していた側の人間である。我々はどこから来て、我々は何者で、我々はどこに向かうのかということを明らかにするためにも、やはり地球外生命への邂逅は待ち切れないものである。宇宙のどこかにある別の命も、我々を想像しているのかもしれない。

そんなことを考えながら星空を眺めるのを愉しめるのは、好奇心あるものの特権なのである。

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『アド・アストラ』(原題:Ad Astra)

『アド・アストラ』の物語の舞台は、近未来。

人類は地球外知的生命体との出会いや豊かな資源を求めて、宇宙へと旅立っていた。ある時、巨大な“サージ電流”が地球を襲い、各地で火災や飛行機の墜落事故を引き起こす。国際宇宙アンテナの製造チームを率いていた宇宙飛行士のロイ・マクブライド少佐(ブラッド・ピット)も巻き込まれ、命を落としかける。回復したロイは、アメリカ宇宙軍の上官から、信じがたい“極秘情報”を告げられる。初の太陽系外有人探査計画、通称“リマ計画”の司令官で、探索に出発してから16年後に消息を絶った父、クリフォード(トミー・リー・ジョーンズ)が生きているというのだ。しかも軍は、世界中を混乱に陥れたサージは、父が海王星周辺で行っている“実験”のせいで、このままでは太陽系のあらゆる生命体が滅びてしまうと主張する。

英雄だった父に憧れて同じ道に進んだロイは、仕事に人生を捧げる父を崇拝してきた。だが一方で、父は家族には冷たく、ロイはいつも孤独を抱えていた。突然、父が消えたショックで、さらに心を閉ざすようになったロイは、人との関係をうまく築けない大人になり、恋人のイヴ(リヴ・タイラー)も、離れて行ってしまった。

そんなロイに、「父を探し出せ」というミッションが与えられる。父の旧友であるプルイット大佐(ドナルド・サザーランド)と、まずは経由地点の月に到着するロイ。そこでは、地球各国から移住した人々が、資源を巡る争いを繰り広げていた。さらに国境も法律もない無法地帯があり、ロイの一行も略奪者に襲われる。

プルイットからの「軍は君を信用していない」という警告を胸に、火星へと向かうロイ。波乱に満ちた飛行の果てに、ようやくたどり着いたロイは、基地の責任者のヘレン・ラントス(ルース・ネッガ)の案内で、用意されたメッセージを父へと発信する。だが、何の応答もなかった。意を決したロイは、今度は自分の言葉でメッセージを送る。いったい父に何があったのか──?

監督/ジェームズ・グレイ
製作/ブラッド・ピット、ほか
脚本/ジェームズ・グレイ&イーサン・グロス
出演/ブラッド・ピット、トミー・リー・ジョーンズ、ルース・ネッガ、リヴ・タイラー、ドナルド・サザーランド

2019年12月18日(水)先行デジタル配信!
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