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2019.11.29 13:00

カンヌ審査員賞受賞『レ・ミゼラブル』2020年2月28日に日本公開決定

  • Fan's Voice Staff

現代の社会問題をリアルに切り取り、本年度のカンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞したフランス映画『Les Misérables』が、邦題を『レ・ミゼラブル』として2020年2月28日(金)に日本公開されることが決定しました。

舞台となるのは、ヴィクトル・ユーゴーの傑作「レ・ミゼラブル」で知られているパリ郊外のモンフェルメイユ。様々なバックグラウンドを持つ人々が暮らし、現在は犯罪多発地区の一部となっており、我々が思い描く“花の都”パリのイメージはそこには存在しません。

犯罪防止班に配属された新人警官のステファンと同僚たちが、ある少年の引き起こした些細な事件をきっかけに、やがて取り返しのつかない事態へと陥っていく様を、緊張感あふれる映像で描かれます。権力者によって抑圧されている弱者と、社会で居場所を失った人々。まさに、“ミゼラブル(悲惨)”な世界の現状を反映した今こそ観るべき問題作。ラスト10分の緊迫感と衝撃のラストシーンは、私たちに何を問いかけるのか──。

監督・脚本を務めたのは、モンフェルメイユで生まれ育ち、現在もその地に暮らす、新鋭ラジ・リ監督。長年Webドキュメンタリーを手掛け、2006年には世界的ストリート・アーティストのJRと共同でプロジェクトを発表するなど活躍の幅は広く、本作が初長編監督作品ながら自身がこの街で体験してきた出来事を、圧倒的な緊迫感とスタイリッシュな映像で見事に描き切りました。

5月に開催された第72回カンヌ国際映画祭で、タランティーノ、アルモドバル、ダルデンヌ兄弟など例年にも増して大物監督の新作が並ぶ中、見事に審査員賞に輝いた本作。現地ではポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』と並んでパルムドールを競い、「コンペ最大のショック!」と称賛を受けたほどセンセーションを巻き起こしました。その後、各国の映画祭でも数々の賞を獲得し、第92回アカデミー賞国際長編映画賞(旧名称:外国語映画賞)ではフランス代表にも選出されています。また名匠スパイク・リーもその才能を絶賛し、アメリカにおけるプロモーションのサポートを買って出るほど。

フランスでは11月20日に公開を迎え、初日動員数7万人を超え、週末ランキングは『アナと雪の女王2』に次ぐ、第2位となる大ヒットスタート。フランスのマクロン大統領も鑑賞し、政府に対し、「映画の舞台となった地域の生活条件を改善するためのアイデアを直ちに見つけて行動を起こす」よう求めたとのことです。

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『レ・ミゼラブル』(原題:Les Misérables)

パリ郊外に位置するモンフェルメイユ。ヴィクトル・ユーゴーの小説「レ・ミゼラブル」の舞台でもあるこの街も、いまや移民や低所得者が多く住む危険な犯罪地域と化していた。犯罪防止班に新しく加わることとなった警官のステファンは、仲間と共にパトロールをするうちに、複数のグループ同士が緊張関係にあることを察知する。そんなある日、イッサという名の少年が引き起こした些細な出来事が大きな騒動へと発展。事件解決へと奮闘するステファンたちだが、事態は取り返しのつかない方向へと進み始めることに……。

監督・脚本/ラジ・リ
出演/ダミアン・ボナール、アレクシス・マネンティ、ジェブリル・ゾンガ、ジャンヌ・バリバール
2019年/フランス/フランス語/102分/カラー/シネスコ/5.1ch

日本公開/2020年2月28日(金)新宿武蔵野館、Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー
配給/東北新社、STAR CHANNEL MOVIES
公式サイト
©RECTANGLE PRODUCTIONS