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2019.08.07 18:00

カンヌ「ある視点」大賞受賞『ボーダー 二つの世界』日本版予告編が公開!

  • Fan's Voice Staff

第71回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」大賞受賞作『ボーダー 二つの世界』の日本版予告編が公開されました。

スウェーデン国境の税関で働く女性ティーナ。映像の冒頭では、セミの音や、彼女に向けられる数々の視線、窓越しの動物とのふれあいなど、誰よりも繊細な感覚を持つ人物であることが伝わるシーンが登場します。勤務中に不思議な旅行者ヴォーレと出会い、「子供の頃から人と違った。醜くて普通じゃない」と、誰にも話せなかった胸の内を打ち明けられたことで和らぐティーナの表情が印象的です。しかし、彼と深く関わるようになったことで、ティーナは自身の出生の秘密と向き合うことに。「私は誰?」「私の人生はすべてが嘘だったの?」という切実な問いと、全てを知るヴォーレの「この世界はまやかしだらけだ」という意味深な言葉が続きます。

善悪、性別、貧富、国境……自己と他者を隔てるものはいったい何なのか?北欧の伝承文学を背景とする、ミステリアスなストーリーは、心をわしづかみにされるような衝撃の真実にたどり着きます──。

2018年5月に開催された第71回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で最高賞で、「ある視点」大賞を受賞した本作は、ベニチオ・デル・トロら審査員を感嘆させ、批評家からも高い評価を受けた話題作です。第54回スウェーデン・アカデミー賞では作品賞ほか最多6部門を受賞。本年度アカデミー賞では、スウェーデン代表作品にも選出された他、メイクアップ&ヘアスタイリング賞でノミネートを果たすなど映画賞レースを席巻しました。

『シェイプ・オブ・ウォーター』でアカデミー賞を受賞したギレルモ・デル・トロ監督は「強い詩。社会に見捨てられた者が人生において愛と怒りの間で選択を迫られる、大人のためのおとぎ話」と絶賛。米映画批評サイトRotten Tomatoesでは97%フレッシュ(2019年7月8日時点)を記録するなど世界的にも高く評価されています。

本作で世界的な注目を浴びることになったイラン系デンマーク人のアリ・アッバシ監督は、以前より、『ぼくのエリ 200歳の少女』(08年)の原作「モールス」の著者ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストのいくつかの小説の映画化を勧められていたそう。「原作者、脚本家であるヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストの特別な才能は、現実と幻想の間の架け橋を構築することだ。彼の文章を深く掘り下げた結果、僕は『ボーダー 二つの世界』に辿り着いた。この作品は自分自身のアイデンティティを選ぶことができる人についての映画である」とその魅力を語っています。

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『ボーダー 二つの世界』(英題:Border)

税関職員のティーナは、違法な物を持ち込む人間を嗅ぎ分ける特殊能力を持っていた。ある日、彼女は勤務中に旅行者ヴォーレになにか得体のしれないものを感じるが、何も証拠が出てこないため入国審査はパスした。ヴォーレを見て本能的に何かを感じたティーナは、後日、彼を自宅に招き、離れを宿泊先として提供する。次第にヴォーレに惹かれていくティーナ。しかし、彼にはティーナの出生にも関わる大きな秘密があった──。

監督・脚本/アリ・アッバシ
原作・脚本/ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト
2018年/スウェーデン・デンマーク/スウェーデン語/110分/シネスコ/DCP/カラー/5.1ch/原題:Gräns/字幕翻訳:加藤リツ子
字幕監修:小林紗季/R18+

日本公開/10月11日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町・ヒューマントラストシネマ渋谷他
配給/キノフィルムズ
公式サイト
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