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2019.12.12 12:21

「レイの出生が明かされる」──『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』来日会見が開催!

  • Fan's Voice Staff

スカイウォーカー家の物語を描くシリーズ完結編『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』の日米同時公開に先立ち、J.J.エイブラムス監督、主演デイジー・リドリーらを迎えた来日記者会見が12月12日(木)に都内で開催されました。

会見に登場したのは、昨日のレッドカーペット・イベントにも参加したデイジー・リドリー(レイ役)、ジョン・ボイエガ(フィン役)、オスカー・アイザック(ポー役)、アンソニー・ダニエルズ(C-3PO役)、J.J.エイブラムス(監督・脚本)、キャスリーン・ケネディ(製作・ルーカスフィルム社長)に加え、クリス・テリオ(脚本)の計7名。

1977年にシリーズ第1作が公開されてから42年。ついに『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』の公開まであと約1週間となったこの日、ゲストから伺えたのは、早く見てもらいたいという作品についての自信と、完結作であるという寂しさでした。

会見冒頭の挨拶では、ダニエルズが「(日本語で)みなさんこんにちは。私がこれまでの『スター・ウォーズ』映画で演じてきたキャラクターは、600万の言語を自在に操るわけですが、残念ながら日本語はその中に含まれておりません」と話すと、会場からは大きな笑い声が。

またダニエルズは、「私はこれまで8本の『スター・ウォーズ』に出演してきましたから、この9作目は最も重要な作品になります。他の作品ほど良い作品にならないかもしれないという危険がありますからね。そしてクリス・テリオと真ん中にいるシャツを着たどなたかわからない人(=エイブラムス監督のこと、会場からは笑い)が登場し、彼らは本当にスター・ウォーズのことを熟知していて、素晴らしく見事なものを作り上げてくれました」と、製作陣を労いました。

レジスタンスの主要キャラクターを演じたリドリー、ボイエガ、アイザックの3人には、『フォースの覚醒』の公開から4年、撮影から5年が経って、『スター・ウォーズ』への参加が人生をどう変えたのか、どのような意味をもたらしたかという質問がされました。

リドリー「まず役者として、数年間雇用されたという喜びがあります。ただ、この作品と関わり始めたときは、これほど大きな存在になるとは想像していませんでした。自分の人生と『スター・ウォーズ』を分けて考えることが出来ません。家族のような環境を作ることができました。その中で安全に、いろんなことを試して、笑って泣くことができました。素晴らしい遺産の一部としてこの作品に関われてとても光栄です」

ボイエガ「実際に関わる前から『スター・ウォーズ』ファンだったので、実際にどのように作られているのかを知れたことが魔法のような経験でした。映画を見たり、ビデオゲームを遊んだりしていましたが、製作のプロセスを知り、作品の一部になれたのはとても素晴らしい経験です」

アイザック「三部作、サーガに関われたのは謙虚にさせられる経験でした。映画というものよりも大きいのではというほどの、世界規模の文化的現象に自分が貢献することができ、サーガの帰結を見ることができたのはとても光栄です。世界中の人と出会えたのもそのひとつです。この作品とともに、世界中の人と出会えたことは誇りに思っています」

42年間にわたりC−3POを演じてきたダニエルズは、『スター・ウォーズ』があらゆる世代、性別を問わず魅了している理由を問われ、「すべての作品に関われたのは光栄です。ここにいるみなさんは、私のキャリアを成長しながら見てくれていたと気付きました。今、私たちがこの作品を一緒に作れたのも、40年以上続いた『スター・ウォーズ』の魔法であると思います。それは、ジョージ・ルーカスの卓越した才能が1977年から始まったところを起点としています。当時はビデオがないので映画館でともに鑑賞し、続いてホームビデオで何度も何度も見て、さらに電子メディアが登場するなど発展を遂げてきました。そして、家族三世代に渡るようになり、当初から参加させてもらってとても大きな光栄を感じます。すべては素晴らしいストーリーテリングのもとにあります」と語りました。

本作には、2016年に亡くなったキャリー・フィッシャー(レイア・オーガナ役)が、CGでの再現ではなく過去の撮影素材を使って出演しますが、エイブラムス監督にはキャリー・フィッシャーを出演させることの重要性について質問が。

「スカイウォーカー・サーガを終わらせるにあたり、レイア姫なしでは出来ないと思いました。彼女の存在はそれほど重要で、別のキャストを起用したりデジタルキャラクターを使うことは、まったく考えられませんでした。『フォースの覚醒』で使用しなかったフッテージを見てみると、それを合わせて脚本を書き、キャリーが登場するシーンを作り出すことができると思いました。感情が込み上げてくるのと同時に、そのシーンで最も重要な人物が実際には存在しない撮影には奇妙な感じもしましたが、私たちが敬愛するこのキャラクター、そしてキャリーのために、実際にそうしました。私は『フォースの覚醒』の前からずっとキャリーのことを知っていて、彼女が亡くなったことは本当に悲しいことでした。でもこのフッテージを使うことで、観客のみなさんにレイア姫のキャリーを最後にもう一度だけお見せできると思いました。ですが私たち全員、キャリーのことが恋しくてたまりませんし、なによりも今日、このステージ上に一緒にいたらと思います。

リドリーには「レイの両親が明らかになるのか」という核心に迫る質問が!「はい、明かされます。『最後のジェダイ』が終わった時、そこで明かされたレイの出生に私は満足していました。でも気がついたのは、レイはまだフラストレーションを抱えていて、まだ追い求める答えがあるのだと考えました。彼女は前に進むためには、それまでに自分が失ったものというのを知らなければならないと思ったのですね。なので、それを模索し、この作品でその答えにたどり着きます。ただ、私が『スター・ウォーズ』で美しいと思うのは、血ががつながった家族の物語でもありながら、それ以外の自分が誰を愛するのかを選び、家族を作っていくという物語でもあるということ。『フォースの覚醒』で初めて会った友人がフィンであったように、愛や友情など、必ずしも血でつながっていない関係が人にとっていかに大きいのか、それがとても美しいと思うんです」

エイブラムス監督は、『フォースの覚醒』での惑星タコダナの名前が”高田馬場”に由来しているように、本作でも日本からの影響があるかという質問に対し、カイロ・レンのマスクの補修に、陶磁器の割れやヒビを漆で接着する日本の伝統技法、金継ぎの影響があったことを明かします。これは、欠陥があっても隠さない、むしろそれを祝福するという意味があるということで、カイロ・レン(=ベン・ソロ)のキャラクター造形にも取り入れられているようです。また、レン騎士団は黒澤映画からの影響があるほか、現代芸術家でエイブラムスの友人である村上隆が出演していることを明かし、25年前に来た時から好きな日本のスピリットを取り入れていると言います。

C−3POが予告編で発言している「最後にもう一度だけ 友人たちに」というセリフの意味について問われたアンソニー・ダニエルズは、「とても美しいセリフで、いろいろな解釈が出来るものです。友人や仲間に別れをするという意味にも、(観客の)みなさんにお別れを告げるという意味にも取れます。現場で感動するセリフで、監督が素晴らしい編集をしてくれました。数日間、このセリフの意味をお考えいただきたいです」と、ファンの期待を高めてくれました。

ケネディはジョージ・ルーカスの本作への関与について、ジョージ・ルーカスはエピソード7〜9の脚本を書いていないと発言し、ジョージ・ルーカスが出していたと言われているは、他の映画のアイデアについてのサマリーだったのではという見解を示しました。ただし、1作目〜9作目までの基本となるテーマのアイデアは、何度も議論をして解釈を重ね、9作すべてに連なっているということです。

エイブラムス監督は、「ミディ=クロリアンは作中に登場するのでもちろん物語の一部ですし、ジョージが書いたものですから、みんなが受け入れています。子どものころに1作目を観て、オビ=ワン・ケノービがフォースについて話しているところを覚えています。フォースはみんなの周りにあって、あらゆる生命を結びつけるもの。そんな力に対する感覚こそ、概念としてよりパワフルなものだと僕はずっと思っていました。フォースを感じ、頼り、信じるという感覚は、考えとしてより力強いものだと思いますし、これが僕にとってのフォースです。ジョージの創造したものが素晴らしいのは、こうして僕たちが自分なりに解釈できるからです」

また、Twitterで集めた日本のファンからの「一番フォースが宿っているキャストは?」という質問には…

アイザック「デイジーじゃない?」
リドリー「(日本語で)ありがとうオスカー。自分にとって一番ステキな言葉かも。みんながつながっている、みんなが違った形でフォースを持っていると思うので、ここにいるみんながそれぞれに美しいフォースを持っていると思います」
ケネディ「ベイビーヨーダだと思う。それは冗談として、私もデイジーだと思う」

やはり、リドリーは強いフォースがあると周囲には思われているようですが、一方でエイブラムスは「みんなフォースを信じているよ。デイジー以外はね(笑)」というコメントも!

サーガの完結であると同時に、これまで一緒に作り上げてきた仲間たちとの別れも意味することへの感傷を感じさせる一方で、いかに撮影現場や製作の過程が楽しかったのかが伺えました。

リドリーが「撮影現場では毎日本当に楽しい時間だったので、それがもう終わってしまうことに寂しさも感じています」と心境を明かすと、アイザックは「今の今は、まだ映画が公開されなければいいと思っています。公開されてしまうと、ここにいる友人たちにさよならを言わないといけなくなりますからね。みんなとこの場にいられることが本当に楽しいんです。もう少し映画に手を加えるのはどうかな、その方が良いかもしれませんよ」と笑いを誘いました。

続けてボイエガも、「本作が世界中で公開されることで、もはや”僕たちの”映画ではなくなります。撮影している間、本当に最高に楽しい時間を終始過ごしてきたのですが、”みなさんの”映画になる時が来ました。ワクワクすることでもありますが、現場に行ってオスカーやデイジーに会うことがもうなくなってしまうわけで、ほろ苦い気持ちですね」と語り、テリオも「映画には4つの生命があると思います。最初は脚本段階。2番目はJ.J.をはじめとした才能溢れる方々が撮影でそれを形にする段階。そしてポストプロダクションでは(音楽の)ジョン・ウィリアムズやエディターが指揮をとり再構築し、4つ目の生命は観客の皆さんと一緒にあります。この(はじめの)3つの生命を寂しくも思いますが、4つ目の生命が始まることに興奮しています」と、それぞれが名残惜しい気持ちを露にしました。

会見の最中に笑顔や冗談が相次ぐ様子を見ると、『フォースの覚醒』からシークエル・トリロジーを作り上げてきたスタッフ・キャストの仲の良さが伺えました。

そんな彼らの最後の旅を目にするのは、もうまもなく──『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は、12月20日(金)日米同時公開。

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『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』

監督・脚本/J.J.エイブラムス
日本公開/2019年12月20日(金)全国公開
配給/ウォルト・ディズニー・ジャパン
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