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2019.06.05 13:00

『存在のない子供たち』ナディーン・ラバキー監督の初来日決定!

  • Fan's Voice Staff

「12歳の少年が両親を告訴する」──中東の貧困、移民などの社会問題を背景とした衝撃作『存在のない子供たち』のナディーン・ラバキー監督が、7月上旬に初来日することが決定しました。

苛烈なまでの中東の貧困と移民の問題に、一歩もひるむことなく果敢に挑んだナディーン・ラバキー監督は、レバノン出身の45歳。監督・脚本・主演を務めたデビュー作『キャラメル』がいきなりカンヌ国際映画祭の監督週間で上映された逸材です。先月開催された第72回カンヌ国際映画祭<ある視点部門>の審査員長も務め、今やその輝きはとどまることを知りません。今回が初めての来日となり、2008年に開催された第21回東京国際映画祭での『キャラメル』の上映から11年越しの念願の来日に期待が高まります。

初来日に際し、「この映画は12才の少年ゼインが体験する旅を描いています。この映画を通して少しでも現在の状況を皆に知ってもらいたい。たとえ何かを変えることが出来なくても話し合いや考えるきっかけになるはず。私は映画の力を信じています。日本に行くのを楽しみにしています」とコメントを寄せています。

リサーチ期間に3年を費やし、自らが目撃し経験したことを盛り込んだフィクションに仕上げたラバキー監督。主人公ゼインをはじめ出演者のほとんどは、演じる役柄によく似た境遇にある素人を集めたといいます。感情を「ありのまま」に出して自分自身を生きてもらい、彼らが体験する出来事を演出するという手法をとることで、リアリティを突き詰めながらも、ドキュメンタリーとは異なる“物語の強さ”を表現しました。

ラバキー監督は女優としても活躍しており、本作ではゼインの弁護士役として出演しています。

『存在のない子供たち』は、パルムドールに輝いた是枝裕和監督作『万引き家族』とともに昨年のカンヌ国際映画祭を震わせ、コンペティション部門〈審査員賞〉〈エキュメニカル審査員賞〉を受賞。その後もゴールデン・グローブ賞ならびにアカデミー賞〈外国語映画賞〉にノミネートされました。

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『存在のない子供たち』(原題:Capharnaüm)

監督・脚本・出演/ナディーン・ラバキー
出演/ゼイン・アル・ラフィーア、ヨルダノス・シフェラウ、ボルワティフ・トレジャー・バンコレ
2018/レバノン、フランス/カラー/アラビア語/125分/シネマスコープ/5.1ch/PG12/字幕翻訳:高部義之

日本公開/2019年7月、シネスイッチ 銀座ほか全国公開
配給/キノフィルムズ/木下グループ
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